娘の婿さんは、赤ちゃんの障害について、いちどだってへこたれた様子を見せたことがありません。
いつも穏やかに微笑んで、赤ちゃんをひたすら可愛がっています。
この青年のこういう態度(「逆境に強い」)、前にも見たことがあるなあと思い出します。
2年まえの4月始めでした。
6月の結婚式をまえにして、「お話があります」と、婿さんが訪ねてきました。
娘もとなりで緊張の表情です。
「じつは母がこの結婚に反対で、結婚式には出ないと言っています」とのこと。
「えっ!」とおどろくわたしと夫。
聞けば婿さんのお母さん、その数ヶ月まえの初対面時に、口下手でろくにあいさつもできない娘にガッカリしたとか。
さもありなんと納得したわたしです。
早くに夫を亡くし、女手ひとつで大切に育ててきたひとり息子さんです。
その息子が連れてきたのが、グズでのろまのうちの娘。それはお母さんがガッカリするのも当然だよなあ。
(ちなみに、青年実家がかなり遠方のため、結婚式前の「両家顔合わせ」みたいなものはやっていません。)
じゃあ、この結婚は破談ってこと?
でも、青年の訪問趣旨は「母の無礼なふるまいを許してください、これからも頑張って説得しますから」というものでした。
青年の結婚意志に揺らぎはなく、「お母さんの反対で迷いは生まれない?」と聞くと「それは絶対ないです!」ときっぱり。
『いったん「このひとを」と決めたからには心変わりなどあり得ない』という強靱な意志のちからを感じました。
けっきょくお母さんは結婚式に出席してくれて、その後、娘ともまあまあ良い関係になっているようです。
美人で聡明なお母さんでしたが(まだ50代の若さ)、飛行機でしか行き来できない遠方のため、あまり会う機会がありません。
ちなみにこのお母さん、今回の「赤ちゃんに障害があった!」に関しても、おだやかで落ちついた対応をしてくれてありがたいです。