つぎに読んだのは、斉藤里恵「筆談ホステス」です。
10年ほどまえに出版されて話題になったし、TVドラマ化もされた記憶があります。
著者斉藤さんは先天聾ではなく、1歳10ヶ月のときの高熱が原因で聴力を失いました。(ヘレン・ケラーのように。)
学齢期になったとき、彼女は聾学校でなく地域の普通小学校に入学します。
なぜ?ほとんど聞こえないのに?勉強についていかれたの?いじめはなかった?
さまざまな疑問がわきます。
けっきょく彼女は高校を中退して、いわゆる水商売の道に入ります。
その後、筆談を使う接客テクニックで名を上げ、銀座の売れっ子ホステスとなります。
斉藤さんが、学校時代いじめを経験せず、むしろたくさんの友人に囲まれていたこと。
水商売の接客ではスムーズな会話のやりとりは必須だと思えるのに、なんと筆談で人気を博していること。
この理由はずばりただひとつ、斉藤さんがかなりの美人だということです。
この美貌がなかったら、彼女の難聴人生はもっとずっとつらいものになっていたはず...。