ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

DAY33 山陰/ 出雲ー山口 チャリダー山陰の雨に屈す。『日本列島縦断 自転車の旅 2018』

2018年12月04日 | 自転車の旅 国内
12月に入った。
山陰地方にも冬がやってくるこの頃、
日本海側の雨はしばらく続きそうだ。

チャリダーもそろそろ冬モードに切り替える頃合いだろう。

冬の空模様は、
日本海側が、雨や雪。
太平洋側が、晴れ。

いつか切り替えなければなるまいと思ってはいたけど、島根県の出雲まで行けて良かった。
明日からの山口県は、
瀬戸内側を走ろうと思う。

自転車は分解して梱包した。

雨の今日を、移動日に当てた。

中身はこうなっている。
自転車はフルサイズで折りたたみ自転車ではないから、

前後輪を取り外して、ペダルを外して、フロントフォークを内向きにして、車体を車輪で挟んで縛る。
昭和58年に輪行デビューして以来、変えていない。我流で通している。
世界中どこでもこれで行く。今のところトラブルはない。

出雲市駅。

国鉄時代の特急列車が停車していた。


車両の連結部に

「日本国有鉄道」

山口行きの特急列車がやってきた。

この列車で中国山地を越えて瀬戸内側に行く。
島根県と山口県の県境はJRで輪行だ。

今年の日本縦断チャリ旅、
北海道からここまでチャリで来た。(津軽海峡はカーフェリー)
きょうが最初の輪行だ。

汽車だ汽車だ。

はしゃぐ俺。

ただ座っているだけで、

3日分も走ってしまうのか。

山陰から山陽に行く人びと。

2両しかないけど、結構混み合っている。

暇だ。

あとは、寝るしかないね。

瀬戸内の天気はまずまずだ。

明日はまた自転車に乗って、
山口市から下関へ、
関門海峡トンネルを経て、
北九州の小倉まで行こう。

明日、九州へ。
旅はいよいよ終盤だ。

外はまもなく、

土砂降りの雨になった。
列車が山中の無人駅で停車して動かなくなった。

ま、こうなったら、
寝るしかないね。

本日の走行距離、
0km。






DAY32 山陰/ 聖地巡礼 チャリダーは出雲大社に平伏す。『日本列島縦断 自転車の旅 2018』

2018年12月03日 | 自転車の旅 国内


昨日、行っただろ。
まあ、そうなんだけど。

雨予報だからと勝手に言い訳を(誰にだよ)
しかしまあ、
お昼前からしっかり晴れた出雲市なのだ。

電車でGOだぞ。

一畑電車っていう。

ゴーゴー!
なんだろこのワクワク感。

途中の駅で、

乗り換えて

ゴトゴト揺られる出雲路なのだ。

終点の「出雲大社前」駅で下車する。

駅はレトロおしゃれ。

参道を歩きつつ、
空腹を覚えたので

駆けつけ三杯、
三段蕎麦の割子そば。

んー!
新蕎麦だー!
んまいっ!

徒歩2、3分で出雲大社。

緊張感ある。

凛とした参道。

すごい煩悩の塊なのに、ほぐされてしまいそう。

見られてる感じがする。

まさかね。

手水で清めを行なう。
榊を手にしたときのような錯覚を覚える。

まずは正面の拝殿に詣でた。

かしわ手がよく響いた。
調子がいいのだ。

奥にある本殿を回ろう。
あちこちの神様に拝礼しながら、

反時計回りにゆっくりと回った。

なんだか

もう、

やられっぱなしじゃないか。

ウサギだぞ。

心霊のことは気にしないでくれ。


神様は、いると思う。

気配が濃厚だ。

宝物殿に立ち寄る。

中は撮影禁止だ。

昨日、友人に教えてもらったのだ。
「妖刀村正がある」と。

その妖刀は本当にあった。
思わず変な声が出た。

刀身の、もやもや模様が動いているように見えてしまう。錯覚か?

剣先が欠けている。
これは、もしかして?

その隣に展示された別の刃は、
まっすぐな、鋭い殺気を、
光のように放っている。

また、
歴史の教科書で見たことがある人たちからの奉納の刀剣が数点展示されている。

鎌倉時代と伝わる太刀、
刀身は灰色のいぶし銀、
まさに地のハガネだ。
細く、鋭い。
江戸時代の「日本刀」とは別物だ。

我が家の先祖から伝わる家宝の太刀(平安時代末期)に刀身も鞘もシルエットやサイズがそっくりだった。
やはり、時代、時代の傾向があるようだった。

やはり大切なものなのだ。
大事にしなければと改めて思う。

なんだか、ほとんど泣けてきて、

寄進してきた。
ここはニッポンの、大切な場所じゃないか。

正面の鳥居から外を見た。

太古もこのような眺めだっただろうか。

NHKの放送終了/始まりの「国旗」は、

掲揚されてなかった。

聖地といえば、
参道にあの「聖地」が進出していたが、閑古鳥が鳴いていた。

がんばれスナバ!

黒船は

満席だった。

がんばれスナバ!

ここも、ファンにとっては、
たぶん聖地。

竹内まりやの実家。

出雲大社前駅には、

こんなものもあったぞ!

うわー聖地!

本気で聖地!

手動ですか?

ほんまか?

あけてみた。

ほんまや!



居合わせた鉄の殿方と少しお話したりする。

「ワイパーも手動なんです」と実演して見せてくれた。

すげーよ!

昔のモノって、

かっこいいよな。

俺、昭和50年代くらいの生活に戻ってもいいな。

帰りの電車にて。

そういえば縁結びだったな。

しかしぃ…

なにこの、溢れ出すロンリー感は。

なになに?

ほとんど当てはまらんみたいや。

家族に捨てられたら最後やな。
嫌われないように、
必死でご機嫌取ろうと思う。

きょうも反省会。

出雲大社にて散財しました。
反省してます。

本日の走行距離、
もちろん0km。





DAY31 山陰/ 米子ー出雲 神々の国を行く 『日本列島縦断 自転車の旅 2018』

2018年12月02日 | 自転車の旅 国内

因幡の国
出雲の国

神話に登場するかの地は、このあたりのことだ。
きょうは神々の地を旅する。

といえば聞こえはいいが、
僕はいつもと同じ。
ビジネスホテルの、お世辞にも上質とは言えない無料朝食を腹にかき込んで出発する日曜日の朝なのだ。

日曜日の朝の米子は、

ゴーストタウンかと思うくらい閑散としていた。

官庁街も、

県庁所在地だった鳥取市とは比較にならないくらい、ひっそりとしている。

城跡があった。

本丸直下を行く。

走り始めて3キロも走らない、

10分もしないうちに、島根県に入ってしまった。
鳥取県米子市は、いっそ島根県でいいじゃん!

面白い名前の道の駅だけど、走り始めたばかりなので素通りする。

山陰本線に沿って西へ。

橋のある風景。

島根県安来市。
安来節の町だ。

国道9号線は安来市から松江市に向かうが、
島根県の県庁所在地、松江市ではマラソン大会が開かれていて交通規制があるというので、松江市をパスすることにした。

ショートカットの道はなかなか素敵じゃないか。

美しい田園風景の中を行く。

水辺も美しい。

古い時代から現在も使われている灌漑施設のようだ。

神社があった。立ち寄ってみる。

「国府」の跡だという。
古代の行政府で、現在の県庁にあたる。

隣接した土地で発掘調査が行われていた。

立派な狛犬に守られている。

さらに走る。山間部に入っていく。

古そうな上水道ダムがあった。

さらに走り続ける。ダムのあった川を上流まで遡っていくのだが、ようやく
「おかしくない?」

僕はいつの間にか道を間違えていた。
気づかずに30分以上走り続けていたようだ。

正規ルートに戻ろうとするが、
さらに間違えてしまう。
国道ではない、山あいの田舎道なので、なかなか複雑なのだ。

山奥やん。
どこに行ってしまうのか。

iPhoneMAPを当てにしたら、
余計におかしなことに!!

もう、わけわかめ!(死語)

なんやかやで1時間くらい、プラス10kmくらい余計に走った末に国道9号線に戻ってきた。

宍道湖沿い。
最初から松江市を避けたりせずに素直に来たらよかったのだ。

急がば回れと言うではないか。

出雲市を流れる川。

砂州がすごいな。

またまたiPhoneMAPが案内する道。

大丈夫なのか⁈

出雲大社前に向かう道に合流した。

普通にパチンコ屋とかある普通の田舎道。

そして、

到着なのだ。

もちろん、

記念撮影。

心霊写真か!

では、参る。

参道は右側通行、反時計まわりだそう。

ここでもお辞儀。

子供のころ「鳥居は真ん中を通ってはいけないよ神さまの道だから」と教わったよね。

拝殿に至る。
張りつめたような空気感に包まれている。

緊張してしまって、何をお願いするのか頭が真っ白になったまま、柏手を打ってしまったよ。

だから神さまに何もお願いしてない。
無心だ。

しかし、なんだかスッキリしたような気分になった。
風呂上がりみたいな感じだ。

帰り道、というか、宿のある出雲市駅に向かう。

Siri先生、この道で大丈夫なのか?

道端の田んぼに映る、僕の影。

旅も、ずいぶん遠くまできた。

このへんで、いったん区切りをつけようと思った。

今夜もまた恒例の「反省会」が開催された。

僕のお守り。ジェイドという。
太古の昔から、日本の「まが玉」のような使われ方をしてきた石だ。

きょうはなんだかこの石がいつもと違う感じがした。
しかし、いま眺めても、
やっぱ、いつもと同じだなあ。

きっと気のせいだ。

もう一杯、
いろいろ反省します。

本日の走行距離、

85.3km。

米子ー出雲大社、65km
出雲大社ー出雲市駅、10km
道迷い、10km
こんな感じだと思う。














DAY30 山陰/ 鳥取ー米子 日本のパタゴニアを行く! 『日本列島縦断 自転車の旅 2018』

2018年12月01日 | 自転車の旅 国内

何をまた大袈裟に。
てゆうかパタゴニアに行ったことあるのか?

ない。

まあ聞いてくれ。
きょうは鳥取から米子まで走ったのだが、
やたら風が強いのだ。

最初は、たまたま今日だけだろうと思っていたが、
どうやらココはそもそも強風地帯のようなのだ。

南緯45度を越えると、亜南極圏強風帯と言われる地域となる。
「吠える45度」と呼ばれ、昔から船乗りに恐れられた。
パタゴニアは南緯40度から50度の地域で、恐ろしく風が強く、チャリダー泣かせだという。

南米は体験していないが、ニュージーランドの最南端地域(南緯45〜47度)なら10回くらい走ってきたぞ。
世界最南端のスタバにもチャリで行ってきたし、
(恐ろしく普通だった)
世界最南端のマクドにチャリで行き、ビックマックを食ってきた。

だから、ちょっとだけ、偉そうに書かせてくれ。
そこはもう、嫌になるくらい風が強い。

きょうは、そのことを思い出した日だったのだ。

鳥取には、パタゴニアがあるぞ。

さあ、行ってみよう。

鳥取に住む学生時代の親友と再会して濃厚ナイトを楽しみ、聖地巡礼に励んだ鳥取。

楽しかった鳥取をあとにする。

町外れの川を覗き込む。
北海道を出てずっとやってきた「鮭探し」。
だけど川を遡上する鮭は流石にもう見当たらなかった。
京都府が最後だったかな。

もしかしたら?ほっちゃれ?(産卵後の鮭の死骸?)
ヒレは鮭の特徴に似るが、確信は持てず。

しばらく走ると、鳥取大学前。

米子まで90キロを切った。

鳥取市内の驚愕事実。
見てくれ!

段差を削っているのだ。

普通はこうだ。

特に新潟はこれが極めて厳しかった。

鳥取、どんだけ自転車に優しいんだ。

いや、早とちりは良くない。
これは、お年寄り対策だと考えられる。
自転車のためだと思うのはチャリダーの思いあがりじゃないか。

よく言うではないか。
お年寄りは、畳や絨毯の縁でもつまずいて転ぶと。

少しでも安心して歩けるように。
それがこの配慮ではないだろうか。

金沢や富山でも段差を解消させる工夫がされていた。
鳥取もなかなかやる。

神話の「因幡の白兎」の舞台が見えてきた。

波高し。風なお強し。おれ剛。(知らねーよ!)

なんだって⁈

砂が飛んでくるらしいぞ!

えー!

国道9号線だよ?
こんなの初めて見た。

マジすか⁈

国道が…

国道9号線が…⁈

この写真は冗談だよ。

歩道にはあちこち砂の吹き溜まりがある。

だから砂丘ができるのだ。
砂丘の形成には強風も関係あるに違いない。

米子までは、程度の差こそあれ、
ずっとそんな感じだった。

波高く、風が海からぶつかってくる。

鳥取方面が混雑している。
土曜日ということもあるだろう。
県民みな聖地巡礼かもしれない。

トンネルの名前が良くないかい?

ここからしばらくはトンネル多発地帯だ。

GPSの性能を再確認。

ぴったり7m。

さすが鳥取。

路肩にサボテン。

トンネルの歩道を走る。

歩道があれば安心だ。

家に帰るのだという地元チャリダーに出会う。

行く方向が同じ。

風車ぶんぶん回る回る。

日本海側ではお馴染みの光景だ。

時々、裏道を走る。

国道には大抵、旧道(旧山陰道)がある。

砂丘は積極的に緑化されているのだが、

畑にするのは並大抵のことではないと素人目にもわかる。

そもそも、

とても「土」とは思えない。砂だ。
これは大変だ。

ハワイなう。

親友が教えてくれた牛骨ラーメンの美味い店がある倉吉市が近いが、風との闘いで、バテバテ。
とてもそんな余裕がない。

なあ、木々が斜めってないか?

斜めってるよ。

今日だけじゃないんだ。
いつも強風なのだな。

地元チャリダーが急に国道を逸れたので、真似てみたら、

いい道!
やっぱり地元チャリダーはリスペクトだ。

街道感あるある。

信号なく、概ね平坦で、交通量少なく、
凄くいい。

ラブホあります。

誰かいるよ。笑

国道9号線に復帰。

海岸沿いの道だけど、小さな峠はある。

登れば、下りもある。

下ります。

米子、だいぶ近くなってきた。

ここまできて、ようやく風が穏やかになってきた。
風に反比例して、砂の丘陵が緑に覆われている。

風車の回転も、ゆっくりになってきた。

ずっと米子市の町外れまで風車群は続く。


米子市に入った。

歩道を走っていたら、

田舎では、こういうことも多々ある。

凄くカッコイイじゃないですか!

橋マニア興奮。

めちゃ喜んでる、

橋マニアなチャリダー。

米子市内を走行中に見かけた溝。

西日本でたまに見かける。
ロードレーサー(競技用に似た高速自転車。クルマに例えるならスポーツカー)の細いタイヤなら挟まりそうだ。

僕のはハードな旅用自転車だからタイヤはあまり細くはないけど、バランスを崩しそうになる。

いろんな道路がある。
地域性があり、場合によってはローカルルールらしきものもある。
気をつけなきゃ。

米子市内に着いた。
予約したビジネスホテルは部屋に自転車を入れさせてくれた。

ここ10年ほど急激な自転車ブームでロードレーサーが激増した。
ロードレーサーという自転車は非常に高価なため、オーナーはホテルの部屋に持ち込みたがる。
そんなこんな、いろいろあって、海外のように部屋に持ち込めるホテルが増えてきたのだ。
正直これは、有り難い。

本日の走行距離、

93.1km。