はんなり、万華鏡

京都を中心とした旅行記や文化についてあれこれ。

舞妓さんの髪型・勝山

2006-07-11 22:21:41 | 京都・舞妓さん変身体験(髪型いろいろ)

祇園祭の期間になると、舞妓さんは勝山という特別の髪型を結います。
この髪型は舞妓さんなら誰でも結えるというわけではありません。普段おふくという髷を結っている大きい舞妓さんだけが結えます。

勝山髷は、元々は「勝山」という名の遊女が好んで武家風に結った髷から発展したものだと言われてます。
舞妓さんが結う勝山髷は京風ですし長い年月に間にアレンジされているでしょうから、元々の勝山髷とはちょっと雰囲気は違うと思います。
髷を輪にして左右から梵天という飾りを挿します。江戸時代のお姫様の吹輪という髪型と良く似ていて、とても豪華で可愛い髪形です。
勝山を結うのは、髪結いのタイミングにもよりますが、大体は鉾建が始まる7月10日頃から、花傘巡行(後祭)と還幸祭がある7月24日頃まで結うそうです。この時期は銀の祇園祭用の豪華な簪を挿します。

最近は本格的に舞妓さんの髪を結ってくれる変身のお店もいくつかあります。とても素敵な髪型なので結って戴いた事があります。
勝山髷は油をたっぷり塗ったかもじを使うのでとても重いです。

 


梵天には撫子の花が付いています。撫子の色はピンク色のが多いですが、好みによって赤にしたり、赤やピンクの中にちょっとだけ白を入れたり、襟替えの近い舞妓さんなどは水色などのちょっと地味な色にする事もあるそうです。
髷に付ける手絡の色も最初は赤で、キャリアによってピンク、水色、薄紫色と変わるそうです。
夏なので銀の箔押しした絽の布を使用して、より涼しげに見えます。
下の画像は、左が赤い手絡にピンクの撫子の梵天、右がピンクの手絡に水色の撫子の梵天です。右の方がよりキャリアのある舞妓さんの拵えという事になります。

 

 
お祭り用の簪も毎年デザインが変わるそうで、お花にトンボや露芝、団扇などがモチーフになります。
ある舞妓さんに聞いてみたところ、毎年デザインは変わるものの、祇園祭用の簪なら好きな物にして良いそうで、デザインが好きじゃないとか皆とは違う物を挿したいという場合は、過去に作られた簪で好みのデザインの物を挿してる舞妓さんもいるそうです。
髷の手前に挿す銀の飾りは、3段から7段までの段になっているのですが、大きい舞妓さんほど段の数が多くなるそうで、大きい舞妓さん用は5段から7段と聞いています。
小さい舞妓さん用は3段ですが、その分飾りが大きいです。
また、小さい舞妓さん用のはお花などの色が濃い目の色使い、大きい舞妓さん用のは色使いは地味になります。
下の画像はどちらも勝山髷ですが、簪は左が大きい舞妓さん用で5段、右が小さい舞妓さん用で3段です。
色が白っぽく飛んでいますが、実物はもう少し濃い色合いでした。
小さい舞妓さんは通常通り割れしのぶ髷に、この祇園祭の簪を挿します。
7月上旬、7月後半は、団扇や朝顔などの簪を挿します。
7月後半にあったイベントに来られた舞妓さんが、髷はすでに通常のおふく髷なのに、簪は祇園祭用のを挿してました。
7月後半に髷を変えたら、団扇などを挿すと聞いていたのですが、イベントだから派手な方が良いということなのか、豪華な祇園祭の簪を見ることが出来てお得でした。

 

※画像は全て私が変身体験した時のものです。

京都で五つある花街のうち、祇園甲部、先斗町、宮川町、祇園東は八坂神社の氏子で、上七軒は北野天満宮の氏子です。
北野天満宮の氏子である上七軒の舞妓さんは、勝山髷を結ったり祇園祭用の簪は挿したりはしないらしい?という話をどこかで聞いたことがあったのですが、数年前に祇園祭期間中の上七軒に行ったところ、勝山を結っている舞妓さんを見かけました。
所属する置屋さんの方針によって、結うところと結わないところがあるという話も後日どこかで聞きましたが、今は殆どの置屋で勝山を結わせているようです。
素敵な髪型ですものね、簪も豪華ですし(^^)