母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

はなびら餅

2015年01月06日 | 季節
いにしへを語る みやびの菓子は

誰が名付けしはなびら餅

透き通る薄紅は

めでたくも訪れる新しい朝の

あけぼのに染まる茜の空の色

それは初々しい少女の頬に

湯気立つ如き温いいのちの色

年の初めを祝おうと

朱塗りの皿に置かれた菓子は

大地の力の種を宿し

射し込む朝日の光に包まれる

刻まれた時を無言で語り

羽二重の柔和さで存在する

美しい日本の新年のことほぎ

はなびらの餅よ
コメント
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