花男の物置部屋 引っ越して3箇所目

備忘録的に食ったもん、読んだもん、聴いたもん等を書いてます。

「ギフト」 日明 恩

2023-12-20 20:02:31 | 活字もすっげえたまには読むぞ

 

贖罪のため、警察を辞め須加原。バイト先のレンタルショップへよく訪れて来て「シックスセンス」のパッケージを観ながら涙をする・・・が何も借りずに帰る少年がいる。町で見かけたその少年は赤信号を渡ろうとして、須賀原はとっさにそれを止めるため彼に触れる・・・その時それまでいなかった老婆が目に入る・・・少年には死者とそして時折隠していた「真実」が見えてしまうと言う。その少年に触れている間は須加原にも死者が見えてしまうらしい。偶然の出会いから二人は死者にかかわっていく・・・交通事故死した老婆、虐待されていたと思わしき犬、ずぶ濡れの幼女、良くしゃべる高飛車な女・・・そして二人は須賀原の贖罪の元となった人物に・・・そんな感じですかね。

 

良い話です。優しいお話です。そして読み易く一気に読み切れました。それぞれの「幽霊」によって物語のタイプのバリエーションがついてるのもポイントか・・・ずぶ濡れ幼女な「氷室の館」では事件物的なミステリィ要素も強くなり、「自惚れ鏡」はちょいドライな乾いた感じで・・・「とおりゃんせ」「秋の桜」はふわっとしたいい話に収まってますかね。なかなか良かったです。ラストは割と軽めでもいい感じ。

 

面白かったです。"非常に"としても良かったかなくらい。

 

 



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