もぐりの語学教室+修行が辛くお寺を逃走した元僧侶見習の仏教セミナー

ご一緒に学習を!
私は先生ではありません.間違いだらけかと思います.
ご容赦下さい.

2948番:さすらいの青春(324)

2023-10-31 22:07:53 | 日記


𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
  
さすらいの青春(324)


.——————————【324】————————————————
  
Deux  barreaux  de  fer,   comme  on  en  voit  derrière
les  domaines  aux  volets  toujours  fermés  des  écuries,
avaient  dû  clore  cette  ouverture.  Mais  le  temps  les  
avait  descellés.
  « Je  vais  entrer  là,  se  dit  l' écolier,  je  dormirai
dans  le foin  et  je  partirai  au  petit  jour,  sans  avoir
fait  peur  à  ces  belles  petites  filles. »
  
  

————————————(訳)——————————————————
           
 二つの鉄格子が、屋敷裏によくある鎧戸で閉められた
厩舎のように、入口を閉めているに違いなかった.しか
し、この時は鉄格子は外されていた.
 「よし、あそこから入ってやろう」、この生徒はそう
言い聞かせた.「可愛い女の子たちに見つかることなく
ぼくはそこの秣の中で眠って、夜明けに出て行こう.」

 

.———————————《語句》——————————————————
       
barreau:(m) 格子、柵 
domaine:[ドメーヌ](m) 所有地、領地、家屋敷    
volet:(m) 鎧戸、シャッター   
écurie:[エキュリ](f) 厩舎
avaient dû + 不定詞:(大過去3複)~はずだった  
clore:(他)[文] 閉じる、閉ざす    
ouverture:(f) 開くこと、開けること、入口 
descellé:(p.passé) < desceller (他) 取り外す、
   desceller un barreau / 窓格子を取り外す
dormirai:(未来1単) <dormir (自) 眠る
   眠る=dormir ; 寝る=se coucher 
      眠っていなくても、横になれば「寝る」が成立.
   フランス語ではちゃんと使い分けするので要注意.  
foin:(m) 秣(まぐさ)、干し草;
   「わら」と訳したかったが「わら」は
   paille (f) なので無理があります.   
partirai:(未来1単) < partir (自) 出発する、立ち去る     
petit jour:(m) 夜明け、薄明かり

   
——————————— ≪確認≫ ————————————————

訳に100 % の自信がないときは、よく訳本で確認するの
ですが、今回も語順をいじって訳したのでチェックのた
め角川文庫「さすらいの青春」の訳文を見てみました.

すると、テキストにない訳文が増えていた.
それは:
   「屋敷のうしろにあるような、厩舎のよろい戸で、
二本」の鉄柵が入口をふさいでいた.しかもそれは、
もはや古びて、こわれかかっているのであった.」

Le LIVRE de POCHE には  「しかもそれは、
もはや古びて、こわれかかっているのであった.」
という箇所はありません.

【結論】たくさんの版を重ねた本には、多少削られたり、
足されたりした箇所があるのでしょう.

 

——————————— ≪感想1≫ ————————————————

aux volets toujours fermés des écuries:
語順を変えないと訳せません
   ↓
des écuries aux volets toujours fermés
いつもは閉められている鎧戸のある厩舎

なぜdes écuries をうしろに回した?
おそらく正規の語順だと直前のderrière les domaines 
にくっついてしまって、「厩舎などの建物群の裏に」
となって厩舎のさらに裏側になってしまうからでしょう.

きっと感覚的には
「いつもは閉められた鎧戸さ、厩舎のね」


——————————— ≪感想2≫ ————————————————

l'écolier:「生徒」ですがモーヌのことを言っているのは
確かです.日本人ならこんな紛らわしいことを言わず
はっきり「モーヌ」と書くところでしょう.しかし向
こうの小説は同じ名詞を繰り返したがらない.そうい
う闇のルールがあります.闇ルートじゃなく闇ルール.

 

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2947番:「おとうと」(1)(フィリップ短篇集より)

2023-10-31 22:05:11 | 日記

 
 「おとうと」(1)(フィリップ短篇集より)

    LE  PETIT  FRERE


—————————【1】——————————————————  

  A  midi,  les  enfants  n' avaient  rien  remarqué,  mais
le soir,  à  quatre  heures,  lorsqu'ils  revinrent  de  l'école
ils  virent  qu' il  y  avait  une  personne  de  plus  à  la 
maison: c' était  la  mère  Buvat,  la  sage- femme.   Ils
allèrent  jouer  comme   d' habitude,   et,   à  six  heures,      
Lartigaud  les  appela  pour  le  souper.
  


—————————— (訳)——————————————————

  正午、子供たちは何も気に留めていなかったが、夕方
4時、学校から帰ると、家にもう一人いることがわかり
ました.それは助産婦のビュバおばさんでした.彼らは
いつものように遊びにいきました.そして午後6時にラ
ルティゴーは夕食のため、みんなを呼んだ.

 

——————————《語句》———————————————————
           
remarqué:(p.passé) <remarquer [ルマルケ]  
remarquer:(他) 注目する、注意する、気づく
    認める;
    remarquer les défauts des autres 
        他人の欠点に気がつく    
virent:[ヴィール](単純過去3複) <voir    
voir:(他) 見る、目撃する、分かる、知る     
sage-femme (sages-femmes):(f) 産婆、助産婦       
allèrent:(単純過去3複) < aller (自) 行く
   aller + 不定詞:❶~しに行く;
   ❷[近接未来] これから~しようとする       
Lartigaud:(人名) ラルティゴー;フィリップの短篇集
   では皆同じ名前の人物が登場します.
   この ラルティゴーも「荷車」の登場人物です.
souper:(m) 夜食、田舎では「夕食」の意味だそうです.
souper:(自) 夜食をとる、夕食をとる;


——————————≪文法≫—————————————————

たい焼き...ではなく対訳書の解説によると、本文の書き
出しは大過去、その後の話は単純過去が使われており、
これにより、時間の経過がはっきり示される奥行のある
ストーリー展開になっているとのこと.
  つまり正午の時点では大過去が使われています.
その後はすべて単純過去で書かれています.

 

 

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