ブッダ伝(2)
さて、菩提樹下でさとりを得た王子は、このさとり
を得た瞬間、ブッダとなりました.ゴータマ・シダ
ッタ王子は、ブッダとなったのであります.
では一体、何をさとったのでしょうか?ものの本に
は、「十二因縁」をさとったと記述されております.
しかし、机の上で、ペンとノートを使って学んだの
なら、いざしらず、何もない樹木の下で、いったい
12項目をそれぞれ詳細に、関連付けた体系を整理
できるものでしょうか? ノートを使わず、方程式
を解くようなもので、まず不可能です.おそらく、
もっと単純な、因果関係を見たのだと思います.瞑
想はわたしたちの想像を越える深いものだったので
しょう.
だから、この深い瞑想の中で、自分の過去
世の記憶に遭遇した、ということがあったのかも知
れません.唯識論仏教や、瑜伽行学派の説くアラヤ
識に到達したのかも知れません.否、到達はしなか
ったのかも知れません.しかし、過去世の存在は
確認できなかったとしても、信じるだけでもいいの
かも知れません.
だって、考えてもみてください.
わたしたちに、もしも過去世がなかったとしたら、
いきなり人間に生れてくるというのはありえない
ことでしょう?まずは小さな虫けらからじゃないで
しょうか? 今、人間である、ということは、その
前段階に、チンパンジーのような霊長類を過ごした
からじゃないでしょうか?
さてこうして、前世と今との間に、因果関係を、見
出して過去世から貫く因果関係を発見し、ここにさと
りを得た、と推定いたします.
覚りを得てからブッダは、その真実を噛みしめ、反芻
しました.さとってから実に1週間、その菩提樹下に
留まったとあります.
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