仏教教室(2)
昔、北インドの小さな国、カピラヴァストゥに
カピラ城というお城があり、そこにシュッドー
ダナという王様が住んでいました.ある日、隣
国のデーヴァダハという国からお妃様を迎え入
れ、幸せに暮しましたとさ.おしまい.
——終わったらあかんがな.
——始まります.お妃様の名前はマーヤー夫人
です.夫人なのですが、なぜか、(ぶにん)とい
うふり仮名がついていますので、マーヤーブニン
と呼びますね.
ある日マーヤー夫人の胎内に白い象が入って来ま
した.
白い象:おじゃまします.
マーヤー夫人:おじゃましますて、あんた、そんな
大きな、ずうたいの生きものが、わてのお
腹に入らへんがな.
白い象:お釈迦様を産むためや.すまんのう、入れて
もらいまっせ.
マーヤー夫人:あーれー. 白い象かと思っていたけど寝
ぼけていたのね.亭主のあそこがお腹に入った
のね.
それから夫人は懐妊しました.
マーヤー夫人:あんた、わて、身重になったさけ、
実家のデヴァダハ国に帰って、産んで
きまっさ.
シュッドーダナ王:そうしなはれ.ほなバイバイ.
あんたの実家のクリ城へ戻る途中、ルンビニ
花園によるといいよ.きれいな花がたくさん
咲いてまっせ、きっと.
マーヤー夫人:入園料が安かったら行ってみるわ.
シュッドーダナ王:ひとり500円や.お弁当付きで
1000円や.何人連れて行くねん.わし
3万円出したるさかい、付き人みんな連れて
入ったらええわ.
【お妃さまの帰郷】
従者たち:お妃様、出発しましょう.馬車にお乗りください.
お妃:新幹線とちゃうんか?
従者たち:そんな、2500年未来の話でんがな.
今の時代は馬でっせ.
こうして、一行は出発しました.
馬が走る~ パッカ、パッカ、パッカ パッカ~ ヒヒ~ン
あ、これやった
【ルンビニーの花園】
一行はルンビニー園に立ち寄りました.
受付のおばさん:何人や?
侍従:29人です.
受付:ああ、残念やったな.30人やったら
団体割引で、弁当付きで半額の1万5000円
やったのに.2万90000円です.
侍従:お前も、一緒に花見せえや.それで30人や.
1万5000円にしとけや.
【花園にて】
マーヤー夫人:わあ、きれいなお花.ポキ.
係員:花を折らないでください.
マーヤー夫人:あ、ああ~、もうだめ、産まれる~
係員:うそつけ、花代弁償しろ!
マーヤー夫人:ほんまやがな.あんた産婆さん呼んで来て.
お付きの人たち:妃殿下、テントを設営しました.
あそこで出産なさってください.
マーヤー夫人:わては右わきから産むのでっせ.
お付きの人:脇に穴ないやん.やっぱり穴のある
ところから産まれるねんで.
マーヤー夫人:どの穴?
お付きの人:エッチなところよ.
マーヤー夫人:いやん.
【産まれました】
ホギャー、
赤ちゃん:おら、七歩歩くんよ.
産婆さん:それは無理.あんたのアンヨわてが
動かしたげるよって、それで歩いたことにせえや.
1,2,3,4,5,6,7歩~.
赤ちゃん:ホギャー、ホギャー、ホギャー.テンジョー、
ホギャー、ホギャー、ドクソン
周囲の誰か:天上天下唯我独尊と聞こえるよ.
【カピラ城に戻って】
アシタ仙人:ごめんください、こちらに産まれたばかりの
シッタッタ王子はいらっしゃるでしょうか?
お目にかかりたいのですが.
シュッドーダナ王:お前は誰だ?
アシタ仙人:占い師です.ぼんぼんの未来を占います.
シュッドダナ王:ほな見てくれ.
アシタ仙人:おじゃまします.
【赤ん坊を見て】
シュッドーダナ:ドーダナ? アシタ仙人.
アシタ仙人:おお、これはすごい.在家のままなら、
転輪聖王、出家するとブッダになられる印があります.
でもぼく、泣いちゃっていいですか? ウワ~ン
シュッドーダナ:泣くな!
アシタ仙人:だって、この子が大きくなって覚りをひらいた
ときには、ぼくはもうこの世にいないから、この子
の教えが聞けないのです.悲しいじゃありませんか.
【35年後、ニグローダ樹にて】
この樹に願掛けをしていたスジャータと言う名の娘がいました.
ある日男の子を授かり、願いがかなったというので、下女の
プンナーに樹に住まわれている神様ところへごあいさつに行
かせました.行って戻ってきたプンナーは:
プンナー:きょうは神様が自らお出ましになって樹の元に
座っておいででした.
スジャータ:では私はミルク粥を持っていってお供えしてき
ましょう.
今度はスジャータが自らニグローダ樹のところに出向いて、
樹の元に座っている王子に、ミルク粥を供養しました.
スジャータ:尊いお方よ、私の願いは叶いました.今度は
あなた様の願いが成就いたしますように.
シッタッタ王子:ありがとう.
それから王子は、傍らを流れるネーランジャラー河に入り水浴
し、それから向こう岸に渡り、菩提樹に向かって進み、その下
に、草刈り人からもらった草を敷き詰めて、その上に座った.
シッタッタ王子:私は今宵さとりを開こう.
悪魔:甘い!そうはさせるもんかね.
【12月8日未明】
悪魔はいろいろなものに化けて、シッダッタの修行を妨害した.
身の毛もよだつ恐ろしい姿で王子の前に現れた.
悪魔:この妖怪が目に入らぬか?
シッダッタ王子:悪魔よ、迷惑条例違反だ、やめよ.
悪魔は今度は美女の姿で現れた.
美女に化けた悪魔:あっふ~ん.わたしを抱いていいわよ.
ただでいいわ.
シッダッタ王子:悪魔よ、やめよ.わたしは、もう生死の
連鎖を打ち破った.お前たちの武器はもはやわたし
には通用しない.
さて開けの明星の光が輝いた.王子には天眼が開かれ、
王子はブッダとなった.
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