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文在寅の「反日政策」が大失敗で、ここへきて韓国経済が「自爆」してきた…!

2020-09-07 18:11:12 | 日記
文在寅の「反日政策」が大失敗で、ここへきて韓国経済が「自爆」してきた…!

8/21(金) 6:31配信


現代ビジネス

韓国の文在寅政権の反日政策によって、日韓首脳レベルの対話が途切れて久しい。

日韓国交正常化後、政府レベルの関係が今日ほど険悪化したことはなく、日本人の対韓感情の悪化に歯止めがかからない。

ただ、昨年7月までは、日韓の民間部門の経済関係や人的関係は政府間の対立とは離れて大筋では機能してきた。

そうした理性的な関係は、日本政府が韓国に輸出してきた戦略物資が不正に第3国に流れているとの疑惑から輸出管理を厳格化して以降、日韓の経済関係や人的交流などの民間部門の関係悪化を招き始めた。

これが、韓国における不買運動の長期化にともなう相互不信や徴用工問題の悪化などによってさらに本格的に民間部門に波及しようとしている。

日本が韓国へ輸出した戦略物資が不正に第3国に流れているとの疑惑から、韓国への輸出管理を厳格化したことへの報復として韓国では日本製品不買運動が広がり、それが1年たった現在も継続している。これまでは序盤だけ勢いがあったが、今回は熱気が長く続いているといわれ過去になかった深刻さを秘めている。

韓国放送広告振興公社が8月12日実施した世論調査によると、消費者の75%がいまも不買運動に賛同していることが判明した。

年代別には50代の参加率が最も高く、20代が最も低かった。不買運動のため購入を断念したことがある日本製品では、ファッション(56%)、アルコール類(43%)、日用品(37%)、食品飲料(36%)、化粧品(34%)であった。

韓国の「一人相撲」

不買運動はいまも止まらない 

また、日常の消費品以外も韓国で輸入車の販売が全体的に増えているにもかかわらず、日本車だけ半減している。

韓国では昨年11月、乗用車の個別消費税を70%引き下げたため多くのメーカーでは特需に沸いたが日本車だけは販売が減少し、輸入車者市場の日本車のシェアは、昨年1-7月が20.3%だったが、現在は7.9%に低下している。

しかも、不買運動は陰湿化しており、韓国では8桁の番号が新車を意味しているが、8桁の番号を付けた日本車は様々な嫌がらせの対象になっているという。

韓国では人々は他の目を意識することが多く、積極的に不買運動に参加したくなくても、日本製品を購入するのを他人に見られると親日として批判されることを恐れ、不買運動に参加する雰囲気がある。

こうした嫌がらせがなくならない限り不買運動は続くだろう。

今回の不買運動は、これまでのものとはまったく状況が異なるものである。それは文在寅政権の反日政策と連動しているということかもしれない。韓国政府の反日政策が、日韓経済関係にまで影響を及ぼし始めているとみるべきであろう。

不買運動による日本企業への実態的な影響は「マクロ的な観点でいえば大きくない」という。

旧経済企画庁出身で在韓国日本大使館での勤務経験のある大東文化大学経済学部の高安教授によれば、「日本産ビールの韓国への輸出が97%減少(19年8月)しても輸出全体に占める割合は0.15%に過ぎず、訪日韓国人の個人消費に及ぼす影響はない」と強調している。

要するに韓国の消費者は一人相撲を取っているということになる。

日本が「金融引き締め」をすれば、韓国は…
 
韓国のウォンは国際通貨とは見なされていないため独自で進めれば調達コストが高くなる。

そこで韓国の銀行のドル調達に日本の銀行は協力してきた。

それでも韓国は慢性的にドル不足に直面しており、韓国企業は日本の銀行から直接ドルの信用供与を受けている。これを引き締めることになれば韓国企業の海外での活動に多大な影響を及ぼすことになる。

韓国企業の対日金融依存度は新型コロナの影響で一層高まっている。

ドイツなど欧州の銀行は不良債権問題で収益力が低下しており、韓国への融資を拡大する余裕は少なくなっている。

米国では韓国の北朝鮮追従姿勢、安保軽視が韓国経済への信頼関係を失わせており、韓国の企業への投融資には慎重になっている。

ひとたび韓国が日本企業資産の現金化に乗り出せば、一気に不安が高まることになりかねない。

文在寅政権は、徴用工問題で「いつでも日本政府と向き合う準備はできている」とはいうものの、「大法院判決は大韓民国の最高の法的権威と執行力を持つ。政府は司法の判決を尊重し、被害者が同意できる円満な解決策を日本と協議してきた」(8月15日光復節演説)というのみで、

この判決が国際法違反の状況にあることを是正する意向は示していない。

そもそも「日本政府と向き合う準備ができている」というが、請求権協定には協定の解釈の問題が生じた場合には仲裁によって解決するとの規定がある。それでも韓国政府は仲裁に応じていない。

韓国政府はあくまでも大法院の国際法違反の判断を日本政府に受け入れさせ、それを前提に問題の解決を図ろうとするものであり、これでは解決には至らない。

日本企業の資産現金化はもはや時間の問題となっている。

日本の金融措置によって、韓国経済は決定的な打撃を受けるだろう。

それは日韓間の取引を抑えるばかりでなく、韓国の国際的な取引を抑え込み、日韓関係の大きな対立要因に発展していくであろう。

ただ、韓国の経済界の日本への信頼を失わせるというマイナス面があることは注意すべきかもしれない。

日本企業の「韓国離れ」が始まった…!

ユニクロも一部店舗を閉店する photo/gettyimages

むしろ文在寅政権の経済失政にともなう韓国経済の現状に加え、こうした不買運動が「日本企業にとって韓国はこれ以上投資対象として魅力的でない」との雰囲気を一層醸成しよう。

日本総合研究所の向山上席主任研究員は、

「韓国は日本よりさらに早いスピードで低成長基調に進入している。日本企業の立場では韓国に対する投資魅力が落ちている」と指摘する。

日本製品への不買運動は日本企業の韓国からの撤退を促進している。

昨年、韓国から撤収した外国企業は173社であった(国立立法調査処報告書)そのうち日本企業は45社で最も多く、次いで米国(35社)香港(17社)などである。日本企業の撤収が多いのは日韓の政治関係が影響している。

今年に入ってからも、日産の韓国法人日産コリアが韓国市場からの撤退を宣言した。衣料品ブランドの「ユニクロ」も今月国内9店舗を閉店する。

これには3階規模のソウル江南店も含まれる。

また、日本への渡航自粛が日本経済に及ぼす影響よりも韓国経済に及ぼす影響が深刻になってきている。

今年は新型コロナの影響で訪日客は激減しているが、昨年で見れば、世界全体から3130万人が訪日し、東京・大阪などの主な地域の宿泊施設はすでに満杯になっていた。

もちろん、韓国人の訪日客の消費は無視できないので、その影響を軽く見るべきではないが、韓国が期待するほど日本経済には影響しないだろう。

日本政府の「報復措置」が待っている
 

むしろ、日韓を往復するLCC(格安航空)9社のうち、ANA系のピーチを除けば韓国籍であり、韓国のLCCは利益の50%を日本路線で稼いでいた。


これに新型コロナが追い打ちをかけたため、経営の存続が心配であり、こうした不買運動や新型コロナが落ち着いた後も、運航を再開できなければ、日韓の観光交流にも大きな影響を及ぼそう。

また、ミクロで見れば対馬では韓国人観光客が大半であり、その激減で韓国人の韓国事業者が苦戦している。自粛で本当に困っているのは韓国人かもしれない。

他方、韓国の側から見れば、日本の戦略物資に対する規制の強化は「信じていた日本企業の供給信頼性が不安になり、このままでいいのか点検する動きを見せている」との指摘がある。

日韓双方で経済関係に対する不満がたまっていけばその相乗効果で、日韓経済関係の一層の収縮を招きかねない。そうした危険を日韓両国政府は真剣に考えるべき時にきているのではないか。

徴用工裁判によって日本企業の資産が売却されれば、日本政府の報復措置が待っている。

それは、韓国人に対する査証免除の停止から、日本大使の一時帰国、韓国製品に対する関税の強化、金融措置による韓国のドル調達抑制など様々な可能性が検討されている。

その中で韓国にとってもっと深刻な影響を及ぼしそうなのが、韓国への金融措置であろう。

忘れてはならない竹島問題

筆者が在韓国大使をしていた頃、韓国の人々が最も感情的になり怒ったのが、竹島問題を巡る日本側の主張であった。

故盧武鉉大統領が竹島は日本が朝鮮進出を始めたきっかけであるとして、これを領土問題から歴史問題へと転換させてから、日本に対する姿勢はより強硬になり、韓国軍は毎年2回、竹島周辺で軍事訓練を行っている。今年も6月2日に軍事訓練を行った。

韓国は、昨年8月に軍備増強に5年間で300兆ウォン支出し、軽空母と原子力潜水艦を保有する計画を明らかにした。

韓国軍の主要な防衛対象が北朝鮮であるとすれば、海軍よりも陸軍やミサイル防衛が優先されはずである。

この計画によれば今年から本格的に3万トン級の軽空母を導入し、最新垂直離着陸型ステルス戦闘機「F35B」を導入するという。

中央日報は「韓国の領土竹島を日本の領土だと妄言を吐く日本の空母が竹島沖に布陣する日が来れば、韓国も空母で対抗するしかない」と述べている。

海底には潜水艦、海上には空とイージス艦、空中にはF35戦闘機編隊、宇宙には偵察衛星と独自のGPS人工衛星体制を整えてこそ空母打撃群が形成されると指摘しており、軍備増強はこれに沿ったものになっている。

韓国は北朝鮮に対する防衛を弱体化させえる一方、日本の防衛力増強への備に力を注いでいる。韓国の防衛計画に基づいて軍備増強を図るのは韓国の主権であるが、それがどの方向を向いてなされているかについては日本としても注視せざるを得ないだろう。

いずれにせよ、韓国の竹島を巡る主張は今後一層強化されていくであろう。それは日韓の国民交流にも少なからず悪影響を及ぼしかねない。私の経験では、日韓間であらゆる問題が片付いても最後に残るのは竹島であると考えている。

文在寅政権の反日政策の影響が広がるのはこれからである。それが将来的な日韓関係に大きな悪影響を及ぼさないように希望する。

武藤 正敏(元駐韓国特命全権大使)

日本の対韓世論の変化に無知な文在寅政権

2020-09-07 17:50:01 | 日記
日本の対韓世論の変化に無知な文在寅政権

2020年9月2日 6時0分

東洋経済オンライン

安倍晋三首相の突然の辞任表明は、韓国でも驚きをもって受け止められた。

日韓間には、元従軍慰安婦や徴用工などの歴史問題から、韓国艦艇による自衛隊機レーダー誤照射やGSOMIA(軍事情報包括保護協定)といった安保問題、そして輸出管理の規制強化という経済問題など、さまざまな未解決の問題がある。これらの諸問題が解決できない理由はどこにあるのか。

在韓40年、朝鮮半島問題では日本を代表するジャーナリストであり、このほど『反日vs. 反韓 対立激化の深層』(角川新書)を出版した黒田勝弘・産経新聞ソウル駐在客員論説委員は、日本の韓国に対する意識の大きな変化と、韓国の変わろうとしない「歴史まみれの被害者意識」を軸に日韓関係の深層を読み解く

――安倍首相の辞任表明を、韓国の政権、世論はどのように受け止めていますか。

韓国の世論は、これまでメディアを先頭に右傾化、過去の美化、韓国イジメなどといって安倍首相への非難、罵倒を続けてきた。

それゆえ、辞任に関しては、歓迎の雰囲気だ。一方で安倍時代の日本については、日米関係強化やアベノミクスによる経済の復活といった印象が持たれているので“強敵去る”の感もある。

安倍首相の辞任表明を歓迎する韓国

――日韓関係は歴史問題だけでなく、安保、経済分野に至るまで、ことごとく悪化してしまいました。

韓国では昨年の“経済制裁”が印象的であることから、日韓関係がここまでこじれてしまったことについて、「アベのせい」と考えている人が多い。

ただ、左翼特有の、現実より理念重視の文在寅政権のかたくなな姿勢にも批判がある。

とりあえず、安倍が辞めれば何か変化があるのではというところだろうか。

メディアなど世論の一部には対日関係の長期悪化には苛立ちというか落ち着かない心理もあり、関係改善への漠然とした期待感も持たれている。

――日本の立場からすれば、日韓関係の悪化は安倍首相のせいだけではありませんね。

韓国には、ジコチュウ(自己中)的で自己批判や自己省察が苦手な人が少なくない。

特に日本に対しては確固不動たる加害・被害史観があるので、自分たちが悪いことをしているなどとはまったく思っていない。

日韓関係がこじれた原因として、韓国の対日姿勢として繰り返される執拗な反日現象と、それによってもたらされた日本の対韓世論の変化、つまり反韓・嫌韓感情があるのだが、多くの人たちがその実情に気づいていない。このすれ違いは深刻だ。


――韓国側が気づくべき日本の変化とは、具体的にどういったことでしょうか。

今回、出版した著書では、「日本人の対韓被害者意識」という言葉を使った。

近年、日本の世論には「日本は韓国に貶められている」「韓国から損害や迷惑を被っている」といった被害者意識が強く表れている。

これが日韓関係の新しい構図の重要な背景だ。

ただ日本人の対韓被害者意識というのは、現状もさることながら、実はこの地の地政学的な経緯により昔からあるものだということを、歴史をひも解いて日韓関係論の新たな視点として提示した。

――韓国側からすれば、「被害者はわれわれのほうだ」となりませんか。


黒田勝弘(くろだ・かつひろ)/1941年生まれ。京都大学経済学部卒。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長兼論説委員を経て現職。1978年韓国延世大学留学。ボーン・上田記念国際記者賞、菊池寛賞および日本記者クラブ賞を受賞。著書に『韓国 反日感情の正体』『隣国への足跡 』『韓国人の研究』『韓(から)めし政治学』など多数(写真:尾形文繁)

朴槿恵・前大統領は「(日韓の)加害者と被害者の立場は1000年経っても変わらない」と述べたことがある。

これが韓国の対日歴史観の基本で、韓国は永遠の対日被害者というわけだが、あまりにも短絡、短見だ。

韓国人自身、国際関係論を語る際に「永遠の友も永遠の敵も存在しない」と言うように、歴史的な加害・被害の関係はいつでも変わりうる。

世界遺産の指定をめぐる問題でユネスコに指定取り消しを求めたり、東京五輪がらみで“フクシマ風評被害”を扇動している。

パラリンピック金メダルにも“旭日旗難クセ”をつけるなど、その反日姿勢に日本の世論は「もういい加減にしろ」と辟易し怒っている。これらについて、日本人は韓国による“日本いじめ”だと思っている。

加害者・被害者という構図は無用に

――日本でも韓国との関係について、負担、重荷のように感じる人が増えてきました。

著書では、昨年の対韓貿易管理強化という名の経済圧力ないし“制裁”を検証、総括している。

この問題は日韓関係が過去最悪になった徴用工問題と密接に絡んでいる。ここで日本が韓国に対して厳しい姿勢で臨んだことにより、「歴史を背景にした日本の対韓配慮や遠慮はもうないのだ」というメッセージが伝わったことは、日本の対韓外交の画期的な転機になった。


不買運動を含め日本にとって一定の被害はあったけれど、一方で「日本がそこまでやるか、日本は変わった」という反韓・嫌韓感情下の日本の現実を知らせる効果はあったと思う。

つまり加害者・被害者という固定したフレームワークではもう日韓関係は考えられない。このことを私は、「歴史まみれの韓国」に対し「歴史離れの日本」と図式化した。

――保守政権だった朴槿恵政権も、革新政権の文在寅政権も対日観は変わらないということですね。

現実の韓国は大きくて強い国になり、国際的にも存在感のある国になった。

それなのに日本が相手となると、相変わらず歴史の固定フレームで”被害者コスプレ”を楽しんで日韓関係を悪化させている。

日本が変わることで韓国の対日観を変え、それが彼らの武器になってきた歴史カードを“無力化”させる必要があることを新著の結論にした。

――文在寅大統領や大統領府のスタッフらは、そもそも日本に関心がないのではという見方があります。

そうかもしれない。

政権の最大目標は南北関係改善だから、対日関係には切迫感が無い。口では対話や関係改善が必要だと言いながら、具体策は何も提示しない。

それゆえ韓国の保守派から、「左翼政権だから正義や公正、平等など理想主義的な美しい言葉は大好きだが、言っていることとやっていることが違う」と皮肉られている。

例えば文在寅大統領が2019年のテレビ番組での国民との討論で突然、「韓国は日本の防波堤になって日本を守ってやっている」と発言したのは、その一例だ。

――「韓国防波堤論」は、かつて朴正熙、全斗煥政権時代に聞こえた冷戦期の言葉ですね。北朝鮮や中国、旧ソ連の脅威から日本や米国を韓国が防いでいるという論理でした。

冷戦期に韓国は「自由主義陣営の最前線」であるとか「反共の砦」と言われ、日本もそれに共感し、韓国への支援・協力を惜しまなかった。

特に1980年代初め、日本は全斗煥政権から100億ドルもの「安保経済協力」資金を要請されたことがあったが、その時の根拠が「韓国防波堤論」だった。

韓国は北朝鮮とその背後にいるソ連、中国の軍事的脅威から日本を守ってやっているのだから、防衛費のつもりで韓国に金を出せというものだった。

しかし現在の文政権は北朝鮮の脅威を否定し、南北協力を強調している。

中国の脅威を語ったことなど一度もない。

文大統領はいわゆる冷戦時代の安保論理を繰り返し否定してきた。それが突然、死語にも等しい冷戦時代の「韓国防波堤論」を持ち出したのだから驚いた。

「北方の脅威」などというが、誰から日本を守ってやっているのか。そのこともはっきりさせずに「日本の防波堤」といわれても、にわかには信じられない。

支離滅裂、矛盾に満ちた文政権の対日姿勢

――あの発言の本音は何だったのでしょうか。

おそらく「日本にとって韓国は価値のある存在なのだ」ということを言いたかったのだろう。

「国際的に韓国を高く売る」という韓国外交の伝統的な手練手管といえばそれまでだが、周知のように現在の文政権は一方では日本の重要性を無視し、「日本何するものぞ」の気分で反日を大いに楽しんでいる。

「北の脅威」どころかむしろ「南北協力で日本に勝つ」などと公言しているのだから、もう支離滅裂だ。矛盾に満ちた政権なので、戦略的フレームが必要な外交の相手としては実にやっかいだ。

――外交面では、文大統領は「南北平和共存」一辺倒のように見えます。

それがこの政権にとってレガシーとして残すべき最大目標であり、そのためにすべてを投入している。

アメリカのジョン・ボルトン大統領府特別補佐官の回顧録「The Room Where It Happened」を読んでよくわかったが、文大統領は「とにかく金正恩(朝鮮労働党委員長)を動かさなければいけない」という一念で、金委員長と会い、トランプ大統領と会っていた。

金委員長には「トランプと(自分は)仲がいい、何とかする」と言い、トランプ大統領には「あなたこそが頼りなのだ」とおだててすり寄っている。

2022年5月まで、残る任期わずかとなった文在寅外交にとっては、対米外交も対中外交もすべて金正恩委員長の顔を韓国に向けさせ、南北和解・共存・協力体制に持っていくためにある。

だから拉致問題の解決を訴え、独自の経済制裁を行い、ミサイルを近海に撃ち込まれ、「北朝鮮は安保上の脅威」と主張する日本は、南北平和共存には邪魔な存在なのだ。

しかもボルトン回顧録がいうには、安倍はトランプに「北には用心しろ」と繰り返し言うので、文在寅は安倍が韓国外交を妨害したと思っている。

南北関係で頭がいっぱいの文政権にとっては、日韓関係どころではないというのが正直なところだろう。

――文政権は1945年8月15日の植民地支配からの解放=「光復」に至った歴史にもこだわっている姿勢が目に付きますね。日本支配の終わりは「外からもたらされたものではなく、自ら勝ち取ったものだ」と。

韓国では今や「対日戦勝史観」が定着しつつある。

就任翌年の2018年8月15日の演説で文大統領は「光復は外からもたらされたものではない」と断言した。

この史観はこれまでの教科書をはじめとする韓国の公式な歴史観とは異なる、明らかな誇張、ないし歴史の歪曲だ。

――具体的にどのような史観ですか。

これまでの韓国の歴史教科書では、植民地からの解放について「光復は連合国の対日戦勝によってもたらされたものだが、同時にわれわれの粘り強い抗日独立運動の結果でもある」とされてきた。

つまり苦肉の両論併記だったのが、文在寅大統領は「われわれが日本を打ち負かして、われわれの手で解放(光復)を勝ち取ったのだ」と言い出した。

韓国では近年、テレビドラマや映画などの抗日モノには必ずといっていいほど「独立軍」なる存在が登場し、日本軍と戦う華々しい戦闘シーンが売りになっている。

韓国人にとって、そうした夢あるいは理想(あるべき歴史)としてのドラマ的な抗日活劇談のような対日戦勝史観が、今や大統領によって事実としてあった歴史であるかのように主張され始めた。

対日戦勝史観が軍事的緊張を生み出す

――そのようなストーリーは、北朝鮮の「抗日パルチザン闘争」と同じような意味合いになってきますね。パルチザンとして日本と戦い、独立を勝ち取ったという建国ストーリーと重なってきます。

南北とも民族的願望という見果てぬ夢を歴史解釈で“事実”にしているわけだが、こうした虚構としての対日戦勝史観が、国民を元気付けるための内部消費にとどまらず、日韓関係にも無視できない影響を与えている。

対日戦勝国という意気揚々さというか「日本何するものぞ」という気分が、たとえば「反日無罪」的に日本相手には何でも許されるという心理から、日本の世論を刺激する反日パフォーマンスが頻繁になっている。

2019年の日本の対韓輸出管理強化策(制裁)に際し、官民挙げて「経済侵略」「経済戦争」として反日を叫んだり、日本を「戦犯国」とし、旭日旗を「戦犯旗」、徴用工がらみの日本企業を「戦犯企業」というなど、しきりに「戦犯」という言葉が登場するのもその一例だ。

戦勝国気分で反日をやっているのだ。不買運動でもメディアは「独立戦争の心意気」と言っていた。

――もっと言えば、2019年末の韓国艦艇から日本の自衛隊機へのレーダー誤照射事件やGSOMIA延長といった安保関連の問題に対しても強気になるわけですね。

著書では「韓国の対日擬似戦争」として詳細に指摘したが、安保や軍事問題での韓国の“ケンカ腰”の危うさも強調した。

「日本何するものぞ」という戦勝国史観は民族感情なので、安保・軍事問題での感情傾斜は不測の事態を招きやすい。これは何としてもうまく管理されなければならない。

日本として韓国への対応は、そうした観点というか”実情”を念頭においたものでなければならない。同じようにケンカ腰になってはまずい。

――日本から見るとあまりにも一方的な韓国の対日観ですが、それでも韓国は隣国であり、引っ越しもできません。韓国とうまく付き合うための方法はあるのでしょうか。

ときに誤解も拡散されるオンラインニュースの時代。

解説部コラムニスト7人がそれぞれの専門性を武器に事実やデータを掘り下げてわかりやすく解説する、東洋経済のブリーフィングサイト。画像をクリックするとサイトにジャンプします

繰り返しになるが、「なぜ日本で反韓・嫌韓世論が高まっているのか」を韓国に認識してもらうほかない。

韓国における歴史がらみの執拗で度を越した反日現象が、日本人の反韓・嫌韓感情を引き起こしていることを韓国世論にわからせるしかない。

たとえば官民挙げて嬉々として扇動、展開かつ愛国運動として称えられた不買運動もそうだが、韓国のような先進国レベルの国で特定国の製品の不買を、国を挙げてやるような国は世界のどこにもない。その異様さ、異常さを知るべきだ。

先ごろ韓国大手紙の「中央日報」が「あの反日不買運動は選択的不買運動だった」と総括していた。

つまり、韓国で代替できるものは不買対象になったが、代替できないものは不買にならなかったという。

結局、ご都合主義的で“いい気な愛国”だったというわけだが、そんな反日パフォーマンスが、韓国という国の品格(国格)にふさわしいのか。米国など他国も巻き込んで国際的基準や国際的常識で迫るしかないだろう。

――ポスト安倍の日韓関係、韓国側ではどのような予測が出ていますか。

当面、誰になっても自民党政権には変わりないので大きな変化は期待できないというのが一般的な見方だ。

しかし、同時に日本の首相交代を変化につなげるには、「韓国の姿勢が柔軟にならなければならない」(中央日報8月31日付、朴竽熙・ソウル大教授の論評)という文政権への注文もあった。

内政を含め文政権の政策的硬直さには批判が強くなっている。識者からは、「日本が変わるのだから、文政権もこの際、変化すべき」という声が結構、聞こえてくる。

東洋経済オンライン

韓国でいよいよ「輸出」が激減、静かに「競争力」が低下し始めていた…! 「中国向け」輸出がとくに厳しい

2020-09-07 17:25:55 | 日記
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韓国でいよいよ「輸出」が激減、静かに「競争力」が低下し始めていた…! 「中国向け」輸出がとくに厳しい

2020年9月7日 5時0分

現代ビジネス


韓国でいよいよ「輸出」が激減、静かに「競争力」が低下し始めていた…! 「中国向け」輸出がとくに厳しい


輸出が厳しい

8月まで、韓国の輸出は6カ月連続で前年同月の実績を下回った。

輸出の地域別にみると、一時増加に転じた中国向けの輸出が減少した。

それは、韓国の対中国の競争力が徐々に低下しているとも解釈できる。

品目別にみると、半導体やコンピューター関連部品の輸出が増えている一方で、自動車や石油化学製品などの輸出が減少した。

足許の中国経済はまだら模様だ。

生産活動は急ピッチで回復しているが、それは主に財政出動に支えられている。

成長の限界を迎えた中国経済の先行きは不透明だ。


また、米中の対立は一段と先鋭化している。

今のところ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は米中対立にどう対応するか明確な方針を示していない。

今後、韓国から中国向けの半導体などの先端IT製品などが制限されることになると、韓国の中国向けの輸出はさらに厳しい状況に追い込まれるだろう。

そうなると、韓国経済の成長率はさらに下押し圧力がかかる可能性が高い。

また、韓国国内では文氏の経済運営などへの批判や不安が高まっている。

コロナショックをきっかけに世界経済の構造変化が加速化している。

文政権下の韓国企業にとって、そうした変化に対応することは一段と難しくなるだろう。

これから韓国では、所得・雇用環境の悪化懸念の高まりをはじめ、社会全体で閉塞感が高まる恐れがある。

軽視できない中国向けの輸出減少

8月の韓国の輸出は前年同月比で9.9%減少した。

特に重要なポイントは、中国向けの輸出が減少したことだ。

リーマンショック後、韓国は中国への自動車などの輸出を増やすことによって比較的短期間で景気回復を実現した。

足許の中国経済は公共事業と自動車販売補助金が支えとなって緩やかに持ち直している。

過去の景気回復パターンを考えると、韓国から中国への輸出は増加してよいはずなのだが、実際にはそうなっていない。

その背景には、中国にとっての韓国製品の重要性が低下したことがありそうだ。

7月、工作機械や自動車を中心にわが国の対中輸出は増加した。

それとは対照的に、韓国の主要輸出品目である一般機械や石油化学製品などの対中輸出は減少した。

それは韓国企業の競争力低下を意味しているともとれる。

現状、韓国が中国に対して優位性を維持している主な製品は半導体だ。

ただし、その競争力の持続性には不安な部分がある。


共産党政権は補助金政策の強化などを通して“中国製造2025”を推進し、メモリやロジック半導体、ディスプレイの開発に加え、サムスン電子が重視する半導体受託製造分野の競争力向上に取り組んでいる。

韓国にとって最大の輸出先である中国は、徐々に国際競争上の脅威に変わりつつある。

また、わが国との関係も韓国企業の競争力を低下させる要因だ。

朝鮮戦争が休戦した後、韓国はわが国からの技術移転を重視し経済成長を実現した。

経済成長の初期段階において技術移転は工業化を進めるために有効だ。

その後も韓国企業はわが国の生産要素に依存し、対日貿易赤字を抱えている。

反日政策を重視して日韓関係を過去最悪なまでに冷え込ませてしまった文大統領は、自国経済の安定感を削いでいるといえる。

ここへ来て不透明要素が増える韓国経済

また、韓国経済は米中対立にも直面している。

トランプ政権はファーウェイへの最先端の半導体供給を遮断している。


米国は知的財産や技術面でも、中国を国際社会から孤立させようとしている。

米国の同盟国である韓国が半導体を中心に対中輸出を増やすことは難しくなる。

本来、文政権は安全保障面での米国との関係をより強固にし、自国の方針を明示しなければならない。

しかし、文大統領は米中双方に等距離感覚で対応できると考えているようだ。

韓国とは対照的に、台湾は米国との関係強化を明確に重視し、TSMCはインテルやAMDなどの需要を取り込んでいる。

それを支えに、同社は米国や台湾で最先端の半導体製造ラインの確立にむけ設備投資を強化している。

韓国経済にとって、米中対立は重要な逆風になっている。

国際情勢への対応だけでなく、内政面でも文氏は難航している。

輸出減少によって生き残りのために人員削減を進める企業が増え、文政権の経済運営への批判は強まっているようだ。


それに加えて、新型コロナウイルスの感染者が増加し、文政権は外出の自粛を求めた。

その結果、ソウルをはじめとする首都圏を中心に中小の飲食業者などの経営環境は一段と厳しい。

文大統領は、国を一つにまとまるよりも、社会の分断を深刻化させているように見える。

その状態で文氏が構造改革を進め、既存の産業からより成長期待の高い産業にヒト・モノ・カネの経営資源を再配分し、企業の競争力向上を目指すことは難しいだろう。

財政支出に頼った景気刺激にも限界がある。

韓国経済の先行きに関して、不透明要素は増加傾向にあると考える。

現代ビジネス

中国深層ニュース 中国経済のV字回復が疑わしいこれだけの理由

2020-09-07 17:01:18 | 日記
中国深層ニュース 中国経済のV字回復が疑わしいこれだけの理由

コラム

石平

中国深層ニュース

新型コロナウイルス禍からいち早く「脱出」した中国。経済が「V字回復」するという期待があるが、本当だろうか>

中国国家統計局が4月17日、2020年1~3月期の国内総生産(GDP)を発表した。

それは、物価変動の影響を除く実質で前年同期比6.8%減だった。四半期の成長率がマイナスになったのは1992年に記録が始まって以来の出来事である。

19年10~12月期のGDPは6.0%増であったが、今年1~3月期にそれがいきなり6.8%減となった。

下落幅は何と12%ポイント以上もあり、経済状況の急速な悪化がうかがえる。

「中国首席経済学者フォーラム」のメンバーである劉陳傑氏は3月31日、

財新網において発表した論文で、新型肺炎の影響による中国全国の失業者数は最大2億人という驚異的な数字を披露した。

8億人もいる中国の労働人口の4人に1人が失業した、ということとなれば、GDPの損失はそれ相応のものと考えられる。

とにかく今年1~3月期の中国経済はどん底に落ちていたことが分かるが、問題は4月からの第2四半期、すなわち4~6月期においてそれが回復できるかどうか。

あるいは今年1年を通して、中国経済が第1四半期の損失を取り戻して普通の成長軌道に戻れるかどうかにある。

期待通りのシナリオにはならない

これに関して、中国国内でも海外でもかなり楽観視する論調が出ている。「中国経済はこれから急速なV字型回復を成し遂げるのではないか」という観測である。

2月には全国の生産・消費活動がほぼ全面的に停止したのに対し、3月から都市部封鎖の解除や生産再開が政府の主導下で急速に進められたのだから、それに伴って、生産と消費の両方に「どん底からの回復」が見られるのは当然である。

しかしそれは果たして、中国経済の本格的な回復を意味するのか。いわゆる「V字型回復」は今後も一つの流れとして継続していくのだろうか。おそらく楽観論者の期待する通りのシナリオにならないだろう。

中国企業46万社が消えた

中国経済の「V字型回復」を腰折れにさせてしまうかもしれない原因の一つは、武漢発の新型肺炎があっという間に地球上に拡散したことにある。

今、世界全体で新型コロナウイルスが猛威を振るう中、欧米や日本でも2月の中国と同様に生産・消費活動が大幅に停滞して、一部地域ではほぼ完全に停止してしまった。

欧米や日本で起きているこのような事態は皮肉にも、新型ウイルスの発祥国である中国の経済回復に冷や水を浴びせる結果になっている。

中国経済は今まで、個人消費率が4割未満という慢性的な消費不足(すなわち内需不足)の中でずっと、対外輸出の拡大(すなわち外需の拡大)を牽引力の一つにして高度成長を引っ張ってきた。

2010年まで、中国の毎年の対外輸出の伸び率は25%前後を維持して経済全体の成長に大きく貢献した。

2011年以降、人件費の上昇に伴う生産コストの急増とその後の米中貿易戦争の影響で、中国の対外輸出の伸び率は年々下落。

2019年は0.5%までに落ちてしまった。

それでも2019年の中国の対外輸出総額は2兆4984億ドル、人民元に換算すれば17兆4888億元となっている。

2019年の中国のGDPの17.4%に相当するから、輸出に対する中国経済の依存度はなお高い。

その中では、欧米と日本は中国にとっての欠かせない輸出先である。

2019年、中国の対EU輸出総額が2兆9600億元、対米輸出総額が2兆8900億元、対日本が9900億元。三者を合わせると6兆8400億元で、中国の対外輸出の約40%を占めている。

今年1~2月期に中国国内の生産システムが停止した結果、対欧米・対日本を含めて中国全体の対外輸出総額は17%減と大きく落ち込み、第1四半期の成長率急落の一因となった。

3月以降、中国政府の強力な後押しで全国規模の「生産再開」が急速に進んでいるが、中国の輸出向け産業は新しい難題に直面した。

前述したように、欧米と日本で新型肺炎の蔓延によって消費市場が停止。

そしてその結果、中国メーカーの欧米や日本からの生産受注が大幅に減った。

万難を排して生産再開の体制を整えた中国沿岸地域の輸出向け企業の多くは肝心の仕事がない。

その中では、再度の一時休業や減産体制に追い込まれる企業が多く、そのまま倒産してしまう企業も少なくない。

例えば輸出産業の重要基地・広東省東莞で1200名の従業員を抱える東莞泛達玩具有限公司は3月18日に突然廃業を宣言し、経営者が夜逃げした。

東莞精度表業有限公司は21日、一時休業を発表し、従業員に自主的退職を勧めた。同じ日に従業員が4000人もいる東莞佳禾電子有限公司は多くの従業員を「清算」して減産体制に入った。

このような動きは全国に広がっている。

4月6日付の香港サウスチャイナ・モーニングポスト紙が紹介した中国の情報調査データベース「天眼査」の調査によると、今年第1四半期において、中国全国で企業46万社が倒産・廃業で企業登録から消えたという。

倒産・廃業した企業の大半が小売などのサービス業であるが、輸出向けの生産メーカーも少なくない。

中国全国で対外輸出に関わる企業はおおむね640万社あるが、欧米や日本からの受注激減が今後も続いたら、倒産・休業・減産はさらに広がるだろう。

中国の今後の経済回復は、欧米と日本における新型肺炎の状況に大きく左右されるが、残念ながら4月中旬現在では見通しは全く立っていない。

しかも、新型肺炎が世界的に蔓延する中、各国に輸出した中国製のマスクや検査キットの驚くべき品質問題が露呈して、「中国製」の危うさを世界の人々に強く印象付けた。

欧米諸国で疫病が収まった後、「中国製」が以前のように再び売れる保証もない。ポスト新型肺炎の時代においてはむしろ、世界の消費市場とサプライチェーンの「脱中国化」が進む可能性が大である。

「リベンジ」は期待外れに

「ポスト新型肺炎」の中国経済回復を阻害するもう一つの大きな要素はすなわち、国内消費の相変わらずの低迷である。

今年1月、2月に新型肺炎の蔓延で全国多くの都市部で外出禁止となったり都市そのものが封鎖されたりする中、個人消費が激減したのは当然の結果である。実際、1~2月の全国の小売総額は20.5%減となった。

3月になり、都市部の外出禁止と封鎖が徐々に解除されて人々が一斉に外に出ると、国内消費が急速に回復するのではないかとの期待が高まった。

この時から中国では「報復性消費(消費のリベンジ)」という言葉が一部専門家やマスコミによってもてはやされ、人々の期待をさらに膨らませた。

「報復性消費」とは要するに、 1~2月の外出禁止中に「籠城生活」を強いられた人々が我慢して消費できなかった分、3月から自由に外出できるようになるとまるでリベンジするかのように爆発的な消費行動に走るだろう、という意味である。

そして、中国経済はこの追い風に乗って急速なV字型回復を成し遂げるだろう、との期待も言葉に込められていた。

しかし3月から4月中旬にかけて、中国全国の消費動向を見ていると、「報復性消費」は結局期待外れとなっていることが分かる。

3月の全国の小売総額は15.8%減だった。

減少幅が1~2月のそれより縮まったものの、「報復性消費」の気配はどこにもない。例えば個人消費のもっとも大きな項目である自動車消費の場合、3月の全国の新車販売台数は前年同期比43.3%減で、一向に「報復」されていない。

そして4月になると「報復性消費」に対する人々の期待はますます弱まり、この言葉自体がマスコミや専門家の口から消えつつある。

北京や上海も普通の生活に戻りつつあるようだが、繁華街の店舗は依然として大半が閉まったままの状況で人の流れが回復していない。

一体どうして「報復性消費」はやって来なかったのか。外出禁止や封鎖が解除された後でも、どうして中国の国内消費は一向に回復しないのか。

その理由の一つは当然、前述した生産再開の遅れとは大いに関係がある。

多くの生産メーカーが仕事もなく一時休業や倒産に追い込まれている中で、失業が大量に発生していては消費が回復されるはずもない。

失業の大量発生以外に、経営不振に陥った多くの企業が賃下げを断行している最中だから、それはまた人々の消費能力と消費意欲の低減につながる。

そして中国国内での感染拡大がいつになれば完全に終息するのか、その世界的広がりがいつ止まるかは今なお分からない。

こうした中で、中国国民は未来を予測できないし、自国経済の今後に対する期待も持てない。

一般国民の心理として、お金を思い切り使って大いに消費するより、将来への不安から貯金に励むのは当然である。

実際、共産党機関紙の人民日報が3月4日に掲載した記事によると、あるネット世論調査によれば4万人の中の3万人程度が「報復性消費せずに貯金する」と答えたという。

「食べていけるかどうか」の問題に

中国国民が素直に消費拡大に走らないもう一つの深刻な理由は、一般家庭の多額な負債問題である。

中国人民銀行が2019年11月に発表した『中国金融安定報告2019』によると、2019年10月の時点で全国の「住戸債務(家庭債務)残高」は47兆9000億元に上っている。

2019年の中国のGDPは100兆元あまりだから、全国の家庭負債の総額が国内総生産の半分近くに相当するのである。

この報告ではさらに、年収6万元(約91万円)以下の家庭の収入に対する負債の比率が289.5%もあることが判明している。年収6万元の家庭は中国全家庭の大半を占める。

低所得層だけではない。中国の中所得層・高所得層の家庭も高額の負債を抱えているが、最大の理由はこの十数年来の不動産バブルにある。

不動産価格が急騰する中、多くの家庭は銀行で高いローンを組んで高額な不動産を買ってきた。

前述の『中国金融安定報告2019』でも、中国の一般家庭の資産の7割が不動産となっていることが記されている。

資産の大半を不動産として持ち、その不動産購入のために銀行から多額な借金をして毎月のローン支払いに追われる生活は、仕事と収入がある程度保障されている状況下では何とかやっていける。

だがいったん失業と賃下げが当然となる危機的な状況となると、彼ら中所得者層の多くが毎月のローンを払えるかどうかの深刻な問題に直面し、もはや消費するところではない。

今の彼らにとって「報復性消費」とはただの戯れ言なのである。

こうして見ると、「ポスト新型肺炎」おける国内消費の本格的な回復はかなり困難であることが分かる。

少なくとも年内は、「消費の主力軍」とされる中所得層の人々は財布のひもを固くにぎって様子を見ることとなろう。

それどころか、失業や高額な負債の圧迫によって破産してしまう家庭や個人が続出する状況さえ避けられない。

そして、個人消費のさらなる低迷は当然、企業の業績をより一層悪化させてさらなる企業の倒産・失業拡大を招く。

もちろん、倒産と失業の拡大は人々の消費能力と意欲をより一層削ぐことになるから、中国経済はこれでアリ地獄のような悪循環に陥るしかない。

その中で、欧米や日本の混乱が長く続き、各国の「脱中国」が本格的な流れとなれば、中国企業にとっての外需はどんどん減っていく。

そしてそれはまた、中国経済の沈没に拍車をかけることとなろう。

4月17日に開かれた共産党政治局会議は、今後の経済運営に関して「食糧とエネルギーの安全を守ること」「基本的な民生(国民生活)を守ること」を重要任務として掲げた。中国的に言えば、その意味するところは今後下手すると「基本的な国民生活」の維持すら覚束ないのである。

食糧問題についていずれか改めて論じたいが、とにかくこれからの中国はもはや経済成長どころではない。食べていけるかどうかが問題となるのである。



韓国の若者が「就職難」でも大企業にこだわる訳

2020-09-07 16:15:20 | 日記
韓国の若者が「就職難」でも大企業にこだわる訳

食い繋ぐため望まぬ仕事や苦しいアルバイトも

安宿緑 : ライター、編集者
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2020/09/07 5:40

翻訳文芸書『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著、斎藤 真理子訳)やドラマ「梨泰院クラス」が日本国内でもヒットするなど、韓国の若者の“生きづらさ”への関心が高まっている。

若者たちを取り巻く過酷な現実を緊急レポートした『韓国の若者』の著者、安宿緑氏によれば、実際、希望する職を得られず、アルバイトも奪い合いという格差社会のなか、世界トップとも言われる大卒貧困率が生まれているという。

大企業の社員の子どもの家庭教師をしていたという、ソウルの大学院で歴史学を学ぶキム・イェジンさん(仮名・25歳・女)。

家庭教師先は成功者の象徴、高級住宅街である江南のタワーマンション。母親は大企業の幹部だったそうだ。

「子どもの母親は普段、非常に多忙で連絡がなかなか取れない人でした。授業料は一回につき3万5000ウォンいただいていたのですが、2カ月ほど経つと支払いが滞るようになりました。クラスでほとんどビリだった子の成績を、100点満点が取れるまで上げたのに。

しかし韓国では大人、それも雇用主に対して意見するのは非常に勇気がいることです。何度かやんわりと督促したのですが、何の反応もなく。授業料がようやく振り込まれたと思えば、計算の合わない額の5万ウォンが一度入金されて、それっきり。多忙とはいえ、あまりにずさんな対応に困り果ててしまいました」

家庭教師先の母親の反応が豹変

SNS上では、こういったトラブルへの対処法が若者同士でよく共有される。キムさんもそこで得たテンプレートに倣い、意を決して「お母さん、授業料をいただかなければこれ以上授業はできません」とメールで告げた。

するといつもは反応を示さない母親が豹変し、このように返信してきた。

「ねえ、学生。私を誰だと思っているの? 私は大企業の幹部なのよ」

その後も「学生のくせに、年上に指図するのか」などと罵られて話し合いにならず、結局授業料をほとんど回収できぬまま、家庭教師を辞めることになった。

「韓国では、財閥はもちろん、高い地位にいる人が貴族のように横暴な振る舞いをすることが多い。そんな人間がいる大企業に、憧れる気持ちなどありません。私だけではなく、そう思っている同世代は多いです」


熾烈な競争をくぐり抜けるからこそ、その先で支配層となった者たちの自意識は肥大し、時に暴走する。韓国での支配層のメンタリティと聞くと、2014年に起きた「ナッツ・リターン事件」を思い出した読者もいるかもしれない。

大韓航空創業者一族の長女で、当時副社長を務めていたチョ・ヒョナがニューヨーク発仁川行きのファーストクラスに搭乗した際、皿に盛られて出されるはずのナッツが袋のまま提供されたことに激怒。旅客機の離陸を中止させた事件だ。

チョには法の裁きが下ったが、構造はいまだ変わらぬままだ。前述のとおり、韓国では大企業が日本よりもはるかに狭き門となっている。だが尋常ではない競争を勝ち抜いて入社しても、激務に耐えきれず、早々に辞める人も多い。昇進試験の評価が悪ければプレッシャーを受けて自主退職を迫られる。40代のうちに役員コースに乗らなければ出世が閉ざされる、といった現実が「大企業40代定年説」とも呼ばれる事態を招いている。

韓国の平均退職年齢は49.1歳

実際、平均退職年齢は49.1歳(2018年韓国統計庁調べ)で、実際にはそれよりも早いと話す韓国人は多い。

退職後、子どもの学費を支払えず車や家を売るケースもある。

辞めた後は中小企業に入り直すか、アルバイトをするか、起業するかの三択となるが、中高年からではどれも茨の道だ。

大企業出身者は、再就職しても7割が新たな職場に適応できず、やはり1年以内に辞めてしまうという研究結果もある。

取材したうちの数人が「大企業を45歳前後で辞めて、それまで貯めたお金でチキン屋を開くのが、そこそこの人生コース」と話していたのがとても印象的だった。

ここで近年における韓国の経済状況をざっと整理したい。

韓国は1997年に通貨危機を経験し、一時、国家破綻の危機に直面している。

経済は大混乱に陥り、IMF(国際通貨基金)より資金支援を受けることでなんとか乗り越えるも、多くの企業が倒産し、財閥解体、政権交代などの結果を招いた。

これは「IMF経済危機」とも呼ばれる。


その後、2007年の世界同時不況を契機として、通貨であるウォンの価値は下落。2008年10月には再び通貨危機を経験することになる。

この間、経済面での浮き沈みはあるものの、基本的には低迷期間が長く続き、特に2000年からは青年失業率が上昇の一途を辿った。その中で、韓国の若者は世界でも類例のない「多重貧困」にさらされている。

複合的で特定しにくいが、その原因にますます広がる格差と、学歴による過当競争が挙げられるのは間違いない。

たとえば一流企業と中小企業の賃金格差はとても大きい。


平均的な中小企業の賃金は大企業の6割にも満たないことが明らかになっている(韓国雇用労働部および中小企業研究院調べ)。

世代別に見ると、中小企業の場合、30代で平均年収3000万ウォン台にとどまるが、現在、最も年棒が高いことで知られるSK仁川石油化学などのSKグループをはじめ、サムスンなど大企業の場合、1億2000万ウォン前後。

その差は約9000万ウォンに達する。

一方で、大学進学率は日本よりも高い。国内の7割の若者が大学に進学しており、2008年以降OECD加盟37カ国で1位を維持している。

その大卒者が、国内にわずか0.1%存在する、年商5兆ウォン以上のいわゆる大企業を目指すが、実際に一流企業への門戸が開かれているのは、ソウルにキャンパスを置く国立のソウル大学校、そして私立である高麗大学校、延世大学校などの上位大学卒業者にほぼ限定される。

結果として多くの若者が、学業に費やした労力に見合わない低賃金の職や、無職に甘んじる状況を招いている。

韓国は「世襲階層社会」である

なお文部科学省の学校基本調査によれば、2019年度の日本の大学進学率は、短期大学への進学を合わせて58.1%。現役だけに限定すると、54.8%に留まっている。

また韓国の賃貸制度では、家を借りる際に数十万~数百万円の保証金が必要になる。それが自立を妨げる結果になり、結婚の困難さなどにも繁がっているようだ。

こうした状況に置かれた韓国の若者は、2010年代に入って「恋愛、結婚、出産」の3つを放棄せざるをえない「三放世代」とされていた。しかし昨今ではそこに「就職、マイホーム、夢、人間関係」を加えた「七放世代」とも呼ばれるようになった。


「世襲階層社会」と呼ばれるが、「階層が親の経済力によって固定されやすい」というのも韓国社会の特徴でもある。

階層を上がりたい場合、「半地下」で暮らすシムさんのように有資格者、公務員を目指すほかには「これだ」と呼べるようなルートがなかなか存在しない。

それでいて、起業も推奨されず、副業も日本ほど浸透しておらず、貧困を打破する手段が限定的なのがさらに問題と思われる。


日本でも非正規社員から正規社員になることの難しさがよく話題になるが、韓国でのそれはさらにハードルが高い。

その確率はOECD加盟国の平均35.7%に対し、韓国は11.1%にとどまり、かなり低いことがわかる。

そうした状況は「労働市場の二重構造化」と指摘され、問題視もされているが、そこにきて脱産業化など、市場構造の変化によりホワイトカラーの仕事そのものが減少している。

平たく言えば、大卒者の多くが望む「それなりにいい仕事」の数自体が減っているというわけだ。

韓国の若年層の失業問題に詳しい、梨花女子大学校経済学部のホン・ギソク教授は筆者の取材に対し、次のように話す。

「韓国の青年失業問題はあらゆる要素が絡み合い、原因を特定するのが困難です。人口的要因と景気変動的要因から述べるならば、韓国でベビーブームが起きた1991~1996年生まれの世代が成人し、雇用市場を圧迫していることが挙げられます。

「大卒」というプライドとのミスマッチ

さらに、労働市場の両極化と、高学歴者のインフレが起きている点も考慮しなければなりません。

特に韓国は大企業とそのほかの中小企業の賃金格差が非常に大きく、そのうえ大企業の数が全体の数%しかないため、当然ながら大量にあぶれる人が出てきます。

また、似たようなスペックばかりのため区別がつかない。それで政府からは、経歴を開示せずに選考する案が出ましたが、そうなるとさらに混乱が生じるでしょう」

また、ホン氏はこうも指摘する。

「多くの韓国の若者は、大卒であることへの自負があります。韓国の貧しい時代を生きた親世代が、そう仕向けたからです。特にソウル地域の大学出身者はプライドが高く『自分にはもっとふさわしい仕事があるはずだ』と仕事をえり好みする傾向があると思います」

一方で、青年労働問題に取り組む市民団体「参与連帯」代表イ・ジョウン氏は「変わる余地はある」と話す。


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「韓国の労働市場の問題の一つが、ミスマッチです。就職に時間がかかるので、食い繋ぐため望まぬ仕事や苦しいアルバイトをする。

生活のために夢を諦める人も多い。そこで政府の経済社会労働委員会で、就職活動中の学生が就業するまで1カ月50万ウォンを最大半年間支給する案が決定しました。また文政権発足後、最低賃金が30%上昇。

それにより、アルバイトだけで生計を立てるのも不可能ではなくなりました。

Uberに代表される宅配などの特殊雇用者(業務委託と同意)も活性化されていくでしょう。大企業に就職できなければ終わりといった硬直化した視点を脱し、働き方に多様性が出てくると思います」