韓国・文政権“大乱”の瀬戸際か? 法相息子の「軍内特恵疑惑」に若者は怒り爆発! ソウル市は集会禁じる行政命令
室谷克実 新・悪韓論
2020.9.17
文大統領に、秋法相のスキャンダルが直撃している(聯合=共同)文大統領に、秋法相のスキャンダルが直撃している(聯合=共同)
日本の新内閣の立ち上げは、静かに整然と進んでいる。
一国の最高指導者が突然辞任し、その後継者を選ぶ大イベントなのに、この整然とした進行は「なぜだ」と、韓国の政界人は不思議なのではあるまいか。
韓国 文在寅大統領
韓国の大統領任期は5年と決まっている。
まだ1年余の任期があるのに、韓国は今、「大乱」に陥りかねない状況にある。
「左翼の巫女(みこ)」と呼ぶべき秋美愛(チュ・ミエ)法相の息子をめぐるスキャンダルに、若い世代の怒りが爆発寸前の状態に高まっているからだ。
「左翼の巫女」は高裁の判事まで務めたのに、政敵を罵倒するためなら大嘘を平気で吐く。
「朴槿恵(パク・クネ=前大統領)は自分の美容のために1200億ウォン(約107億円)も使っている」といった荒唐無稽の大嘘で大衆をアジったのも彼女だった。
言い訳には詭弁(きべん)を弄し、論点をすり替える。相手を論理的に追い詰めるのではなく、感情的に訴えて聴衆を味方にする。
「声闘(ソントゥ)文化の国」の政治家だ。
彼女の息子は徴兵に行き、在韓米軍基地で勤務する韓国人の支援部隊(=カチューシャと呼ぶ)に配属された。
そして、休暇を取ったものの部隊復帰の期日を守らず、自宅にいた。
休暇からの復帰は1分遅れても営倉(=懲罰房)行きの軍律だ。が、彼は1日遅れても処罰されなかった。
「おかしい」と兵士の間で不満が高まり、告発状が出た。
彼が自宅にいることを電話で確認した当時の当直兵士(=すでに除隊して、現在は大学生)が検察で証言した。が検事は、その証言をもみ消して栄転した。
法相は国会で追及されると、「カチューシャには米軍の規則が適用される」と、すぐにバレる嘘を吐いて、その場を逃れた。
カチューシャは、徴兵の人気職場だ。1つには「飯の問題」らしい。
徴兵の給食費は小学生と同水準だが、カチューシャは米兵と同じ食事だ。前線勤務と比べたら「天国と地獄」だ。
が、法相の息子がカチューシャにいたのは、軍の自律的な人事ではなく、軍の上層部が法相から請託を受けたためと、当時のカチューシャ部隊長(=現在は予備役)が暴露した。
「左翼の巫女」は、「赤いタマネギ男」ことチョ国(チョ・グク)氏の後任として法相に就くや、大統領府スタッフの犯罪を捜査していた上級検事二十数人を一斉に左遷した(=韓国保守系紙は『検察大虐殺事件』と報じた)。
検察の主要ポストを、文在寅(ムン・ジェイン)与党の本拠地・全羅道(チョルラド)出身の“進歩性検事”で固め、「検察改革に向け公平な人事をした」と、しゃあしゃあと述べた。
韓国軍は、金大中(キム・デジュン)政権以来、「弱軍弱兵」化が進んでいる。
それでも、一応軍隊だから、それなりの軍律はあり、上級兵によるイジメがある。
だから、誰も兵役に就きたがらない。が、だからこそ、兵役を終えた者、現に兵役に就いている者にとっては、親のパワーにより兵営内で特恵を享受する人間は許せない存在となる。
ところが、文政権は、ここでも「左翼のお友達は守るのだ」とばかりに動いている。
「左翼の巫女」の息子の特恵疑惑への若者の怒りは激しさを増すばかりだ。
ソウル市は14日、突如として10人以上の集会を禁じる行政命令を11月11日まで延長すると発表した。名目は「新型コロナの感染防止」だが、本当はデモ対策だ。
休暇中の兵士まで加わった「反・秋美愛=反政権」デモの勃発を、大統領府は何よりも恐れている。
韓国の為政者にとっては、整然たる日本が羨(うらや)ましくて仕方がないだろう。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に『悪韓論』(新潮新書)、『反日種族の常識』(飛鳥新社)、『呆韓論』(産経新聞出版)、『韓国のデマ戦法』(同)など多数。
室谷克実 新・悪韓論
2020.9.17
文大統領に、秋法相のスキャンダルが直撃している(聯合=共同)文大統領に、秋法相のスキャンダルが直撃している(聯合=共同)
日本の新内閣の立ち上げは、静かに整然と進んでいる。
一国の最高指導者が突然辞任し、その後継者を選ぶ大イベントなのに、この整然とした進行は「なぜだ」と、韓国の政界人は不思議なのではあるまいか。
韓国 文在寅大統領
韓国の大統領任期は5年と決まっている。
まだ1年余の任期があるのに、韓国は今、「大乱」に陥りかねない状況にある。
「左翼の巫女(みこ)」と呼ぶべき秋美愛(チュ・ミエ)法相の息子をめぐるスキャンダルに、若い世代の怒りが爆発寸前の状態に高まっているからだ。
「左翼の巫女」は高裁の判事まで務めたのに、政敵を罵倒するためなら大嘘を平気で吐く。
「朴槿恵(パク・クネ=前大統領)は自分の美容のために1200億ウォン(約107億円)も使っている」といった荒唐無稽の大嘘で大衆をアジったのも彼女だった。
言い訳には詭弁(きべん)を弄し、論点をすり替える。相手を論理的に追い詰めるのではなく、感情的に訴えて聴衆を味方にする。
「声闘(ソントゥ)文化の国」の政治家だ。
彼女の息子は徴兵に行き、在韓米軍基地で勤務する韓国人の支援部隊(=カチューシャと呼ぶ)に配属された。
そして、休暇を取ったものの部隊復帰の期日を守らず、自宅にいた。
休暇からの復帰は1分遅れても営倉(=懲罰房)行きの軍律だ。が、彼は1日遅れても処罰されなかった。
「おかしい」と兵士の間で不満が高まり、告発状が出た。
彼が自宅にいることを電話で確認した当時の当直兵士(=すでに除隊して、現在は大学生)が検察で証言した。が検事は、その証言をもみ消して栄転した。
法相は国会で追及されると、「カチューシャには米軍の規則が適用される」と、すぐにバレる嘘を吐いて、その場を逃れた。
カチューシャは、徴兵の人気職場だ。1つには「飯の問題」らしい。
徴兵の給食費は小学生と同水準だが、カチューシャは米兵と同じ食事だ。前線勤務と比べたら「天国と地獄」だ。
が、法相の息子がカチューシャにいたのは、軍の自律的な人事ではなく、軍の上層部が法相から請託を受けたためと、当時のカチューシャ部隊長(=現在は予備役)が暴露した。
「左翼の巫女」は、「赤いタマネギ男」ことチョ国(チョ・グク)氏の後任として法相に就くや、大統領府スタッフの犯罪を捜査していた上級検事二十数人を一斉に左遷した(=韓国保守系紙は『検察大虐殺事件』と報じた)。
検察の主要ポストを、文在寅(ムン・ジェイン)与党の本拠地・全羅道(チョルラド)出身の“進歩性検事”で固め、「検察改革に向け公平な人事をした」と、しゃあしゃあと述べた。
韓国軍は、金大中(キム・デジュン)政権以来、「弱軍弱兵」化が進んでいる。
それでも、一応軍隊だから、それなりの軍律はあり、上級兵によるイジメがある。
だから、誰も兵役に就きたがらない。が、だからこそ、兵役を終えた者、現に兵役に就いている者にとっては、親のパワーにより兵営内で特恵を享受する人間は許せない存在となる。
ところが、文政権は、ここでも「左翼のお友達は守るのだ」とばかりに動いている。
「左翼の巫女」の息子の特恵疑惑への若者の怒りは激しさを増すばかりだ。
ソウル市は14日、突如として10人以上の集会を禁じる行政命令を11月11日まで延長すると発表した。名目は「新型コロナの感染防止」だが、本当はデモ対策だ。
休暇中の兵士まで加わった「反・秋美愛=反政権」デモの勃発を、大統領府は何よりも恐れている。
韓国の為政者にとっては、整然たる日本が羨(うらや)ましくて仕方がないだろう。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に『悪韓論』(新潮新書)、『反日種族の常識』(飛鳥新社)、『呆韓論』(産経新聞出版)、『韓国のデマ戦法』(同)など多数。