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韓国、「逡巡」10月、日本で開催される日・米・豪・印4ヶ国安保対話に欠席後に「何が起こる?」

2020-09-25 15:13:53 | 日記
勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。


韓国、「逡巡」10月、日本で開催される日・米・豪・印4ヶ国安保対話に欠席後に「何が起こる?」

2020年09月25日

韓国経済ニュース時評米国経済ニュース時評

韓国の「中国恐怖症」は、骨の髄まで染みこんでいる。

頭では、中国から離れて米韓同盟の原則に戻らなければならないと考えている。だが、現実に行動へ移すには気が重い状態で逡巡している。

『朝鮮日報』(9月25日付)は、「韓国が二の足を踏む間にポンペオ長官、来月日本でクアッド会議」と題する記事を掲載した。

米国務省のポンペオ長官が来月初めに来韓した直後に日本を訪問し、日本、オーストラリア、インドと共に「4カ国安保対話(クアッド)」の会議を開催することが24日までに分かった。

自由民主主義などを主要な価値として共有するアジアの主要国と米国との協議体「クアッド」は、この会議で中国に対抗する同盟連帯を強化し、対応戦略について協議を行うとみられる。

(1)「韓国が抜けた状態で、米国が対中戦線参加国との同盟関係を固める場面が日本で演出される形だ。外交関係者の間では「韓国が米中の間で留保的な立場にこだわる間に、主要な多国間協議体の一員から外れてしまった」

「このままでは米国の同盟国の中で仲間外れの立場に転落するのではないか」など懸念の声が出ている」

朝鮮李朝時代末期と同じパターンである。

中国の顔色を覗って右往左往しているのだ。当時の世界情勢は、米英主導であったにもかかわらず、中国とロシアの両帝国を恐れていたのだ。

時代を読めないことが、現在の南北朝鮮分断の遠因にもなった。今の韓国と全く同じ振る舞いだ。

(2)「ポンペオ長官は来月7日ごろ、1泊2日の日程で来韓するが、その際にも中国に対する圧迫メッセージを公開の席で出すと予想されている。

ポンペオ長官は韓国側のカウンターパートとなる康京和(カン・ギョンファ)外交部(省に相当)長官と会談し、ファーウェイ排除、経済繁栄ネットワーク(EPN)への参加など、反中政策への積極的な協力を求めるとみられる。

米国による対中圧力政策が引き続き強化される中、韓国にこれらへの支持と参加を求める要請が一層強まっているのだ。

ある外交筋によると、米国は「クアッド」に韓国などを含める「クアッド・プラス体制」を構想しているという。

これに先立ち中国は先月末、楊潔チ・中国共産党外交担当政治局委員を韓国に派遣し、「米国の側に立つな」とのメッセージを間接的に伝えた」

韓国は、中国の恫喝に怒ってみたものの、次の行動が取れないという気弱さを抱えている。蛇に睨まれた蛙である。

立派な米韓同盟があってももこの「ていたらく」である。刷り込み現象とは恐ろしいものである。口先だけで、行動が伴わないのであろう。


(3)「米国の圧力にもかかわらず、韓国政府は「安全保障は米国、経済は中国」という基本政策を打ち出し、あいまいな立場を取り続けている。

ある外交官幹部OBは「政府は先月の韓米日国防相会議にも納得し難い理由で参加しないなど、米日と徐々に距離を取ろうとしている」

「これに対して中国、北朝鮮、ロシアは連帯を強化している」と指摘した」

このパラグラフは極端である。

米韓同盟を結ぶ韓国が、中国、北朝鮮、ロシアと連帯を強化しようというのならば、日韓首脳会談を開こうなどと考えるはずがない。

文政権は、心が千々に乱れており、ともかく日本とは協調関係を回復させようという「外交ヘッジ(保険)」に出てきたと見るべきだろう。

冒頭に指摘したように、韓国進歩派は意思統一されていない。日本を恐れるグループが存在するのだ。

『ハンギョレ新聞』(9月25日付)は、「『アジア版NATO』と安倍前首相の大きな影」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のパク・ミンヒ論説委員である。

4カ国の安保対話を意味する「Quad(クアッド)」は、2007年に当時の安倍晋三首相の主導で始まった。

米国、日本、オーストラリア、インドが手を握り、中国に対応するための非公式安保フォーラムだ。

安倍首相は「自由と繁栄の弧」という概念を掲げ、米日印豪の4カ国が中心となって中国を包囲しようという構図を描いた。

(4)「最近この構想は、米日印豪4カ国が核となり、それ以外の国を下位パートナーとして引き入れて中国に対抗する多国間安保機構へと拡大しようという「Quadプラス」へと発展している。冷戦時代にNATO(北大西洋条約機構)がソ連に軍事的に対抗したことを連想させる「アジア版NATO」構想である。 

米国は、ここに韓国が参加すべきとの信号を送り続けている。最近、スティーブン・ビーガン米国務副長官とマーク・エスパー国防長官が相次いで、インド太平洋地域にNATOのような多国間安保機構が必要だと述べ、Quad4カ国に加え、韓国、ニュージーランド、ベトナムなどに言及している」

米日印豪4カ国の「クアッド」は、将来の「アジア版NATO」を目指している。米国はここへ、韓国、ニュージーランド、ベトナムなどが参加することが望ましいとしている。

(5)「Quadには日本のアジア戦略が込められている。日本の右翼勢力は、日米同盟を強化しつつ韓国や台湾などを下位パートナーとして引き入れ、平和憲法の修正、自衛隊の軍備強化と活動範囲の拡大などを通じて軍事力を強化しようとしている。

これには、中国を抑えて日本がアジアの主導権を握るという意図とともに、米国がアジアから撤退する時に備えなければとの不安も作用している。

安倍前首相は、南北和解を推進する韓国の朝鮮半島平和プロセスをQuad戦略の障害と考えて執拗に妨害し、退任後も「アジア版NATO」のかたちで韓国外交に大きな影を落としている」

このパラグラフは、なんとも幼稚なことを言っている。

中国の飽くなき領土拡張の暴走を食い止めるために「クアッド・プラス」が構想されている。韓国が中国を恐れるように、アジアでも、共同でこの中国を食い止めようという案である。

韓国一国による中国のご機嫌取りでは、横暴を防げないのだ。

ならば、韓国も「クアッド・プラス」に参加する方が効果的である。

「合従」(同盟)は、「連衡」(一対一の関係)よりもはるかに安全である。

だから中国は、「合従」を嫌い「連衡」へ持ち込み、相手国を飲み込む意図である。秦の始皇帝が、中国を統一したときの手段が、合従を壊して連衡へ持込み征服した。この故事を忘れるな、ということである。


首相、徴用工問題「放置いけない」 日韓首脳電話会談 韓国側に改善のきっかけ求める

2020-09-25 14:56:30 | 日記
首相、徴用工問題「放置いけない」 日韓首脳電話会談 韓国側に改善のきっかけ求める

2020.9.24 12:03政治政策


韓国の文在寅大統領との電話会談を終え記者団の質問に答える菅義偉首相(中央)=24日午前、首相官邸(春名中撮影)
 
菅義偉首相は24日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と電話会談した。

首相は文氏に対し、韓国最高裁のいわゆる徴用工判決などで日韓関係が悪化したことを踏まえ「非常に厳しい状況にある両国の関係をこのまま放置してはいけない」と強調した。

韓国国内における日本製鉄(旧新日鉄住金)の資産売却阻止を念頭に「韓国側において日韓関係を健全な関係に戻していくきっかけ」を作るよう求めた。

会談終了後、首相は官邸で記者団に「さまざまな問題に関するわが国の一貫した立場に基づき、今後とも韓国に適切な対応を強く求めていきたい」と強調。一方で「日韓両国はお互いにとって極めて重要な隣国であり、北朝鮮問題をはじめ日韓、日米韓の連携は重要だ」と語った。

両首脳は会談で、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために実施している出入国制限について、ビジネス関係の人の往来の一部緩和に向けて協議を加速することで一致。

首相は新型コロナ対策で連携強化も提案した。

首相は北朝鮮による拉致問題の解決に向けた韓国政府の協力を要請し、文氏は日本側の立場に支持を表明した。

両首脳はまた、北朝鮮に対する日韓、日米韓の連携の重要性を確認した。文氏は日中韓首脳会議の開催も呼びかけた。

会談は韓国側の申し入れを受けて開催。会談時間は約20分間だった。日韓首脳会談は昨年12月に安倍晋三前首相が文氏と行って以来で9カ月ぶり。

別記事

日韓首脳の初会談、関係悪化の影「あの人と長く話しても…」

2020.9.24 18:31政治政策
日本と韓国

韓国のムン・ジェイン大統領との電話会談を終え記者団の取材に応じる菅義偉首相=24日午前、首相官邸(春名中撮影)

菅義偉内閣発足後、初の日韓首脳による電話会談について、同席した岡田直樹官房副長官は「淡々とした雰囲気の中で行われた」と述べた。

首脳会談の雰囲気を問われれば「和気藹々とした」「打ち解けた雰囲気で…」などとアピールするのが通例であることを考えれば、岡田氏の発言は異例といえる。

背景にあるのは、安倍晋三内閣から続く日韓関係の悪化だ。

その原因となった韓国最高裁のいわゆる徴用工判決をめぐり、日本政府は昭和40年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的」な解決を確認しているため、被告となっている日本製鉄(旧新日鉄住金)の韓国国内の資産が売却されれば報復措置に出る構えだ。

政府高官は「向こう(韓国)が電話会談をやるっていうのなら応じるけど、ボールはあちらにある」と話す。

菅首相自身も官房長官時代は韓国政府に対して強い姿勢を示してきた。

今年7月に韓国国内で慰安婦像にひざまずき謝罪する安倍前首相を模した像が設置された際は「日韓関係に決定的な影響を与える」と批判した。

ただ、首相は24日の会談で、韓国について「極めて重要な隣国」と表現した。

安倍内閣では今年5月、外交青書で「重要な隣国」との表現が3年ぶりに復活したが、首相はこれに「極めて」と付け加えることで一定の配慮を見せた。

北朝鮮問題で韓国と連携する必要があるほか、首相が重視するインバウンド(訪日外国人)を今後回復させるためには日韓関係をある程度安定させなければならない。外務省幹部は「極めて重要な隣国」との表現について「首相の気持ちじゃないですかね…」と語った。

ただ、徴用工問題で日本側に譲歩の余地はない。自民党総裁選でも日韓関係の改善はほとんどテーマにならず、韓国に厳しい姿勢で臨む安倍政権の方針の維持は自民党内でもコンセンサスとなっている。

「あの人(文氏)と長くしゃべっても仕方ない」

政府高官は24日、文政権をこう突き放した。(児玉佳子、原川貴郎)


種苗法改正案の成立必要 野上農水相、中韓で36品種販売

2020-09-25 14:50:02 | 日記
種苗法改正案の成立必要 野上農水相、中韓で36品種販売

2020.9.25 13:50経済産業・ビジネス

野上浩太郎農林水産相(佐藤徳昭撮影)

野上浩太郎農林水産相は25日の記者会見で、中国と韓国の種苗関連のインターネット販売サイトに、日本で開発されたイチゴやブドウなど計36品種が掲載されていたことに関し「日本から無断で持ち出されたものなら農産物のブランド毀損と輸出の障壁となる」と懸念を示した。

国会で継続審議となっている種苗法改正案を早急に成立させる必要があると指摘した。

農水省の委託先の調査で、イチゴ「紅ほっぺ」やブドウ「シャインマスカット」などの種苗が、開発者の了解がない状態で販売されていたことが判明した。野上氏は「優良な品種の管理がこれまで緩すぎた」と強調した。

また、河野太郎行政改革担当相が全府省に要請した印鑑使用の原則廃止については「押印を求める行政手続きは、速やかに見直しを行うべく総点検を行っている」と述べた。


加速する「脱韓国」

2020-09-25 14:45:36 | 日記
加速する「脱韓国」

世界の「脱韓国」が進んでいます。

2019年に韓国から撤退した外国企業の数が前の年のおよそ3倍となる173社に上ったことが分かりました。

最も多いのは日本企業の45社です。

2019年7月の輸出管理強化をきっかけとした日本製品の不買運動が長期化する中、「韓国への投資リスクを避けたい」という企業が早々に見切りをつけた形です。

一方、欧米企業の撤退が増えている背景について地元メディアは「最低賃金の急激な引き上げなど企業に負担を強いる政策や影響力の強すぎる労働組合の存在が重荷となっている」と報じています。

外資系企業の韓国離れ加速は、韓国経済の先行きに暗い影を落としています。(ソウル支局 川崎)


文在寅、支持率下落の大ピンチ…韓国の若者が「タマネギ女騒動」に激怒するワケ

2020-09-24 17:19:23 | 日記
文在寅、支持率下落の大ピンチ…韓国の若者が「タマネギ女騒動」に激怒するワケ

9/24(木) 7:01配信



 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が伸び悩んでいる。世論調査会社であるリアルメータによれば、9月第3週(調査期間は9月14~16日)の支持率は支持が46.4%、不支持が50.3%であり、不支持が上回っている。


 8月第4週は支持が不支持を上回っていたのであるが、9月に入って明るみに出た、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の息子の兵役に関する疑惑が影響した。

 法務部長官といえば、前任のチョ・グク氏が娘の大学入試に関する疑惑で辞任に追い込まれており、文在寅大統領にとって法務部長官人事は鬼門となっているようである。ちなみに秋美愛長官は、「タマネギ女」と呼ばれている。チョ・グク氏が剥いても剥いても疑惑が出てくる「タマネギ男」と呼ばれていたのに合わせたあだ名である。

 韓国で世論の反発を買う疑惑として、兵役に関する疑惑と大学入試に関する疑惑を挙げることができる。兵役については男性であれば原則として就かなくてはならない。近年は少し短くなったものの陸軍であれば18カ月、空軍であれば21カ月の期間、兵役に就くわけであり、大学生はその間休学する。

 経済活動人口調査(青年層付加調査)によれば、4年制大学の卒業までの期間は、女性が平均で4年6カ月であるのに対し、男性は6年1カ月かかっている。この差は兵役による休学のために生じている。兵役は本人にとってもその親にとっても負担となるが、全員が対象となるという意味で平等であるため、国民に受け入れられているといえる。だからこそ、この平等が破られたときの世論の怒りは大きい。

大学入試の競争が激しすぎる
韓国・ソウル市内の学校〔PHOTO〕Gettyimages

 平等が破られたときの世論の怒りという点では大学入試も同様である。兵役と異なり大学入試は日本にもあるが、(1)日本と異なり大学入試の一発勝負で大学が決まること、(2)日本以上に学歴社会であることから、韓国の大学入試は日本よりはるかに大きな意味を持つ人生の岐路となっている。よって大学入試の平等が破られたときの世論の怒りは兵役同様にきわめて大きい。

 以下では韓国における大学入試について日本との違いを中心に解説していきたい。

 まず、日本と異なり韓国では大学入試の一発勝負で大学が決まる。韓国ではエスカレータ式で大学に入学する制度がなく、大学に入るためには大学入試に合格しなければならないのだ。一方で日本は、中学や高校、さらには小学校に入学すれば大学までの内部進学が約束されることが珍しくない。韓国にも付属校はあるが大学入試を別途受けなければならない。韓国では早期に大学への内部進学が約束されることがないので、大学入学の機会は高校卒業後(もちろん浪人は可能である)に限定されている。

 また韓国では人生において学歴が日本より重い。この要因としては、(a)韓国では若者が目指す職業の画一化が顕著であり、多数が大企業のホワイトカラーを目指していること、(b)大企業のホワイトカラーとなるために求められる学歴が年々高まっていることが挙げられる。

 これらは日本にもある程度当てはまるが、韓国は日本より状況は深刻である。韓国では大部分の若者が大企業のホワイトカラー職を望み、ある程度多様化している日本のように早く社会に出て技術を身に着けようとする若者は多くない。大学進学率(専門大学を含む)は2000年代後半には80%を超え、その後下落したが2019年でも70%を超えている。

 日本の大学進学率(短大を含む)は、2019年で58.1%であることを考えれば、韓国の大学進学率は高水準といえるが、これは大企業のホワイトカラーの職を得るためには最低限大学を卒業しなければならず、それゆえ大学進学を望む若者が多いからである。

 また、韓国では大企業の選考で日本以上に学歴(ここでは大学のランキングといった意味での学歴)が重要である。これは、韓国では学歴が個人の潜在能力を示す明確なシグナルとして機能してきたことによる。

 そして、この背景には、韓国における大学入試が、前述したように大学進学時の一発勝負であることがある。小学校や中学で大学の系列校に入学し、そのままエスカレータ式に大学まで進学する場合、幼少時代の成績によって潜在能力が評価されることになり、これが長年維持されているかあやしい。一方、韓国の場合は、大学入学時の一発勝負であるので、少なくとも高校卒業時の本人の潜在能力を測ることができるわけである。

 また、大学入試の合否が一元的な選抜により行われる傾向が強いことも、学歴が潜在能力を示すシグナルとして重宝されてきた要因のひとつである。韓国では1981年に大学別の入学試験が廃止され、国立・私立問わず、共通の試験(現在の大学就学能力試験)による選抜に一本化された。

 最近は大学が多様な手段で合否を判定できるようになり、絶対的であった大学就学能力試験の地位も低下したが、依然として合否に重要や役割を持つ点には変わりがない。すべての大学の合否が全国一律の試験で決まる制度は大学の序列化を進めた。

 これは同じ試験で入学に必要な点数がわかることで、大学間の客観的な比較が容易となった結果である。一律の試験で序列化された大学は、企業にとって個人の潜在能力を把握する基準として重宝されてきた。誤解がないように一言加えるならば、潜在能力は多面的な側面を有しており、筆記試験で潜在能力を把握することができるわけではない。しかし企業にとっては限られた時間で採用を行うためには、ある程度客観的な基準で選ばなくてはならず、学歴はその基準として使われているわけである。

若者の怒りが爆発
 また近年は、大卒者が増えている反面、大企業ホワイトカラーの求人は減少しており、大企業ホワイトカラーになることが難しくなっており、学生は大学入学後も、成績、留学、インターンといったスペック向上に血眼になっている。

 いずれにせよ、若者の多数が大企業のホワイトカラーを目指しているなか、大企業のホワイトカラーとなるために求められる学歴が年々高まっている現状では大学入試は過熱していく一方である。大学入試の機会は若者に平等に与えられている。だからこそ、そのタテマエを裏切って大学入試に関する疑惑が発覚した場合、平等な機会を信じて真面目に勉強した若者の怒りが爆発する。

 日本には兵役がなく、兵役に関する疑惑が問題になることはない。また大学入試に関する疑惑で政治家が失脚したという話も近年は聞かない。韓国では兵役と大学入試は人生の岐路といってよいほど重要であるが、兵役は平等に負担され、大学入学の機会も平等であると信じられている。

 よって、この平等が破られた時、日本では想像できないような世間の怒りを買うこととなる。これらに対する疑惑が明るみに出れば間違いなく政治生命が絶たれる。それでも兵役と大学入試の不正が後を絶たないのは、これらが韓国人の人生にとって大きな重荷になっており、親としてはできることなら子供が重荷を背負わずにすめばと思ってのことなのであろう。不正の誘惑に打ち勝つことは容易ではなさそうである。

高安 雄一(大東文化大学教授)