菜の花を見に渥美半島に行った日、太平洋岸を半島先っぽの伊良湖まで行き、三河湾沿いを戻ってくることになりました。
菜の花畑から、ちょっと先に進むと、国道沿いに駐車場があって、車が何台か止まっていました。その駐車場から人が道を渡って、海の方に下りていました。後をついていくと、
ヤシの木の下に椰子の実の歌碑がありました。
読むと、島崎藤村の「椰子の実」でした。柳田國男から、伊良湖にヤシの実が流れ着いたと聞いた藤村が書いたという、あの詩です。
歌碑の向かいを見ると、太平洋を背にした椰子の実の記念碑がありました。こっちには、音符と歌詞が刻まれていました。
♬ なもしらぬ とおきしまより ながれよる やしのみひとつ
ふるさとのきしを はれて なれはそも なみにいくつき…
他に人がいましたが、つい、小声で歌ってしまいました。
歌碑があったところから、少し下りると岩場がありました。
そこから、西の方角を見ると、
向かいに薄っすらと見えるのは、三重県の鳥羽・志摩です。伊良湖から、フェリーが出ています。
南を見ると、岩の向こうに太平洋です。
東を見ると、遠くまで砂浜が伸びていました。NHKの朝ドラ『エール』のオープニングの場面の撮影が行われたのは、このずっと先です。
その砂浜で、ヤシの実ではなく、きれいな花を見つけました。
「冬に咲いている、何だろう?」