曲がり角の向こうに・・・

毎日の暮らしの中でフと心に留まった人やもの、そして風景を描きとめています。 

光が・・・

2020-01-30 | 絵  ⑤絵手紙

そろそろ1月も終わりとなってきました。 モロッコスケッチを掲載しながら次なる日本画の準備を・・・と下絵作りに向かっていました。 それが・・・決めてあるモチーフを基に大下図を描く段階で、えらい難航しています。 モロッコスケッチを振り返りながら、描く気だけは戻っているのに・・・   で、今日は本に続き、またもや気分転換・・・ 絵手紙です。

光が友だち・・・手間なしの花ばかり育てていますが、中でもキリンは手間いらずという点では優等生。 光と温度がありさえすれば、姿かたちおかまいなく、ぐんぐん伸びて、手に負えなくなります。 花は可愛いのです!! 昨年の秋口には思い切って小さな枝先を残して処分してしまいました~~ そして、小さな枝先は、ハイビスカスの鉢の隅にチョンと埋めておきました。 それが、もう15㎝位に伸びて、なんと立派に花を咲かせています!! その生命力に脱帽するしかありません。 いづれもう少し暖かくなったら、間借りしているハイビスカスの鉢から植え替えて、独立させてやるつもりですが、夏にはまたグングンのびてしまうことでしょう

 

 

家主のハイビスカスも昼間は出窓でたっぷりの日差しを浴び、夜は室内に入れておくと、これまた冬でも蕾を付けて花を咲かせてくれます。 さすが冬場は花も小ぶりですが、立派に元気を届けてくれる、頼もしい花です。

 

さて、いい加減ネジを巻いて(一応やる気はある・・・?)、大下図が上手くいくよう頑張ります・・・

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気になる・・・本「触れもせで」

2020-01-28 | あれこれ

昨年の秋も深まった頃、NHKBSの「プレミアムカフェ」で放映されていた「没後20年 向田邦子が秘めたもの」(初回2001年)の番組を、見るとはなしに見ていました。 向田邦子が飛行機事故で1981年に亡くなった後、遺族によって発見された、ある男性宛の数通の手紙と、その男性が記した日記から、向田邦子の恋と葛藤の日々が明かされ、その手紙と家族などの証言をもとに制作された3部構成ドキュメントの番組でした。

脚本家として、小説家、エッセイストとして広く知られた人とはいえ、何故か向田邦子という人は私にとって遠い存在でした~~ 彼女の切なく苦しい恋・・・お相手は妻子ある報道カメラマンの男性・・・しかも、病をもっている・・・ 彼女にとって「空白の1年」と言われている悲しみに満ちた時を資料に基づいてドキュメンタリー番組化したものでしたが、今一つピンとこないナ~~というのが正直な感想でした。

ところがその後、「向田邦子との交流の本」についての紹介をどこかの番組でチラッと見て、アレ・レ?? 秘めたる恋のお相手が本を書かれたのかしらん??と気になり、いつもの図書館に出掛けたのです。 作者も分からず、ただ「向田邦子が親しくしていた男性が彼女との交流について書いてある本があるらしいんですけど・・・調べて頂けます??」と。 無理かな~~無理だよね・・・ ところが・・・さすが・・・プロ!! 見つけてくれました~~

久世光彦著 「触れもせで」向田邦子との20年・・・素敵な本でした~~ 久世光彦さんは秘めたる恋のお相手ではなく、演出家として脚本家の向田邦子さんと組んで、数々のヒット作(父の詫び状、7人の孫、阿修羅のごとく等々)を世に送りだした相棒だったのです。 久世さんは向田さんの死後10年経ってこの本を世に出したのでしたが、まるで亡き恋人に捧げた恋文を読んでいるような、素敵な文章でした~~ 昨年の暮れに借りたのに、借り続けて、未だに返せずにいます・・・ もう買うしかないですね。

向田さんを、遅刻常習犯だと腹を立て、嘘つきだと怒り、悪筆で読めない字を書くと迷惑顔をし・・・それでも、それらのすべてを受容し、愛しいと思っている様子が読み取れます。

遅刻常習犯についての記述を少し、ご紹介します・・・

「彼女が死んだあと、誰かが書いた追悼文を読んでいたら、約束の時間に一度も遅れたことがない礼儀正しい人だったというのがあって驚いたことがあるが、それはとんでもない話で、あんなに約束の時間にいい加減な人も珍しかった。 でも、もしかしたらそれは私に対してだけで、他の人には律儀だったのかもしれない。そう思うと、あの人がいなくなって十年も経った今になって急に腹が立ってくる。 私はいつもあの人を待っていた。 もう約束の時間を30分も過ぎている。 いつも遅刻の言い訳は決まっていた出がけに電話があって、というのか、猫が逃げてしまって、というのか、他にもう少し知恵がないのかと思うくらいこの二つの言い訳で一生を賄った人だった。・・・・略・・・・

私はあからさまに嫌な顔をしてみせたつもりだったが、彼女はしらばっくれてにこにこ笑っていた。 (略) 向田さんはほんの2,3分遅れたような顔で私の前に格好よく足を組んで座る。 取り立てて長い足とは言えなかったが、足の組み方の上手な人だった。 そして、その日も素足だった。 (略)・・・手に持った裸の財布と、キーホルダーもつけないやはり裸のドアの鍵を、何気なくテーブルの上に投げ出し、格好よく足を組んでみせるだけで、相手に30分も待たせたことを忘れさせてしまう、そんな狡くて可愛い人を私は彼女以外に知らない。 向田さんは、人生のすべてにおいて、あの雨の日の〈素足〉のような人だった。・・・」

どうですか、実に細やかで温かく愛に溢れた表現ではないでしょうか・・・ 全編こんな調子で彼女のあっけらかんとしたチャッカリ屋の側面などを、日常の些細な仕草や言葉を拾い上げながら、生き生きと描いてくれています・・・ 底に哀しさを漂わせながら・・・

タイトルの「触れもせで」についてはこんな記述があります。

「くどいようだが考えてみて欲しい。冗談めかして女の人の手を握ったとか、チョッと品の悪いからかい方をしたら女の子から肩のあたりをぶたれたとか、任意の人について思い出してみれば、誰だって必ずそんなことがある。それがこんなに長い間親しくしていていくら考えても向田さんについてはそういう記憶がないのである 毎晩のように仕事だか遊びだかわからない、いい加減な話を二人でしていたし、今だから言うけど、単身向田さんのアパートに泊まってしまったことだって何度もある。・・・(略)・・・何も私は、邪気のない友情をひけらかしているわけではない。ただ、不思議だと思うのである。 …(略) あの人が生きているときは、そんなこと意識したこともなかったのに、いなくなって十年経ったら、おかしなもので急に気になって仕方がない。いま、向田さんの何が懐かしいと言って、そのことがいちばん懐かしい。」と。

何年か前に、ソウルメイトという言葉が流行ったことがありました。 この本を読んで、この二人は確かな絆で結ばれたソウルメイトなのだ、と思えてきました。 久世さんは向田さんが亡くなって25年経った2006年に70歳で亡くなりました。 今頃はまた、仕事だか遊びだか分からない話をしながら二人で楽しく過ごしているのでしょうか・・・

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長々とお付き合いいただいて、有難うございました。 今日、図書館に行って本を返却してきます。 そして、向田さんの本を1冊借りてこようと思います。 久しぶりに心に響いた本でした・・・

 

 

 

 

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ラスト!モロッコ・マラケシュスケッチ➅ アブデルさん

2020-01-26 | 絵  ②スケッチ

紹介が最後になりましたが、マラケシュスケッチのスタートは、このモロッコ皿屋さんのアブデルさんからでした~~ マラケシュの街で最初に話したモロッコ人で、モロッコ皿やタジン鍋をはじめ店先に並んでいるお土産の品々について、根気よく説明してくれました。 旅の初めに、彼を通してモロッコ人に対する親しみを感じとることができたことは本当にラッキーだったと思います。

図々しくも、スケッチさせてほしいというリクエストにも大らかに応じてくれ、気さくに店先に立ちモデルになってくれたのには心から感謝しています(実はもっとイケメンです・・・💦) 

大ぶりでカラフルなモロッコ皿は1枚1枚が大胆な図柄と色合いで魅力たっぷり、個性的でした。 買って帰りたい、と思えるお皿も何枚かありましたが、割れやすい陶器ということで諦めたのでした。 ところが、札幌から参加した仲間の一人はどうしてもタジン鍋が欲しい、と割れてしまうのを覚悟で買い、後で永沢先生のご自宅で開催された、最終講評会の時に聞いたら、無傷で届いたとのこと。 あ~~思い切って買っておけばよかった・・・と悔やんでも、それはそれ、後の祭りというもの・・・

気を惹かれるお店や大道芸のショー満載の魅力溢れるマラケシュの街でのスケッチは、いつもスケッチしたい(しなければ?)気持ちとアレコレ見て回りたい気持ちとの間で心が揺れ動き、スリルに満ちた忘れられないスケッチ旅となりました。

これ迄何回かにわたり、拙い旅スケッチにお付き合い頂いて本当に有難うございました~~ 

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10年前のモロッコスケッチ旅をUPしていきながら、あの頃の楽しんでスケッチしていた喜びと熱い思いを追体験することになり、あらためてめげずに描いていこうと言う気になっています~~ 自分でも思いがけないプレゼントを頂いた気分です。

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モロッコ・マラケシュスケッチ➄ お土産屋さん

2020-01-24 | 絵  ②スケッチ

スーク(市場)にあるお土産屋さんは、銀製品や布、革製品、絨毯、小物などの専門店が並んでいるのですが、スークに行く前の通りに面したお店では、お土産全般を扱っているお店が道路にはみ出して商品を並べて観光客を誘っています。 カラフルな洋服や小物、アクセサリー、タジン鍋に、モロッコ皿などなど・・・見るだけで楽しくウキウキしてきます。 自由にあれこれ手に取って(買う気もないのに・・)品定めしているうちに、なんだか財布の紐が緩んできて・・・というのがいつものパターンです。 お買い物に男性は足手まとい。 未だか、早く決めろ、そんなもの買っても使うのか、・・・などなど落着かないことこの上ありません。 その点スケッチ旅は思う存分時間を掛けて(本当はスケッチしなければならないので買い物どころではないのですが)見て回れます。

そんな、楽しい時間を過ごしたお店の前でのスケッチです。 これでもか、これでもか、と言うくらいコマゴマ描いてしまって(そういう癖があります)絵としてみたら、何じゃこれもんの一枚ですが、本人は描いている間、すこぶる御機嫌でした~~

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モロッコ・マラケシュスケッチ➃マラケシュピンクの街

2020-01-22 | 絵  ②スケッチ

マラケシュの街は、青空に映えるマラケシュピンクの建物が多く、どこか優しい雰囲気を漂わせていました。 濃い目のサーモンピンク、薄いピンクがかったオレンジ色から赤味の強いピンク、肌色に近いピンクなどなど、近郊の山から切り出した土の色がバリエーション豊かなピンク色をしていたために、微妙な色合いのピンクが建築に使われるようになったそうです。

アルマンスールモスクへ通じる道に掛かる門と、その先の商店街、そしてモスクもみんなマラケシュピンクでした。 いかにもマラケシュらしいな・・・と1枚描いてみましたが、手抜き感ありありですね・・・


以下は、マラケシュピンクの建物と街中で目に付いたマラケシュピンクの外壁(その前に無造作に置かれたベンチが素敵!)と、舗道や門扉(どちらも装飾デザインがオシャレ)などです。

     

      

 

 

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