駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

改めて「SATORI」を聴く

2023年10月17日 | オールドミュージック

10月17日(火) 本日のJOG&Walking=休む
オレの好きな昭和の日本ロックシリーズ。今回は「Flower Travelin’ Band( フラワー・トラベリン・バンド)」の『SATORI』(1971年)であります。
日本語で言うところの”悟り”というネーミングはとても奥深い印象があるし、海外向けに”SATORI”という表記の見た目も洒落ています。このアルバムはアメリカとカナダで発表されて話題になったという。
収録曲名は、以下のようになんじゃこれって感じですが、曲の内容は全然違っていて秀逸曲ぞろいです。
1 SATORI Part1
2 SATORI Part2
3 SATORI Part3
4 SATORI Part4
5 SATORI Part5
6 MAP
特に「SATORI Part2」は、カナダでシングルがヒットして、チャートインしたという。
もう、この曲を聴くと想い出は一気に高校生に戻ってしまうんです。あれは、高校1年の時の文化祭の日、校舎の中庭で先輩(デザイン科の3年生だったと思う)のバンドが、トリオでめっちゃイカした曲を演奏していて、これが「SATORI Part2」だった。先輩たちは白シャツに黒ズボンの制服姿で演奏していたけど、汗を流し長髪を振り乱してすごくロックしていてかっちょよかった。
ドラム好きだけどまだバンドをやっていないオレは、とにかくドラムにくぎ付けになった。そのドラムは、確かタム類を全部シングルヘッドにして、スティックをマレットに持ち替えて「SATORI Part2」を演奏していた。その時、オレは絶対にこの中庭で演奏したいと胸の内に誓った。それからオレは通販でパールのバレンシアという一番安いセット(5万5千円)を月賦で買った。ラワン材のベニヤで作ったようなチープなつくりでシンバルなどは一度叩いたら歪んで使い物にならなくなるようなやつだが、物がない時代だから高かったんだ。それでもオレは毎日家でドラムを叩いて隣近所に迷惑をかけ続けて、3年生の文化祭には同級生とバンドを組んで憧れの校舎中庭で演奏した。

さて、このフラワー・トラベリン・バンドは、内田裕也さんがプロディースして、ジョー山中(ボーカル)、石間秀樹(ギター)、上月ジュン(現小林ジュン、ベース)、和田ジョージ(ドラムス)の4人編成で、1970年デビューしてアルバム『Anywhere』を発表した。71年にはこのアルバム『SATORI』で、英語の歌詞で歌い、メロディーには和旋律を使うという手法が海外で評判となったが、1973年2月、アルバム『Make Up』を発表後、解散してしまう。
その後、ジョー山中さんは知名度が上がり、映画「人間の証明」(1977年)に出演し、テーマ曲も歌ってヒットしたことは皆さんご存じ。
フラワー・トラベリン・バンド解散後、2007年に再結成して活動を再開する。翌年にはアルバム『We are here』を発表して、ライブ活動も精力的にこなすが、2011年ジョーさんはガンにより亡くなる。

オレが高校生の時に先輩の演奏に興奮し、海外でヒットした「SATORI Part2」はこちら。YouTubeでお聴きください。

石間さんの特殊なスライドギター的な奏法と、和田さんの和太鼓的なドラミング、そこにジョーさんのハイトーンボイスが国籍を超えて独特の世界を作っている。まさに世界的な楽曲だと思う。

2007年に再結成された野外ライブ映像もYouTubeに上がっていました。見つけて思わず感動しました。

ちなみにミニ情報。去年までオレも参加してライブ活動をしていたベンチャーズバンド「491(フォーナインエース)」のバンド名は、バンマスの山本さんが、かつてグループサウンドとして活躍した元4.9.1(フォー・ナイン・エース)がブームが去って解散した後、先方のバンマスへ「バンド名を下さい」と直談判して承諾してもらったものだそうです。そして、その元4.9.1のボーカルが「城アキラ」で、のちのジョー山中さんだったというわけです。

コメント
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