「カーボンニュートラルCN・TCFDとトランジション・ファイナンス」シリーズ⑧
7月に開催した環境経営士対象フォローアップセミナーのテーマは「カーボンニュートラル
CNに向けた日本の政策」副題として2050CN実現に向けた金融施策-TCFD-トランジション・
ファイナンスでした。講師は国の政策立案者の講演からです。
環境経営士Ⓡのホームページは「環境経営士」で検索をお願いします。
又はhttps://www.compact-eco.com/ で検索をお願いします。
第2章 炭素中立型社会に向けた経済・社会、産業構造変革
脱炭素の実現と同時に、日本経済の成長・発展を実現していく必要。現在のエネルギー
需給構造を転換することに加え、産業構造も大幅に転換していくことが重要
- 脱炭素の実現
マクロ的なGHG削減目標の達成
例. 2030年の削減目安 産業部門 38%削減 業務部門 51%削減
- 経済の成長発展
成長と分配の好循環について、分配の原資を稼ぎ出す「成長」と次の成長につながる「分配」を
同時に進めることが、新しい資本主義を実現するためのカギ。
-新しい資本主義実現会議より
第1節 エネルギーを起点とした産業のGX
⚫2050年カーボンニュートラルに向けては、国内外のビジネス環境(国内のインフラ制約、設備投資、
国内外の規制等)、国内外各産業の市場規模を踏まえて、脱炭素手段の需給バランスや競争関係・
補完関係の変化を見極めることが重要
⚫ クリーンエネルギー分野における国際的な大競争を勝ち抜けるよう、水素・アンモニアなどの成長が
期待される分野において、投資の予見可能性を確保し、大規模な投資を引き出す
水素・アンモニア
- 早急なサプライチェーン構築、導入拡大、商用化に向け、既存燃料との製造・輸送・貯蔵に要する コスト差を踏まえた支援措置と貯蔵用タンク・パイプライン等の共有インフラ整備を合わせて進める ための詳細検討を行う
- 水素・アンモニアの新合成技術や、水素の発電分野における実証、運輸部門におけるインフラ整備、 アンモニア高混焼・専焼バーナー等の技術開発・実証等を進める
洋上風力
- 洋上風力産業ビジョンの策定による投資の呼び込みや、プロジェクトの案件形成を加速化により、 国内需要を創出・育成する
- アジア市場を中心とした海外市場を獲得するため、国際連携や国際標準化を推進
蓄電池
- 液系LiB電池の生産能力を強化し、2030年に我が国企業全体でグローバル市場において600GWhの 製造能力確保することを目標に、海外市場でのプレゼンスを再度拡大。2030年頃までに、全固体電池を 本格実用化し、我が国が技術リーダーの地位を維持・確保
- 国内市場では、2030年までに、蓄電池・材料の国内製造基盤150GWhの確立を目標に、蓄電池の 製造能力拡大や、定置用蓄電システムの普及に向けた基盤整備を進める
原子力
- 供給途絶の危機にある技術・サービスの継承やデジタル技術の活用等によるサプライチェーン・技術・ 人材維持の取組を支援
- 高温ガス炉や高速炉等の革新炉の世界標準の獲得、国際プロジェクトにサプライヤが効果的に参入できる ような戦略的チーム編成、海外規格の認証取得や海外勢との案件マッチングを通じたサプライヤのビジネス 機会創出を支援
カーボンリサイクル
- 天然ガス火力や工場等の低濃度(10%以下)のCO2分離回収技術の早期確立に向け、低エネルギーでの 分離回収を可能とする革新的な素材開発やシステム技術等の実証を推進
- CO2を用いたコンクリート製造や、セメント製造プロセスの脱炭素化について、技術開発によるコスト 低減、ライセンス事業を通じた国内外への販路拡大、国内・国際標準化やガイドラインを通じた付加価値の 明確化等に取り組む
- SAF(持続可能な航空燃料)、合成メタン、合成燃料、グリーンLPGの普及拡大に向け、製造技術の開発、 サプライチェーンの構築、必要な環境整備を進める
- カーボンリサイクルプラスチックの普及拡大のための資源循環を確立するための社会基盤を構築。
- バイオものづくりでは、バリューチェーンの段階それぞれのプラットフォーム技術を確保したプレーヤーを 育成し、付加価値の源泉を握る
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