その病院にこどもがいたのは三カ月くらい、やっぱり暑い暑い夏だった。
通常は何週間も待って入院するんだろうから、初診の当日に入院するなんてことはあまりないんだろう。どうなるかもわからず点滴するこどもの側で何時間も待つ間、ひとりの看護師が私の背中にそっと手を置いていた。
初めは気がつかなかった、それどころじゃなくて。気がついてからは、その手を意識せずにいられなかった。
そうか、私は気遣われているのか。
そうか、それだけ状況は困難なのか。
結局入院させてもらえたので、熱風が吹き百日紅の花が咲いて散る夏、毎日そこに通った。
私のこどもは生きて病院を出ることができた。
病棟にいたこども全員がそうであったかわからない。
あの時背中に置かれた手を思い出す。
普段は気がつかないけれど、私たちはたしかに繋がり支えられながら生きている、ということを。
頭を垂れ祈るような気持ちで。
通常は何週間も待って入院するんだろうから、初診の当日に入院するなんてことはあまりないんだろう。どうなるかもわからず点滴するこどもの側で何時間も待つ間、ひとりの看護師が私の背中にそっと手を置いていた。
初めは気がつかなかった、それどころじゃなくて。気がついてからは、その手を意識せずにいられなかった。
そうか、私は気遣われているのか。
そうか、それだけ状況は困難なのか。
結局入院させてもらえたので、熱風が吹き百日紅の花が咲いて散る夏、毎日そこに通った。
私のこどもは生きて病院を出ることができた。
病棟にいたこども全員がそうであったかわからない。
あの時背中に置かれた手を思い出す。
普段は気がつかないけれど、私たちはたしかに繋がり支えられながら生きている、ということを。
頭を垂れ祈るような気持ちで。
