小川沿いの狭い道を歩いていたら車が来たので、近くにいた老女と小さな橋に身を寄せた。
今日は思ったよりお天気がよくてと話しかけられたので、ほんとうにあたたかいですねと返しながら車の動きを目で追っていた。
ごめんなさい、しゃべりかけちゃってと謝って、彼女はまた続ける。狭い道なのに幼稚園のお迎えかしら。
頭を下げる人と、下げない人と、ね、と言うので私は驚いて彼女を見た。
狭い道を運転していて人に避けてもらったら私は会釈するけど、人にそれを期待はしないから。
車で公道を走るのに頭を下げるべきという(おそらく世界的にはかなり珍しい)解釈は私には新鮮だったけれど、考えてみればそういう人もいるだろう。
私もするんだから人もするべき、と。
会釈だけではなく、他の多くのことも。
その時に気がついた。
すぐ隣にいてもこの人と私は全然違う世界に生きている。
彼女の目でのぞいた世界は私には身が縮まるような狭苦しさだった。
人は思いたいように思い、生きたいように生きる自由があり、その人の思う通りの世界に生きている、けれど。
知らないことやコントロールできないこと
こうあるべきと言い渡せないこと
そういうものを多く含んだ世界を、私は、生きたい。
広い、未知な空間とともに。

今日は思ったよりお天気がよくてと話しかけられたので、ほんとうにあたたかいですねと返しながら車の動きを目で追っていた。
ごめんなさい、しゃべりかけちゃってと謝って、彼女はまた続ける。狭い道なのに幼稚園のお迎えかしら。
頭を下げる人と、下げない人と、ね、と言うので私は驚いて彼女を見た。
狭い道を運転していて人に避けてもらったら私は会釈するけど、人にそれを期待はしないから。
車で公道を走るのに頭を下げるべきという(おそらく世界的にはかなり珍しい)解釈は私には新鮮だったけれど、考えてみればそういう人もいるだろう。
私もするんだから人もするべき、と。
会釈だけではなく、他の多くのことも。
その時に気がついた。
すぐ隣にいてもこの人と私は全然違う世界に生きている。
彼女の目でのぞいた世界は私には身が縮まるような狭苦しさだった。
人は思いたいように思い、生きたいように生きる自由があり、その人の思う通りの世界に生きている、けれど。
知らないことやコントロールできないこと
こうあるべきと言い渡せないこと
そういうものを多く含んだ世界を、私は、生きたい。
広い、未知な空間とともに。
