日々乃家日誌 まにまに・てい子の日々の発見

母まにまにが娘てい子と始めた、日々の発見を綴るブログです。

めしがまずいから

2019年03月25日 | 日記
さめざめと涙を流しながら(うそ)肩を落として、本当に辛そうにその人は言った。

「つらいんだよ。めしが、まずいんだ。」

ずいぶん長いことつきあっているけど、私の伴侶はいつも変わらず新鮮な驚きを感じさせてくれる。

「そうなんだ、それはとてもつらいね。」

自分で作っても、買ってきても、食べに行っても構わないのに、家族の(自分にとって)まずい料理を食べ続けるなんて。

一応言っておくと私は特に料理が下手なわけではない。彼がとても要求レベルの高い舌と、食べたい時に食べたいものしか食べたくない脳の持ち主なのだ。あと濃い味が好き。

彼の料理に関する知識と腕はプロ並みだけど、日常生活の一部として家族の食事を用意するということは別のこと(そんなめんどくさいことはできない)。

彼の料理に関する数々のエピソードは女性に受けないことがない。
ある時彼はひき肉で出汁をとった。
また別の時、5時間かけて作ったカレーを最後の最後に辛くして、辛いのが食べられない子どもにはボンカレーを出した。
またある時に解凍してしまった白身魚の料理をお願いしたらとても美味しいお料理を作ってくれたけれど、解凍済みの魚はそのまま冷蔵庫にあった。白身魚は買ってきたから。(絶句する女友達たち)
また例えば二人がそれぞれ作った料理を食卓に並べたとして、何の悪気もなく自分の料理にしか手をつけないということもあった。

一歩ずつの長い理解のプロセスの中で、私は無駄に感情を揺らすことをやめた。

生活をすることは「こうあるべき」の押しつけ合いではない。

誰でも人は暮らしたいように暮らす自由があっていい、と私は思う。

夫婦でも親子でも何故だか縁が結びつけた人と共に生きることは、本当にきりなく学び続けること、汲めども尽きぬ修行の泉だ。

人と生きることは簡単ではないけれど、どうせならできるだけ楽しく学んでいきたい。

どう生きるかどう暮らすかは私の選択、私の自由だから。












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