全く油断していた
なんの防御もしていなかった
コノホウガオマエニイイカラと
骨をポキンと折られた
私は笑ってた
大したことないと思ってた
その脳裏で
そんなことを言われた自分を恥じていた
されたことを、加害した側を
「正当化」しようとする心の働きも見えた
一人になってから泣いた
人といる時に時折ぼんやりした
忘れてないのに思い出せなかった
全体の整合性がうまくつかめなかった
統合できないので
断片を別立てで生きた
だから笑ってもいた
聞いてくれる人がいて初めて
ばらばらが少しまとまり
プロセスが進むようだった
駅のガラスに映る影を見て
自分が汚されたようで
これから帰る家族に申し訳なく感じた
死ねばいいのにと頭の中に響いた
いっそ刺せばいいのに、私を
いや
下腹ななめに15センチ
ざっくり深い傷
もうナイフは刺さっていた
それと、毒も