柚月 裕子 著
天童市で将棋のタイトル戦竜昇戦が始まり、前人未到の7冠をかけ、若き天才棋士壬生芳樹とタイトル初挑戦、奨励会を経ず実業界から特例でプロへ、東大卒エリート棋士上条桂介の第7局が開催されていた。
その頃「天木山 山中男性死体遺棄事件」発生。遺体と共に将棋の駒も埋められていた。
石破とプロ棋士を目指していた佐野二人の刑事が天童市へ向かう。
上巻では、埋められていた初代菊水月作の駒の持ち主を探す章と、上条桂介の幼少時代を交互に。
胸が締め付けられる思いで読みました。
下巻は、上条桂介が東大に入り東京に移り住み、元アマ名人の東名重慶と出会い再び将棋の世界へ。
将棋の事は殆ど分かりません。
何故、向日葵がタイトルにあるのか不思議でしたが、ゴッホの向日葵が亡き母の姿にそっくりだと。
ゴッホの絵について出てきたのは、私が読んだ中で2回目。宮本輝の本で「星月夜」そして今回「向日葵」。
めまいの事を調べていて、ゴッホはメニエールで病んでいて耳を自分で削ぎ落としてしまったと知りました。
ゴッホ描くの向日葵は仄暗く、絵の陰影を濃くしたひどく寂しげな感じ、それが母に似ている。その向日葵が後半は頭痛と共に盤上に現れる。
上条桂介の生い立ちは思いもよらず、そして死体遺棄の犯人は…
ドキドキしながらの結末でした。
時を忘れて読みました。
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