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先輩の奥様です。
タイトルは、「良かった」です。
いっぱい心配したけど、助かった。
まだまだ生きるわよ。
お母さん頑張ってと息子が言う。
お母さんは、いっぱい頑張ったよ。と私。
かみさんは、あっけなく亡くなった。
医者の診たては、あと2週間。正確そのものだった。
今日のタイトルは、「頑張って」です。
少し二日酔いです。できれば書かない方がよい。
少年野球の話。
コーチやサポートする父兄たちは、すべて経験者ばかりでした。
プレーするのは、小学生高学年の子たちです。
コーチの口から出るのは、ダメ出しばかりでした。
普段はとても優しい男です。
打たれてばかりのピッチャーで副キャプテンの男の子は、歯をくいしばって投げ続けました。
「頑張って」と両親は祈るものの言葉にはできない。コーチに預けた試合だからです。
「頑張って」という言葉は、時に残酷です。
技量が伴わない子にかける言葉ではないのです。
楽しんでとはとても言えない空気があります。
同じチームスポーツでも、野球はストイックで、サッカーはおおらかです。
素晴らしい野球選手でも3割しか打てないと言うのに、ストイックです。
1対1の対戦式だからでしょうか。
「頑張って」は哀しい言葉です。
こんなに一生懸命やっているのに、さらに頑張れというのか。
一生懸命の先にきっと良いことがある。と信じているからかけるのです。
でも、もうやめてと心が叫んでいます。
伸びきったゴムは、もう元の長さに戻ることはできない。
凍傷で足の指も手の指も感覚がなく、意識も遠のいていく。
愛しい人が目の前に現れたような気がして、見つめている。
涙も出ない真剣な眼で応援してくれる。
「頑張って」と押してくれる。
こんなところで終われないと、少しでも安全な場所に、にじるように移動する。
嵐が過ぎ、雪洞から這い出る。青空はどこまでも温かい。助かった。
「頑張って」に代わる言葉を思いつかない。
切なる願いの言葉です。
自分が当事者でないだけに、かけるしか術を知らない。
本当は、「楽しんで」と言いたい。
昨日の女子卓球のシングル決勝戦をテレビ観戦した。
伊藤美誠は、絶体絶命のピンチであった。
彼女は、口角をあげて楽しんでいるように見えた。
やるじゃないと言ってるような、そして負けないわと鼓舞していた。
その顔は美しかった。
頑張って すすきが風に 微笑んだ
2020年1月20日