今年の桜の開花は例年より5日早く昨年より1日早いと聞く。そういえば温かくなったり寒くなったりで急に咲いたかと思うと連日の雨と風ですぐに散ってしまって、ゆっくりお花見を楽しむ機会を得ずだった。伊勢本街道の歩きで御杖村(みつえむら)を通った時から「三多気(みたけ)の桜」を見たいと思っていたのだが、今日奈良新聞社のツアーに参加して三多気に行く事ができた。マイカーを手放して1ケ月、足が無くなると「桜が見頃!さぁ 行こう。」というわけにはいかないこの不自由さ。。。。。。。。
4月11日(土)
近鉄八木駅AM9時集合、総勢34名。「道の駅伊勢本街道 御杖」に着いたのは10時20分であった。そこから三多気の桜名所はすぐ近い、桜は未だ残っているかな?そんな思いでバスを降りた。
「真福院」(しんぷくいん)の参道に続く駐車場にはピンクの枝垂れ桜が今が盛りと咲いていて、とても綺麗だった。嬉しかった。
参道(1.5km)の桜並木はヤマザクラで、ソメイヨシノの様な華やかさは無かったけれど、茶畑や段々畑が広がり、一軒の茅葺きの民家(文化庁登録有形文化財)が残るひなびた山里には静かでしっくりと馴染み、風情があった。水の張った棚田に浮かぶ花びらがより一層雰囲気を添え、人々の足を止めた。
土地に高低差があるだけにこちらでは長い期間桜を楽しめるそうである。
(画像はクリックすると拡大する。)
桜は真福院(創建670年)の開祖・理源大師が植えたのが始まりと言われている。古木が多く幹は苔むし、すっかり空洞化した木もあって思わず立ち止まって耳を傾けたくなる様なそんな気持ちになった。長い歴史物語が聴けそうで・・・・・
〔そうそうこの理源大師は誰もが知る京都の醍醐寺を開き、修験道(しゅげんどう)として奈良県の大峰山や吉野山にも関わりが深いお僧であるそうな。〕
写真愛好家の人たちが三脚を立て、ファインダーを覗き込んでいられる場所が撮影ポイントらしい。私はご遠慮してもう一段上の岸から撮ることにした。
桜名所の見どころ、棚田と桜を観て納得し、真福院(標高520m)に向かって坂道を一生懸命上った。
伊勢本街道を歩いた時に説明を受けた話だがここ美杉町はかつて伊勢国司北畠氏が治めていた所で、真福院はその北畠氏代々の祈願所として由緒ある寺院だそうだ。
石の鳥居をくぐり石段を上って行くと左手に見事な大欅(けやき)、目の前石段の両側に大杉2本、右に大小様々な自然石で造られた梵字石仏や五輪塔が並んでいて「弘長供養碑」と書かれた説明札が立っていた。どれも貴重な鎌倉時代の供養碑のようである。下段右端の写真の右端の大きな碑は高さ2.21mも有るらしい。立派なもので、刻まれている描線がくっきりとしていて、ハスの花の上の〇の中に刻まれた梵字の仏様も力強い印象を受けた。説明札にある宝篋印塔(ほうきょういんとう)というのは同写真の左端で、お経の文字が刻まれているそうである。私には初めて知る名称であった。
梵字石仏は石段下にもあって全部で十三基ある。
朱の山門をくぐると綺麗なミヤマツツジが目に飛び込んできた。更に石段を上がって先ずは本堂のお参りを済ませることにした。
本堂には3体の極彩色、玉眼嵌入、寄木造りの蔵王権現像が祀られ、「三多気の蔵王堂」と呼ばれて津市の指定有形文化財だそうだ。
柱に「三重四国第七十一番」の札がかかっていた。本場お四国の八十八カ所霊場にならって、三重県にも「三重四国八十八カ所霊場」が設けられているようだが、こちらは 旧の伊勢・伊賀・志摩・紀伊(の一部)の四国から成り、「三重四国」と名付けられているとか。
境内では折しも今日と明日は「桜まつり」が行われるという。
法被姿の村の人達が沢山集まって居られ、私達もお餅つきに参加させてもらえた。杵で煉られたお餅を皆んなが“つき棒”で歌に合わせて突くのであるが、臼取りをされる方の手を突かないように調子を合わせるのに真剣だ。とても楽しかった。お手伝いのご褒美につき立てのあんこ入りお餅を頂き、なんて楽しい思い出を作ってもらった事か。
ハラハラと桜の花びらが舞う下でお花見気分を味わいながらお弁当を食べ、幸せ幸せ。それから本堂横の一角に集まり木の葉を拾い、木肌の赤いウラジロカシの説明を受けた。
葉の裏が白くて葉の周りにギザギザが有って等、色んな特徴を聞いたが、森の中で樫の木はどれかと問われてもさっぱり分からない私は、園児の気分でその場のお話を楽しんだ次第。この樫の実・どんぐりは普通によく見かける物よりずっと大きいそうだが、そういえば、過去に大きいのを見つけて何の実かと不思議に思いながら拾った時の疑問が解けたように思う。
あれぇ~ 誰ですか!ホウの葉っぱでお面を被って遊んでいる人は。(笑)彼の後ろに在る赤い木がウラジロカシの老木である。
先程の大欅についてもいろいろ説明があった。幹周り6.1m、樹高30mも有り推定樹齢は1000年だそうで、「そびえ立つ」とでも表現したい程かつて見たことのない巨木であった。例の参道を挟む2本の大杉も幹周りは4mを越え樹齢400年前後とか。それに五人の女性が手を繋いで確認している、本堂の横にも幹周りが6mを越える大杉が2本あったっけ。こちらは平清盛が成功を祈願して植えたと言われている清盛杉跡に植えられた杉だそうだ。そっと掌で触わってみると水分をたっぷり蓄えている感触が伝わった。
これら巨木に囲まれた真福寺、桜の季節でなくても何かのパワーが欲しい時に訪ねてみると元気をもらえるような気がした。
今日は桜と棚田のコラボした素晴らしい景色と、かつて見たことのない巨木と、かつて見たことのない梵字石仏に出逢えて感動の一日だった。それに“つき棒”で突くかつて見たことのないお餅つきを体験させてもらって大変楽しかった。
こうして日記を書くにあたり、ツアーで案内を受けた酒井氏からの情報でいろいろ学べたのは有難く、愛車で彼と二人で行っていたら桜を見ただけで終わっていたかもしれないなぁ~。
4月11日(土)
近鉄八木駅AM9時集合、総勢34名。「道の駅伊勢本街道 御杖」に着いたのは10時20分であった。そこから三多気の桜名所はすぐ近い、桜は未だ残っているかな?そんな思いでバスを降りた。
「真福院」(しんぷくいん)の参道に続く駐車場にはピンクの枝垂れ桜が今が盛りと咲いていて、とても綺麗だった。嬉しかった。
参道(1.5km)の桜並木はヤマザクラで、ソメイヨシノの様な華やかさは無かったけれど、茶畑や段々畑が広がり、一軒の茅葺きの民家(文化庁登録有形文化財)が残るひなびた山里には静かでしっくりと馴染み、風情があった。水の張った棚田に浮かぶ花びらがより一層雰囲気を添え、人々の足を止めた。
土地に高低差があるだけにこちらでは長い期間桜を楽しめるそうである。
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桜は真福院(創建670年)の開祖・理源大師が植えたのが始まりと言われている。古木が多く幹は苔むし、すっかり空洞化した木もあって思わず立ち止まって耳を傾けたくなる様なそんな気持ちになった。長い歴史物語が聴けそうで・・・・・
〔そうそうこの理源大師は誰もが知る京都の醍醐寺を開き、修験道(しゅげんどう)として奈良県の大峰山や吉野山にも関わりが深いお僧であるそうな。〕
写真愛好家の人たちが三脚を立て、ファインダーを覗き込んでいられる場所が撮影ポイントらしい。私はご遠慮してもう一段上の岸から撮ることにした。
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桜名所の見どころ、棚田と桜を観て納得し、真福院(標高520m)に向かって坂道を一生懸命上った。
伊勢本街道を歩いた時に説明を受けた話だがここ美杉町はかつて伊勢国司北畠氏が治めていた所で、真福院はその北畠氏代々の祈願所として由緒ある寺院だそうだ。
石の鳥居をくぐり石段を上って行くと左手に見事な大欅(けやき)、目の前石段の両側に大杉2本、右に大小様々な自然石で造られた梵字石仏や五輪塔が並んでいて「弘長供養碑」と書かれた説明札が立っていた。どれも貴重な鎌倉時代の供養碑のようである。下段右端の写真の右端の大きな碑は高さ2.21mも有るらしい。立派なもので、刻まれている描線がくっきりとしていて、ハスの花の上の〇の中に刻まれた梵字の仏様も力強い印象を受けた。説明札にある宝篋印塔(ほうきょういんとう)というのは同写真の左端で、お経の文字が刻まれているそうである。私には初めて知る名称であった。
梵字石仏は石段下にもあって全部で十三基ある。
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朱の山門をくぐると綺麗なミヤマツツジが目に飛び込んできた。更に石段を上がって先ずは本堂のお参りを済ませることにした。
本堂には3体の極彩色、玉眼嵌入、寄木造りの蔵王権現像が祀られ、「三多気の蔵王堂」と呼ばれて津市の指定有形文化財だそうだ。
柱に「三重四国第七十一番」の札がかかっていた。本場お四国の八十八カ所霊場にならって、三重県にも「三重四国八十八カ所霊場」が設けられているようだが、こちらは 旧の伊勢・伊賀・志摩・紀伊(の一部)の四国から成り、「三重四国」と名付けられているとか。
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境内では折しも今日と明日は「桜まつり」が行われるという。
法被姿の村の人達が沢山集まって居られ、私達もお餅つきに参加させてもらえた。杵で煉られたお餅を皆んなが“つき棒”で歌に合わせて突くのであるが、臼取りをされる方の手を突かないように調子を合わせるのに真剣だ。とても楽しかった。お手伝いのご褒美につき立てのあんこ入りお餅を頂き、なんて楽しい思い出を作ってもらった事か。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/79/97/3c7a778cbf7a61084d58c16e1c0d9084_s.jpg)
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ハラハラと桜の花びらが舞う下でお花見気分を味わいながらお弁当を食べ、幸せ幸せ。それから本堂横の一角に集まり木の葉を拾い、木肌の赤いウラジロカシの説明を受けた。
葉の裏が白くて葉の周りにギザギザが有って等、色んな特徴を聞いたが、森の中で樫の木はどれかと問われてもさっぱり分からない私は、園児の気分でその場のお話を楽しんだ次第。この樫の実・どんぐりは普通によく見かける物よりずっと大きいそうだが、そういえば、過去に大きいのを見つけて何の実かと不思議に思いながら拾った時の疑問が解けたように思う。
あれぇ~ 誰ですか!ホウの葉っぱでお面を被って遊んでいる人は。(笑)彼の後ろに在る赤い木がウラジロカシの老木である。
先程の大欅についてもいろいろ説明があった。幹周り6.1m、樹高30mも有り推定樹齢は1000年だそうで、「そびえ立つ」とでも表現したい程かつて見たことのない巨木であった。例の参道を挟む2本の大杉も幹周りは4mを越え樹齢400年前後とか。それに五人の女性が手を繋いで確認している、本堂の横にも幹周りが6mを越える大杉が2本あったっけ。こちらは平清盛が成功を祈願して植えたと言われている清盛杉跡に植えられた杉だそうだ。そっと掌で触わってみると水分をたっぷり蓄えている感触が伝わった。
これら巨木に囲まれた真福寺、桜の季節でなくても何かのパワーが欲しい時に訪ねてみると元気をもらえるような気がした。
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今日は桜と棚田のコラボした素晴らしい景色と、かつて見たことのない巨木と、かつて見たことのない梵字石仏に出逢えて感動の一日だった。それに“つき棒”で突くかつて見たことのないお餅つきを体験させてもらって大変楽しかった。
こうして日記を書くにあたり、ツアーで案内を受けた酒井氏からの情報でいろいろ学べたのは有難く、愛車で彼と二人で行っていたら桜を見ただけで終わっていたかもしれないなぁ~。