反射望遠鏡用の鏡面研磨2作目として20cm鏡に挑戦したのは2013年7月のことでした。
そのときの様子は、2013年7月のブログ記事【20cm鏡研磨その5】に書いているとおり、鏡面の波長誤差(注1)は1/4波長程度と満足できるものではありませんでした。
31210531
2013年7月の研磨終了直後にデジタル測定した値です。
画面右上、P-V(wave) 0.2485 と書いてあるので、鏡面の波長誤差は約1/4波長ということを示しています。
その1か月後に修正研磨を行ったときの様子は、2013年8月のブログ記事【20cm鏡の修正研磨2】に書いています。
このときは満足できる結果を得られていないと判断し、思い悩むこと10ケ月。
考えた挙句、研磨のプロで静岡県在住の夢作さんに修正研磨の助言をお願いすることにし、6月19日(木)に静岡へ向かいました。
19日は夢作さん宅に宿泊させていただき、翌20日に工場で20cm鏡を測定してもらいました。
31230070
鏡面を90度回転させて2回測定した結果とロンキーテスト(注2)をしてもらった結果、夢作さんから、「アス (非点収差) は殆どなくて、鏡面誤差は約1/7波長。中心部が過修正で最周辺部がターンアップ気味だけど、中央部は周辺部に比べ面積が少なく斜鏡でかなり隠されるので、中倍率までだと良くみえるはずですよ」 というコメントをいただきました。
鏡の中央部を掘りすぎたものの、私が思っているほど酷くはない鏡面とのことで、まずは一安心。
画面右上に P-V(wave) 0.1507 と表示があり、鏡面の波長誤差は約1/7波長なので、昨年8月に修正研磨をした効果が確認できました。
測定時に手を滑らせ鏡周を欠けさせてしまったこともあり、面トリ(注3)を多めにする (口径を少し絞る) ことで、多少精度のアップになることから、これ以上の修正研磨は見送ることにしました。
31230078
初心者に電動での面トリは難しいだろうということで、夢作さんに面トリをしてもらいました。
面トリを多目にした結果、有効径は195mmとなりました。
40年来の知人とはいえ、私のワガママを聞き入れてくれた夢作さん、本当にありがとうございました。
31230083
面トリ終了後、近くの居酒屋さんで夢作さんご夫妻と乾杯。伊豆の夜は更けていきました。
(注1) 鏡面の波長誤差
理想的な鏡面から研磨面がどの程度誤差があるのか、光の波長を単位として測定した値。一般的には1/8波長以内が合格ラインとされる。
(注2) ロンキーテスト
望遠鏡の対物レンズや反射主鏡の性質や傾向を知るための方法のひとつ。
ガラス板状の表面に極めて細密な平行線が刻まれたスクリーン 「ロンキースクリーン」 を望遠鏡の接眼部に取り付け、拡大されて見える線の様子を観察する。収差がない光学系の場合、焦点内外像で見える線は直線となる。
今回のテストに使ったロンキースクリーンは1インチ (=25.4mm) あたり200本の線が刻まれている。
私の20cm鏡は焦点内像の線が樽型、焦点外像が糸巻き型に見えたことから、全体的に過修正鏡であることが判明。
(注3) 面トリ
欠けやすい鏡の材料の角を斜めに削ることで、鏡周を欠けにくくすること。
そのときの様子は、2013年7月のブログ記事【20cm鏡研磨その5】に書いているとおり、鏡面の波長誤差(注1)は1/4波長程度と満足できるものではありませんでした。
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2013年7月の研磨終了直後にデジタル測定した値です。
画面右上、P-V(wave) 0.2485 と書いてあるので、鏡面の波長誤差は約1/4波長ということを示しています。
その1か月後に修正研磨を行ったときの様子は、2013年8月のブログ記事【20cm鏡の修正研磨2】に書いています。
このときは満足できる結果を得られていないと判断し、思い悩むこと10ケ月。
考えた挙句、研磨のプロで静岡県在住の夢作さんに修正研磨の助言をお願いすることにし、6月19日(木)に静岡へ向かいました。
19日は夢作さん宅に宿泊させていただき、翌20日に工場で20cm鏡を測定してもらいました。
31230070
鏡面を90度回転させて2回測定した結果とロンキーテスト(注2)をしてもらった結果、夢作さんから、「アス (非点収差) は殆どなくて、鏡面誤差は約1/7波長。中心部が過修正で最周辺部がターンアップ気味だけど、中央部は周辺部に比べ面積が少なく斜鏡でかなり隠されるので、中倍率までだと良くみえるはずですよ」 というコメントをいただきました。
鏡の中央部を掘りすぎたものの、私が思っているほど酷くはない鏡面とのことで、まずは一安心。
画面右上に P-V(wave) 0.1507 と表示があり、鏡面の波長誤差は約1/7波長なので、昨年8月に修正研磨をした効果が確認できました。
測定時に手を滑らせ鏡周を欠けさせてしまったこともあり、面トリ(注3)を多めにする (口径を少し絞る) ことで、多少精度のアップになることから、これ以上の修正研磨は見送ることにしました。
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初心者に電動での面トリは難しいだろうということで、夢作さんに面トリをしてもらいました。
面トリを多目にした結果、有効径は195mmとなりました。
40年来の知人とはいえ、私のワガママを聞き入れてくれた夢作さん、本当にありがとうございました。
31230083
面トリ終了後、近くの居酒屋さんで夢作さんご夫妻と乾杯。伊豆の夜は更けていきました。
(注1) 鏡面の波長誤差
理想的な鏡面から研磨面がどの程度誤差があるのか、光の波長を単位として測定した値。一般的には1/8波長以内が合格ラインとされる。
(注2) ロンキーテスト
望遠鏡の対物レンズや反射主鏡の性質や傾向を知るための方法のひとつ。
ガラス板状の表面に極めて細密な平行線が刻まれたスクリーン 「ロンキースクリーン」 を望遠鏡の接眼部に取り付け、拡大されて見える線の様子を観察する。収差がない光学系の場合、焦点内外像で見える線は直線となる。
今回のテストに使ったロンキースクリーンは1インチ (=25.4mm) あたり200本の線が刻まれている。
私の20cm鏡は焦点内像の線が樽型、焦点外像が糸巻き型に見えたことから、全体的に過修正鏡であることが判明。
(注3) 面トリ
欠けやすい鏡の材料の角を斜めに削ることで、鏡周を欠けにくくすること。