★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2022年7月にteacupからgooへ引越しました。

シャドーバンド

2012-12-17 07:00:00 | 2012豪州沖の皆既日食
 2012年11月14日の皆既日食をオーストラリア沖の船上で見た様子は、このブログに何度も書きましたが、書き忘れたシャドーバンドのことについて書きます。

 シャドーバンドとは、皆既の直前と直後に地表面に淡いさざ波のような縞模様の濃淡が流れて見える現象のことです。地面に大きな白いシーツなどを敷いたり、白っぽい大きな壁面を利用すると見やすくなります。

 今回の皆既日食には、全天撮影用と拡大撮影用のカメラを2台準備し、10倍40mm双眼鏡でも見る予定だったので、日食当日の煩雑さを避けるためと航空機の預け入れ荷物重量オーバーを防ぐためビデオ器材は持っていきませんでした。

 ところが、これまで見たことがないほど明瞭なシャドーバンドが皆既の直前に出現。ビデオで風景撮影していたら間違いなく見事なシャドーバンドが写せたと思います。

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 皆既40分前の船上の様子です。船の後方から前方を写しています。

 皆既が始まる数十秒前、木製のデッキ上を横縞の模様がユラユラと流れていくのをはっきりと目撃。思わず 「シャドーバンド、凄い! 凄い!」 と大声を出してしまいました。

 なお、皆既食の最中に曇ってしまったため、皆既終了直後のシャドーバンドは現れませんでした。

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 皆既35分前の船尾の様子です。船の中央デッキから後方を写しました。中央のマストの右下あたりが私の陣取った場所です。
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日食のピンホール

2012-12-16 07:00:00 | 2012豪州沖の皆既日食
 2012年11月14日の皆既日食をオーストラリア沖の船上で見た様子は、このブログに何度も書きましたが、書き忘れたことが二つあります。それはピンホール画像とシャドーバンドのことです。

 今回はピンホール画像のことを、次回のブログ記事にはシャドーバンドのことを書く予定です。


 それでは、ピンホール画像についてです。
 皆既日食が終わった直後、デッキ上に並べられた椅子の影が面白い形になっていることに気が付きました。

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 椅子の網目、つまりピンホールから漏れた太陽の光が三日月のような形をしています。ピンホールカメラの原理ですね。この画像は皆既が終わった21分後の部分食の最中に撮影。

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 15mほど離れた場所で観察していた Blackwell さん達もこのことに気が付いていて、周囲の皆さんにご披露していました。同じ星好き同士、やっぱり同じ視点になりますね。


【12月16日11時:記事追加】
 私が撮影した画像が【アメリカのサイト】に紹介されました。
 4枚目のピントの甘い画像が私の撮影したものです。

 リンクが変更されました。
 https://cpschools.com/planetarium/australia-solar-eclipse/
 このサイトは、今回の日食で知り合った Hitt さんが館長をしているプラネタリウム館のサイトです。

【12月16日13時:画像追加】
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 上記のサイトにアップロードされた部分食の画像を撮影中の Blackwell さんとその様子をiPadで撮影している Hitt さん(右)です。
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海の上の皆既時刻

2012-12-08 08:00:00 | 2012豪州沖の皆既日食
 これまで6回の皆既日食は全て陸地での体験です。いずれもその地点の皆既日食の開始時刻や終了時刻は事前に知ったうえで日食に臨んでいました。

 私が初めて皆既日食を見た1980年当時は手計算で観察地の予報計算をしましたが、現在ではNASAの詳しい予報値や優れたソフトが市販されているので簡単に予報時刻を求めることが可能です。

 しかし、2012年11月の皆既日食クルーズでは、皆既日食帯を船で通過しながら見るため、日食の正確な時刻を知るためには陸地で見る場合と異なる準備が必要です。

 単に日食を見られればそれでいいのかもしれませんが、時刻を事前に知っておくことは私のこだわりなので、文章が長く内容が難しくなりますがご容赦ください。


 事前に郵送されてきた航行予定表を見ると、オーストラリア東部の港町マッカイを12日15時(日本時)に出港、14日早朝に皆既日食観察、16日6時にニューカレドニアのリフー島入港となっていたので、次のような図面を日本を出る前に用意しました。

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 マッカイとリフー島の間を走る皆既日食帯の地図です。なお、マッカイとリフー島は約1,800km離れています。
 NASAの予報値を元に表計算ソフトのエクセルで作成しました。斜めに描いた3本の線のうち上の線は皆既日食の北限界線、中央の線が皆既中央線、下の線が南限界線です。

 日本を出国する時点では、皆既日食を観察する場所は東経157度、南緯22度付近だろうと予測しました。

 この図面に、佐藤さんから借りたGPS装置で得られる船の位置(経度と緯度)を前の日からプロットしていけば、皆既の数時間前には正確な時刻計算ができると考えました。

 下の数値は、13日18時(JST=UT+9h)から記録した船の位置データの一部です。
13日18時12分 東経155度39分 南緯22度31分 方位81度 速度22km/h
13日23時06分 東経156度44分 南緯22度23分 方位84度 速度24km/h
14日01時05分 東経157度10分 南緯22度20分 方位80度 速度23km/h
14日03時00分 東経157度34分 南緯22度18分 方位83度 速度22km/h
14日04時30分 東経157度52分 南緯22度16分 方位83度 速度19km/h

 これを元に船の位置を手で図面にプロットしていったところ、13日22時ごろには既に皆既食帯に入っていることを確認。
 14日5時前に方位約120度へ転舵するだろうと予測し皆既中心時刻は5時50分00秒±2秒と推定しました。

 中心時刻を5時50分ちょうどと仮定すると、NASAの予報値は
 皆既開始(第2接触)は 5時48分42秒(JST=UT+9h)
 皆既終了(第3接触)は 5時51分19秒
 皆既継続時間は 2分37秒 と計算されています。

 なお、この地点で月の影が地表上を動いていく速さは時速5720kmほどです。船の航行速度は時速20kmほどでしたが5時前には10kmほどに減速されていました。


 これは、GPS装置で得られた船の航跡(赤色で表示)を5時50分の月の影(楕円で表示)に重ね合わせ帰国後に作成した図面です。なお、楕円の長軸は289km、短軸は143km、影の動くスピードは分速954km、皆既帯の幅は161kmです。

 船は、ほぼ正確に皆既中心線上に操船されたことが確認できました。正確にいうと中心線からずれた距離は北側へ僅か600mほどでした。船長さんエライ!
 でも、晴れ間は少し東側だったのでもう少し速度を上げてくれればほぼ快晴状態で見られたのにと、少し悔しい思いもあります。


 これはGPS装置から得た5時19分から5時51分までの位置データを Google Earth に落とし込んだ図面です。船がほんの少しだけ蛇行していることがわかります。恐らく風や海流の影響でしょう。
 帰国してから船の詳細位置を皆既日食帯の地図に落とし込み、月縁部の凸凹は考慮しない平均月縁で計算してみると、
 皆既開始は5時48分43秒(JST=UT+9h)
 皆既中心は5時50分01秒
 皆既終了は5時51分20秒 となります。

 ところで、この海域は Coral Sea 珊瑚海といいます。今から70年前の1942年5月に珊瑚海海戦が行われ、空母レキシントンが沈没したのは、南緯15度07分、東経155度16分といいますから今回の皆既日食を見た地点から北北西へ約850kmの場所が戦闘海域になります。平和な時代に感謝。

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 皆既40分前の船上の様子。
 太陽は雲に覆われ、はっきりとした影はデッキ上にありません。 

 皆既直前に雲から顔を出した細い太陽。
 何はともあれ、7回目の皆既日食を無事見ることができ幸せでした。

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 船尾デッキの最後尾に配置した私の器材。左は魚眼コンバーターレンズを付けたデジカメLX3。その後ろはノートパソコンとGPS装置。右は拡大撮影用7cm屈折望遠鏡です。器材が重たかったけど記録が残せてヨカッタ。
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シドニー

2012-12-07 08:00:00 | 2012豪州沖の皆既日食
 オーストラリア皆既日食クルーズ旅行の観光編の続きです。

 11月21日(水)、オーステルダム号はシドニー港に戻ってきました。

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 朝日を浴びているシドニーです。画面中央に小さくオペラハウスが見えてきました。21日6時(日本時で4時)に撮影。8時に接岸しました。

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 クルーズの最後に、オーステルダム号の船尾デッキで記念撮影。背景はハーバーブリッジです。長かったような短かったような素晴らしいクルーズでした。15日間の航行距離は6,767Km、乗客1818人、クルー808人とのこと。


 9時ごろに下船。ツアー会社手配の貸切マイクロバスでミセスマッコリーズポイントやセントメリーズ教会などを見学し、昼食後にオペラハウスに到着しました。

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 Sydney Opera House はコンサートホールやオペラ劇場など5つのホールをもつ複合施設で1959年着工、1973年竣工、2007年に世界遺産に登録されています。綺麗で大きい!

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 オペラハウスのタイルに触りながら記念撮影。白色と淡い桃色の釉薬をかけたスウェーデン製のタイルが太陽に照らされ眩しく輝いていました。

 オペラハウスからダーリングハーバーへ移動し、ここで2時間ほど自由散策することに。

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 私はモノレールに乗りました。紫の花はジャカランダです。
 ダーリングパーク駅から乗車、シティセンター駅で降りました。料金は5ドルです。あいにく現地通貨を切らしていましたが、ARさんのご好意で5ドルを頂戴し支払いました。ARさん、ありがとうございました。

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 高さ309mのシドニータワーを見上げてみました。地上268mのスカイウォークには時間不足で行けず残念。

 近くのデパートを少し見学し、店内に大きなクリスマスツリーが飾ってあるというQVB(Queen Victoria Building)へ向かいました。

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 QVBです。

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 QVB1階で撮影したクリスマスツリーの根元です。2階と3階を突き抜けています。

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 4階に行き魚眼レンズで撮影したツリーの先端です。1階からの高さは24mもあるそうです。

 18時に集合場所へ集合。我々を乗せたマイクロバスは、お決まりの免税店へ。私は免税店のバルコニーで休憩しただけで何も買いませんでした(買えませんでした)。

 19時(日本時で17時)前にシドニー空港に到着。これでオーストラリア観光編の記事は終わりです。
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ヌーメア

2012-12-06 08:00:00 | 2012豪州沖の皆既日食
 オーストラリア皆既日食クルーズ旅行の観光編の続きです。

 11月18日(日)、オーステルダム号はニューカレドニア島のヌーメアに入港。ヌーメアには2003年8月に空路で来たので9年ぶりです。

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 ヌーメアの貨物ターミナル港に接岸しました。

 無料シャトルバスで市内中心部まで10分ほど乗車。そこから15分ぐらい歩いたところに教会があります。船内ミサでお世話になったTattersallさんからお誘いがあったので行ってみました。

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 セントヨセフ教会です。ちょうど日曜日のミサが始まるところでした。なお、ヌーメアではフランス語が使われています。

 パイプオルガンが奏でる重厚な音色で数百人の信者が賛美歌を何曲も歌いました。先導役の女性の透き通るような声が印象的でした。皆既日食を無事見られたことに感謝し黙想。

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 ミサが終わってから撮影した教会内部です。
 教会内部は撮影禁止が多いのですが、教会関係者に聞いたところ、尊敬の念を持ち制限区域内に入らなければ撮影OKとのことでしたので撮影させてもらいました。

 教会を出て、海岸方向へ10分ほど歩くとマルシェ(市場)です。
 行く途中にあったATMでキャッシュサービスを受け、現地通貨1000パシフィックフラン(約1000円)札1枚だけ入手しておきました。この方法は空港などで現地通貨を両替するよりも為替レートがいいのですが、1回あたりの手数料が100円程度かかります。

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 マルシェと港です。とても暑かったので、500mlのコーラを320フランで購入。9年前と同様に物価は少し高いようです。

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 お土産店にいた子供と子犬です。子犬だけ撮影しようとしたら僕も一緒に写してというのでパチリ。

 お土産として一番安価な絵葉書を購入。

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 5時間ほどでオーステルダム号に戻り、9階のレストランで無料のアイスクリームを頬張る私でした。

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