★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2022年7月にteacupからgooへ引越しました。

1967年に撮影した初めての天体写真

2025-02-15 06:00:00 | 天体の記事
 私が初めて写した天体写真は、青森市内の自宅前で1967年(昭和42年)3月に撮影した星の写真です。


 左側の輝星は木星。ふたご座のポルックスとカストルが木星の右側に写っています。フィルム現像と印画紙への焼き付けはDPE店にしてもらいました。

 当時の詳細な撮影データが残っていません。そこで、木星の位置などから撮影年月日を特定してみました。


 これは、SkySafari というアプリのスクリーンショットです。
 木星の位置関係から大雑把に1967年3月8日から14日ごろまでの撮影ということが判明しました。


 写真をルーペで拡大し調べてみると、木星の近傍に衛星カリストが偶然写っていてその近くに写っている8等星との位置関係から撮影日が特定できそうです。
 オモチャのような貧弱な三脚を使ったので見事にブレて写っています。(汗)


 SkySafari で数日間のシミュレーションをしたところ、撮影日は1967年3月10日(金)と特定できました。

 上記の方法では撮影時刻まで特定できませんが、使用した簡易三脚は水平と垂直にしか動かせなかったことから、撮影アングルから推察するとカメラを南西方向に向け20時前後に撮影したものと思われます。


 撮影に使ったカメラは、父が使っていた1951年製のマミヤ6というブローニー版の蛇腹カメラです。
 テッサーレンズ焦点距離75mm、絞りはF3.5開放、露出は多分10秒ほど。フジフィルムのネオパンSSS(スリーエス〕を使いました。

 札幌市に転居した1967年5月以降は、DPE(フィルム現像や印画紙への焼き付け処理)を自力で行うようになり、フィルムの増感現像やコントラストを強めた印画紙への焼き付けや覆い焼きも可能になりました。
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2025年2月10日未明の火星食

2025-02-13 06:00:00 | 天体の記事
 2025年2月10日(月)の未明に火星が月に隠される火星食を見るため、久しぶりの遠征をしてきました。

 2月10日の2時半に目覚め、居間の西向き窓から外を眺めると弱々しい光の月がボンヤリ見えていました。天気予報を確認すると、札幌では雲が徐々に厚くなるようなので近場の遠征を決意。

 1月1日に帯状疱疹とギックリ腰を併発してから41日ぶりの遠征です。まだ体の痛みはありますが、近場なら大丈夫でしょう。車庫前に8cmほど積もった雪を軽く除雪し、自宅を3時10分に出発。

 深夜なので高速道路は割引料金です。徐々に雲が薄くなってきました。途中の千歳付近ではマイナス14度と放射冷却が起きています。月もハッキリと見えてきました。

 沼ノ端東ICで高速を降りました。当初予定していた苫小牧の高台は除雪がされておらず立ち入り禁止のロープが張っていたため、第二候補の苫小牧市字弁天の道路脇に到着したのが4時45分。火星食が始まるまで30分ほど余裕があります。急いで防寒着を着用。


 口径7cmF6屈折望遠鏡を経緯台に取り付け、ミラーレスカメラで撮影準備完了したのが5時ちょうどでした。左端が月で、画像の原版には火星も辛うじて写っています。双眼鏡で見ると月の下に雲があるのが気がかり。
 焦点距離420mmの望遠鏡直焦点だと月が小さすぎるので、ミラーレスカメラの2倍デジタルズームを使います。

 到着したこの場所は東経141度44分39秒・北緯42度37分29秒・標高3mで、ここでの火星食の始まりは5時16分18秒ということを SkySafari というアプリで求めました。


 露出1/500秒、感度ISO3200、火星の地平高度は2度39分。大気の揺らぎと大気の色収差でボケボケの月です。火星食が始まる10分前の撮影です。


 露出1/320秒、感度ISO3200、火星の地平高度は1度55分。火星食が始まる5分前の撮影。やはり低空の雲に邪魔され始めました。


 露出1/320秒、感度ISO6400、火星の地平高度は1度51分。


 露出をたっぷりと1/30秒、感度ISO6400、火星の地平高度は1度47分。撮影直後に火星は雲隠れ。(泣)

 火星食が始まる5時16分18秒まで残り4分というところで雲に邪魔されてしまいました。火星食開始時刻の火星の地平高度は1度13分と超低空で、もう少し東へ移動していれば雲に邪魔されず火星食が見られたかも。

 5時20分に現地から撤収。気温はマイナス11度でした。帰路は一般道を通り7時40分に帰宅。腰痛が少しだけ増してきました。(泣)
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太陽・月・惑星の集合?(2025年2月9日)

2025-02-11 06:00:00 | 天体の記事
 2025年早々、帯状疱疹に加えギックリ腰になったため、しばらく星見の遠征を自粛してたことから SkySafari という天体アプリで天体現象シミュレーションをして楽しんでいました。
 色々と試していたところ、2025年2月9日(日)の太陽・月・惑星が「ある程度の範囲」にまとまっていることに気がつきました。

 地球から見て、太陽・月・惑星が2025年2月9日に148.1度の範囲に収まっています。その数日間の様子は次のとおりです。
 2月7日(金) 火星〜水星 離角152.0度
 2月8日(土) 火星〜水星 離角150.1度
 2月9日(日) 火星〜水星 離角148.1度
 2月10日(月) 月〜太陽  離角150.9度 いずれも毎日12時の値


 2月9日の水星は太陽から南へ2度離れた位置です。画像は SkySafari のスクリーンショットです。
 撮影には日没後に対角魚眼を使えば、太陽と水星を除いて写せると思います。月が眩しく天王星が5.7等級で海王星が7.9等級なことから露出が難しいですね。

 と思って2月9日の夕方を待っていましたが、札幌はパラパラと雪が降る中、雲を通して淡い金星、木星、月、火星が短時間見えただけでした。残念!

 次の機会は2025年3月1日になります。

 2025年3月1日だと火星〜太陽まで離角が126.1度の間に全惑星と月齢1.4の細い月が夕方に見えるものの、土星が太陽から9.9度しか離れていないことが撮影の難点となります。

 2月9日夜半の火星は月のすぐ近くに淡く光っていました。
 日付けが変わって2月10日(月)の明け方には火星が月の裏側に隠される火星食があります。札幌で見えたかどうかは次回のブログ記事で。
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すばるを昼間に見る(3回目=2025年2月8日)

2025-02-09 06:00:00 | 天体の記事
 前回のブログ記事 【 すばるを昼間に見る(2回目=2025年1月26日) 】からの続きです。

 札幌は2月8日(土)の午後から青空が見え始め、15時過ぎから自宅屋上の望遠鏡をスタンバイさせました。すばるを昼間に見る1回目と2回目は口径15cm屈折望遠鏡を使いましたが、今回の3回目は口径40cm反射望遠鏡を使用しました。


 まず、ピント合わせのため望遠鏡を目盛環を使い木星に向けました。左上は月齢10の月です。西側の太陽は厚い雲に隠されています。


 スマホで撮影した日の入り1時間前の昼間の木星です。雲が近づいてきたため、木星の衛星を確認することなく望遠鏡を「すばる」の中で一番明るいアルキオーネに向けます。

 口径40cm100倍だとスカイグローフィルタを使ってもなかなかアルキオーネを眼視確認できません。見えない原因としては、
❶ 反射望遠鏡の副鏡による遮蔽が青空の明るさによる瞳孔縮小の影響を受けやすいこと
❷ 反射望遠鏡のコントラスト低下の影響を受けやすいこと
❸ 低倍率だと青空が明るすぎてしまい恒星の輝きが埋もれてしまうこと
❹ 筒内気流の影響を受けやすいこと
 などが挙げられます。

 そこで倍率を200倍に上げたところ、アルキオーネが難なく眼視確認できました。証拠写真としてスマホでコリメート撮影。

 スマホで撮影したアルキオーネ(2.87等級)です。

 200倍の同一視野内には6.29等級の24番星(24 Tau)も見えるはずと考え、丹念に探してみると16時17分に淡い24番星が確認できました。筒内気流が大きい影響で24番星は写りませんでした。
 やはり、昼間の星を見たり撮影するには反射式望遠鏡よりも屈折望遠鏡の方が有利だと痛感。


 SkySafari という天文アプリで「すばる」=「プレアデス」を表示しておきます。

 撮影直後に雲がアルキオーネを覆い隠しました。16時22分に屋上から撤収。外気温は0度ちょうど、この日の日没時刻は16時56分でした。
 
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今シーズン最強寒波中の月面X(2025年2月5日)

2025-02-07 06:00:00 | 天体の記事
 2025年2月4日(火)の8時15分からNHKテレビの「あさイチ」を視聴していたところ、天気予報コーナーで翌2月5日(水)に見える月面Xのことを気象情報よりも長めに紹介していました。
 おりしも、日本列島は記録的な寒波と雪害の警戒が出される中、月面Xのことを天気予報コーナーで長めの放送時間を費やすことに私は多少疑問に感じました。事前に月面Xについて専門家にビデオ取材していたことからどうしても放送したかったのかな。

 北海道の帯広方面では2月3日夜から大雪に見舞われ、2月4日9時時点の12時間降雪量が120cmと国内観測史上1位を記録。北海道東部で鉄道・幹線道路・空路が麻痺状態というか災害に匹敵する状況になりました。
 本州でも平地でも積雪が急増し、JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)が北陸を直撃し車両の立ち往生などに警戒が必要との報道がされていました。



 さて、2月5日の札幌は雪が止んだものの終日曇天。月面Xが見える見込みは殆どない状況でした。
 それでも昼過ぎから自宅の居間から時々空を見上げてみると、時々小雪が舞い散る中で夕方から雲を通して淡い月が一瞬見える場合が時々あったので、18時50分に屋上の望遠鏡をスタンバイ。

 小雪がチラホラ舞っているので、口径15cm屈折望遠鏡の対物レンズの蓋をしたまま月の方向に向けました。


 薄雲を通して見えた月面X(矢印の先)です。
 一瞬、厚い雲から月が見え始めたので、対物レンズの蓋を取り即座にピントを合わせ撮影。月面の北側が欠けたままの撮影ですが写野を動かす時間がありません。すぐに厚い雲に隠されてしまったので、薄雲を通して月が見えたのは20秒ほどの短時間でした。

 この月面X、昼間に見えるチャンスを狙っています。2025年の場合は8月1日、9月29日、12月27日の日没前が狙い目でしょうか。

 月面Xの撮影を終えた直後の2月5日夜のテレビニュースでは日本各地での雪害の酷さを報道していました。「今シーズン最強寒波 愛媛でも大雪警報」というテロップが流れていました。
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