チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

貝谷八百子の「ポーギーとベス」(1955年)

2016-11-13 01:00:30 | バレエ

貝谷八百子さんと巳之部豊さん主演のバレエ版「ポーギーとベス」です。(主婦の友1955年11月号)


↑ 思いっきり逆に紹介されています。

1955年8月25、26、29日、9月2日に日比谷公会堂にて上演されました。古典バレエを主にやっていた貝谷バレエ団のこの公演はかなりの注目を浴びたようです。

ガーシュウィンの原作のバレエ化にあたってはストーリー、音楽ともに相当改変されたということです。演出は貝谷八百子さんご自身。

クラウンは吉村辰彦。スポーティング・ライフは桑原公隆。演奏は森正指揮近衛管絃楽団、美術は三林亮太郎(1908-1987)。

オペラの上演権は黒人の団体が持っていて黒人以外の上演は難しいと言われていたが、バレエ化は可能だと主催者は考えたそうです。

ちなみにこのオペラのバレエ化はアメリカでも行われておらず、このときが世界で初めて。

以下の画像は「国際写真情報」1955年10月号からです。

↑ ぱっと見、ハマり役な感じですね!

 

 

ここからの写真は圧巻だったという第2幕、キティワ島Kittiwah Island)でのデュエットです。

。。。今から60年も前なのにパワフルですね。貝谷バレエ団、恐るべし!

 

(おまけ)貝谷八百子と淡島千景の謎の生写真

撮影時期、何となく容姿が似ていらっしゃるかもしれないお二人の接点等わかり次第書き込みます。


花形スター1000人集より日本のバレエダンサー編(1955年)

2016-10-02 00:31:47 | バレエ

「国際芸能人名鑑花形スタア1000人集1954-55年版」より、バレエダンサーです。アイウエオ順、敬称略。

東勇作(1910-1971)

 


石井漠(1886-1962)

 


石井みどり(1913-2008) 石井漠の奥様。

 


江口隆哉(1900-1977)

 


貝谷八百子(1921-1991)

 


邦正美(1908-2007)

 


小牧正英(1911-2006)

 


島田広(1919-2013)

 


高田せい子(1895-1977)

 


谷桃子(1921-2015)

 


友井唯起子(1918-1983)

 


服部智恵子(1908-1984)

 


法村康之(ほうむらこうじ、1904-1966)

 


益田隆(1910-1996)

 


宮操子(みやまさこ、1909-2009)江口隆哉の奥様

 


山田五郎(1907-1968)

 


横山はるひ(1925-1999)

 

。。。情報を追加していきます。


着物姿のバレリーナ、アンナ・パヴロワ(1923年頃)

2016-09-26 19:24:54 | バレエ

大正末期の娯楽雑誌「苦楽」創刊号の表紙です。1924年(大正13年)1月1日号。


↑ 1977年の復刻版。

この雑誌のグラビアにロシアの名バレリーナ、アンナ・パヴロワ(Anna Pavlova, 1881-1931)の着物姿が掲載されていて驚きました。



「まさか日本の真似はしまいと思っていたら、アメリカへ行ったパヴロワ夫人は矢張りこの醜躰を演じつつある。彼女も一個の旅芸人にすぎなかった....と編輯子は大いに憤慨している。」とお怒りのようですが、自分は歴史的バレリーナの着物姿がうれしかったです。カッコ悪いと思ったらきっと着ません。

Wikipediaによるとアンナ・パヴロワは1922年に来日し8都市で公演したそうですね。その来日がこの着物姿に繋がっているに違いありません。

しかし、そもそも、この人は本当にアンナ・パヴロワ?


白鳥の湖・全曲日本初演(東京バレエ団、1948年)

2016-08-05 17:59:48 | バレエ

(2015年5月16日の記事に島田廣・服部智恵子ファミリーの画像を追加しました)

 

「白鳥の湖」全幕は1946年に東京バレエ団により日本で初演されましたが、2年後の1948年には同じく東京バレエ団により、今度は「全曲」が日本初演されました。

↑正直、全幕と全曲の違いがわかりませんが、1946年の初演のときは一部省略されていたってこと?(調査中)



東京バレエ団というのは、小牧正英バレエ団、貝谷八百子バレエ団服部島田バレエ団東京バレエ研究会の合同ということらしいです。

解説によると「このバレエ公演に貝谷八百子、島田廣、谷桃子の諸氏が加わっていることを見のがせない。このひとたちは、言わば完全に一本立ちでやっている舞踊家だ。それが『白鳥の湖』という一つの芸術品のまえには、つつましい奉仕者となってあわられているのである。私たちは、ずいぶん永い間、舞踊家のこういう協力をまちのぞんでいたのである。日本では、一人一人が孤立していたら、いつまで立っても、こういう作品を上演するチャンスはないかもしれないのに....。」ということで、当時のオールスター勢揃いの公演だったようです。

以下、主なメンバーの紹介です。

【小牧正英バレエ団】

小牧正英(こまきまさひで 1911-2006)


《小牧正英氏の振付をみていて、こんなに悪口を言いながら猛稽古をやるのに、よく皆がだまってついてくるものだと思った。ところが小牧氏にきいてみると「今度の公演は、私の意志というよりも、生徒たちの熱意に動かされてやったようなものです。私は上海から帰ってきて以来、夢中で仕事をしましたが、日本というところは、つくづく芸術家を育てない国だという気がして、少々くさっていたのです。しかし生徒の熱意は私をふるい立たせました。」というような訳で、なるほどと思った。どうせやる以上は、できうる限りオリジナルなものに仕上げたいと思い、こんどは前回の公演のときにくらべると、80パーセントは振付を変えてみた、と小牧氏はだんだん熱してきた。このひとは、どうみてもバレエに関しては気狂いのような熱血漢である。》


関直人(せきなおと)



《こんど、王子に抜擢された関直人君は、きいてみると、まだことし二十歳の青年である。いったい、どうしてバレエに志す気になったのかときくと、「丁度二年まえでした。ぼくの田舎(白河)から出てきて、はじめてバレエ『白鳥の湖』をみたのですが、矢も楯もたまらなくなって、小牧先生に弟子入りしたのです。本名は関根直治って言うんですけれど、先生が関直人という芸名にしてくれたんです。」と至極明快にこたえた。》


野邊(涌井)武子

 


廣瀬佐紀子

 


横山はるひ、笹本公江、太刀川瑠璃子、岸清子、日高淳

 

↓参考(小牧バレー団の白鳥の湖。1950年8月25日東京有楽座。大束元氏撮影。朝日新聞報道写真傑作集より)




【貝谷八百子バレエ団】

貝谷八百子(かいたにやおこ 1921-1991)



《貝谷八百子さんだが、街であっても、このひとは絶えずたくましいバレエ魂といったようなものを発散している。何か人を押し倒しそうな気力である。「とうとう結婚期もすぎちゃったァ」平気でそんなことを言う人だが、こんな何でもない言葉のなかに、じつは貝谷八百子の不屈な魂が窺われるのだ。18歳でパヴロヴァ門下から独立して今日まで、彼女の恋人はトゥ・シューズ以外のなにものでもなかった。「今にアメリカへ行って勉強してくるわよ。」......彼女は今もなお真剣である。》

 


町田旬子、佐藤けい子、長谷川千鶴子




【服部島田バレエ団】

島田廣(しまだひろし 1919-2013)



《島田廣氏は、いうまでもなく「島田服部バレエ団」の主宰者で、亡くなったエリアナ・パヴロヴァ女史の門下生だ。おそらく外国の雰囲気のなかで育ったのでもないのに、彼くらいに雰囲気を身につけたというのは、非常に稀なのではないだろうか。》


服部智恵子(はっとりちえこ 1908-1984)

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(追記)島田廣さんと服部智恵子さんはご夫婦。そのファミリー写真がアサヒグラフ別冊「映画と演芸」1954年9月号にありました。

左から笹田雄二(次男)、お弟子さん3人、笹田慎一(長男)、島田廣、服部智恵子、昇(廣の弟)、エリ子(繁子の長女)、笹田繁子(長女)。

笹田繁子さん、綺麗ですね。やはりバレリーナで、ワトソン・繁子というお名前で有名なかたらしいです。

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松岡みどり、古藤かほる、早野和子、浅井郁子 (この中に上の写真に写ってる方がいらっしゃるかも?)




【東京バレエ研究会】

谷桃子(たにももこ 1921-2015) 4月26日にお亡くなりになりました。



《谷桃子さんは、古くは石井小浪に師事し、のち日劇ダンシング・チームに入っていたが、小牧氏の帰国と同時にバレエ団に加入した。小牧氏と一時結婚していたのは周知のとおりだが、こんどの稽古を見ていると、『桃ちゃん、そんなポーズじゃダメだよ!』という小牧氏の言葉に従順で、凡俗な私的感情などというものは覗いてみることもできなかった。まことに不思議な世界である。》

 


長谷川訓子、内田道生

 


藤田繁(歌手の尾崎紀世彦さんのお父さんだそうです。ご隠居さま、情報ありがとうございました。)

 

↓ キャストです。この時は東勇作さんはいなかったんですね。上の方々以外に有名な人いますか~?(河内昭和氏も出演されています)

 

以上、有楽座のプログラムより↓


プロコフィエフ:バレエ「シンデレラ」全幕日本初演(貝谷八百子バレエ団、1951年)

2016-03-10 22:16:25 | バレエ

写真誌『国際写真情報』1952年2月号より、プロコフィエフのバレエ「シンデレラ」日本初演のようすです。1951年、東京・歌舞伎座。

↑ 貝谷八百子(1921-1991)演じるシンデレラ。



舞台装置:河野国男(1914-1973)、衣装:吉村倭一、照明:松崎国雄。音楽は東京フィルハーモニー交響楽団。指揮:高田信一(1920-1960)。

シンデレラの貝谷八百子さん以外の主な出演者は有馬五郎(王子役、1922-1993)、町田旬子、瀬良文子、加美早苗(本名・辻野美津枝、1921-2000)。

↑ 不思議な老婆が現れる。

 

↑ 王子と踊る。

 

↑ 王子の城の舞踏会。

 

↑ 残された片方の靴。かぐわし~

 

↑ 一幕二場。コオロギ:長谷川千鶴子、バッタ:芳沼和江

 

↑ 王子の持ってきた靴がぴったり合った!めでたしめでたし



音楽之友社『音楽データ・ブック』によると「シンデレラ」の日本初演は1951年12月1日に東京で貝谷八百子バレエ団、上田仁指揮東京フィルハーモニー交響楽団によりなされたとありますが、指揮者は交替制だったんでしょうか?さらに調べます。

このシンデレラ公演は貝谷八百子さんの長年の念願であり、1年あまりの構想のもとに作られただけあって見事な出来栄えだったようです。