サイトウ・キネン・オーケストラの母体である「桐朋学園齋藤秀雄メモリアル・オーケストラ」最初のコンサートは1984年9月18日(火)午後7時から東京文化会館大ホールで開かれました。
桐朋学園の指導者である齋藤秀雄没後10周年を記念して結成された、かつての教え子たちによるオーケストラです。
写真はR.シュトラウス「ドン・キホーテ」を演奏中の模様で、小澤征爾指揮、ヴィオラ独奏・今井信子、チェロ独奏・堤剛。(この演奏会では秋山和慶もシューマンのライン等を指揮しています。)
コンサート・マスターはベルリン・フィルの安永徹。そのとなりにはN響の徳永二男がいます。あとはもめないように全て年齢順に並んだため、堀米ゆず子、加藤知子が第1ヴァイオリン最後尾だったりします。
豪華メンバーを100人近く集めるためのスケジュール調整が大変で、東京と大阪1回ずつのコンサートために準備は3年前から進められ、海外からも40人ちかい演奏家が日本に呼び戻されたそうです。
往復の交通費も十分に出ず、ギャラはリハーサルを含めて一律10万円だったにもかかわらず、ほとんどの演奏家が二つ返事で参加を引き受けたらしいです。さすが、齋藤秀雄!
ちなみにチケットの料金は8,000円、6,500円、5,000円、4,000円(東京文化会館アーカイブによる)ということで、当時としてもそんなに高くないですよね。聴きにいらっしゃった方はお得でしたね。
有名人ばかりということで、写真のそれぞれの演奏者が誰なのかを知りたいです。ここにもこのかたらしき人がいらっしゃいます。
(敬称略、Focus誌1984年10月5日号より)
↑ 1968年4月19日、第11回大阪国際フェスティバルにて桐朋学園オーケストラを指揮した齋藤秀雄。(フェスティバル30年記念写真集より)