【レナータ・スコットさんは2023年8月16日にお亡くなりになりました】
晩年のオットー・クレンペラーがフィルハーモニア管弦楽団とベートーヴェンの交響曲のリハーサルをしていたときの有名な話。
クレンペラーのズボンのファスナーが開きっぱなしだったのでオーケストラがそわそわと落ち着かなかった。
クレンペラーが「どうしたんだ」ときいたのでコンマスが「開いてます」と耳打ちするとクレンペラーは「それとベートーヴェンと何の関係があるんだ」と怒り出したそうです。コワっ。きっと恥ずかしかったんでしょうね。
さて以下はイタリアの名ソプラノ歌手、レナータ・スコット(Renata Scotto, 1934-2023)の1985年11月9日東京文化会館大ホールにおけるリサイタルでの出来事です。
休憩後、衣装を替えて出てきたスコットのドレスのわきのファスナーが開きっぱなしなのです。
このまま一曲歌い終わってからあわててスコットはファスナーを上げようとしたけど、うまく上がらないのでピアノ伴奏者のロベルト・デ・キュニンク(Robert De Ceunynck)が手伝いました。
その後スコットは何ごともなかったように堂々と歌い終わったそうですが、恥じらいがあって、なんかカワイイですね!
(Focus誌1985年11月22日号より)
【2015年12月6日の記事を修正しました】