食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

ねぎ

2009-05-14 07:41:40 | 日記

 生理的に、男性は対象物へ視覚的に強く影響され、女性は臭覚的に強く影響されるのだそうだ。言われてみれば、きれいな花束を見て男性は「きれいだな」でおわるが女性は「まあ、なんてきれいなの」の後に、必ず鼻を近づけてみる。男性がそれをする光景に出会ったことはない。

 ねぎ、言わずとしれた臭覚にうったえる代表的な食べ物。栄養素も豊富なこの食材、好きな人と、嫌いな人とで極端に峻別される。そばやラーメンの注文時、「お願いだからねぎはいれないでくれ」派と、「ねぎ多めにお願いします」派にわかれる。もちろん僕は後者である。いつなんどき、どんな状況下で立ち食い蕎麦に出向いても、このセリフだけは絶対に付け加える。

 ネギの臭いの元は、硫化アリルという硫黄化合物に由来する。基本的に、硫黄がまざると刺激臭を伴う。温泉、特に源泉場でのツーンとする臭いが代表だ。
 口臭測定器も、お口の中の硫黄化合物濃度を測るのが原理だ。最近は種々の測定器が開発されてはいるが、、、、硫黄 = くさい とおおざっぱに覚えていただきたい。

 立ち食い蕎麦で、一人、麺をすする女性をよくみかけるようになった。立ち食い蕎麦こそ、男だけのサンクチュアリーだと思っていたのだが、、、吉野家の女性一人ディナーと同様である。
 
 ただ、「ねぎ多め」のセリフを女性の口から聞けるのは本当にまれだ。以前、所沢の、ねぎ好きの聖地である立ち食い蕎麦ですばらしい光景に出くわした。
 
 ある女性 「ねぎ多めでお願いします」
 店員   「了解!はい、どうぞ!」
 ある女性 「すみません。もう少し追加できますか。。。。」