鹿児島 5 知覧特攻平和会館の入口に一歩足を踏み入れますと、一台のグランドピアノが目に留まります。 昨日、つくられたばかりのようにも見えますし、降り積もる時間にその存在を耐え抜いたようにも見えます。 「フッペルのピアノ」でした。 佐賀の鳥栖にも知覧同様の特攻基地がありまして、近くの小学校に置かれていたピアノです。 おそらく知覧に寄贈されたのでしょう。 終戦まじか、その小学校に2人の特攻隊員がやってきます。 「自分たちは東京芸大を卒業後、演奏会でピアノを弾く機会に恵まれないまま、明日、特攻出撃いたします。 今日、思い切りピアノを弾いて明日死にたい。二人だけの演奏会をさせていただけないでしょうか?」 お二人は、ベートーベンの「月光」と、「海ゆかば」を思う存分に弾かれ、翌日早朝、出撃されました。 この話には続きがありますので、ご興味のある方は、映画「月光の夏」を観てください。