最近、さかんに「 次世代に残したい日本の歌100選 」の類の番組が放映されております。 いい日旅立ち、昴、世界で一つだけの花、などベタ中のベタな曲は、どの番組にも必ず顔をのぞかせます。 詮ずる所、日本を象徴する歌を3つ挙げるとしたら、「 ふるさと 」 「 さくらさくら 」 「海ゆかば 」ではないでしょうか。 特に、海ゆかば、を悪しき軍国主義の象徴などと言う人がいますが、的外れもいいところです。 元々、万葉集の編集にたずさわった大伴家持がつくった歌に、近代、名前がでてきませんが著名作曲家が曲をつけたものでして、自然と渾然一体化した日本人の死生観をみごとにまとめ上げた名文です。 この3つからさらにひとつだけ選べ、と言われたら、迷わず「海ゆかば」と答えます。
鹿児島 6 特攻の母である、鳥濱トメさんのお孫さんが経営する食堂にて。 お客は僕以外誰もいませんでした。 鳥濱トメさんは家財道具を売ってまでも、最後の思い出にと冨屋食堂を訪れる特攻隊員たちをもてなしました。 隊員の人たちの多くは、戦争をしてはならない、平和な日本であるように、そのことをできるだけ多くの人々に伝えてほしいと言っていたそうです。 出撃されるときは、にっこりと笑って、涙ひとつ落とされなかったそうです。