◆高野 明
・年賀電報のこと
戦争が終わり5年経過、世の中の暮らしも徐々に落ち着き、社交的なことも旧に復してきた25年12月に年賀電報の取り扱いが再開された。しかし庶民にとっては、まだまだ金額的にたやすく利用するまでにはなっていなかった。
年賀電報の募集にあたっては、主として企業を訪問し、お願いをした。そんなとき保戸島※郵便局では連日まとまった年賀電報が取り扱われていた。遠洋漁業に出ている船舶 . . . 本文を読む
◆高野 明
・津久見局赴任
昭和22年2月、春にはまだ早く冷雨にけぶる港町、津久見郵便局に赴任した。買出し客、近隣市町村からの通勤者等で満ち溢れる国鉄の日豊線津久見駅のホームに降り立った。昇降階段をひしきめき押し合い改札口を出て駅前広場に立ち、目的方向を見定め、市街中心部目ざし、街の様子を見ながら歩く。珍しく新築中の2階建ての大きな木造建築の建物が目を引く。後でわかったが、終戦直後物資の少な . . . 本文を読む