折々スケッチ

小さなスケッチブックやハガキに水彩と鉛筆ペン等で描いた絵を中心に、感じたこと等日記代わりに添えています。

「金継ぎ展」を見て

2017年10月02日 | 風景
展覧会会場のある「ノリタケの森」

「金継ぎ作品発表会」 絵のお仲間のお知合いが、出品されていると案内状をいただきました。
私の父は漆の塗師屋(ぬしや)でした。
子供の頃、父が割れた茶碗を漆でつなぎ乾くまで紐でしっかり縛っているのを仕事場の隅で
見ていたことを覚えています。良い器ではないと金蒔絵はしないでそのままでだったような・・・。
懐かしさもあって、会場に出かけました。



最終日の会場は沢山の来場者で賑わっていました。
パンフレットによると「金継ぎ」とは陶器の割れや欠けた傷をあえて隠さず、修理して
景色に見立てて楽しむ日本人ならではの粋な感性・・・
破片を漆でつなぎ合わせその上を金、銀、白金を蒔き仕上げるものです。
「一度ついたら離れない」と言う理由で嫁入りのご祝儀道具にもなるそうです。
壊れてしまっても繕っては使い続けたいと言う器に対する愛情が金継ぎの
エネルギーの源泉だそうです。


器の上に走る稲妻のような金色の線、切り取ったような直線、どれもその器が初めに持っていた
表情を超えて新しい意匠になっていて、とても魅力的でした。
器を大切に使ってきた昔の人の心「もったいない」が美へと進化したのです。

私も好きな100円均一のお店、街にあふれるビニール傘、使い捨て文化からはこうした深い「美」は
生まれまいなぁ・・・と、爽やかな秋の街を自転車こぎながら、帰りました。

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