折々スケッチ

小さなスケッチブックやハガキに水彩と鉛筆ペン等で描いた絵を中心に、感じたこと等日記代わりに添えています。

奈良の旅・乗り鉄と少しスケッチ(2)

2019年06月22日 | 奈良
   朝6時の南円堂



早寝したおかげで二日目の朝は4時過ぎにに目が覚めて窓を開けると少し霞んだ丸い月がJRの線路の上に見えて今日もきっと晴れ!

身支度をしてバスを待つ間に静かなJR奈良駅をちょっとスケッチ。
朝一番の循環バスで興福寺へ。乗客は1人だけで発車して近鉄奈良駅で数人乗車。

五重塔周辺も時折散歩の方が通るくらいで昼間とは全く違う静けさの中あんなにいた鹿たちもわずかに草を食んでいるだけ。まだどこかで寝ているのでしょう。
興福寺五重塔は天平時代に創建されその後の歴史を経て現在の塔は1426年室町時代に再建されたもの。
高さ50・1メートル奈良時代と室町時代の様式を取り入れたどっしりした塔です。
明治の初め廃仏毀釈令によって売りに出されたとか焼却処分されるとかの話も出たところならまちの
人達の反対運動で残ったのだという話もあります。燃やすなどとはとんでもない事。残って良かったです。
大きくて重々しい塔を描く元気はなくてすぐ西にある南円堂に向かいました。
西国三十三番札所の南円堂、散歩の方も丁寧にお参りされています。
1日2回鳴らされる6時の鐘を聞きながらお参り出来て早起きはやっぱりお得です。
ここではお堂の前に下がる鰐口の音もシャランと優雅な音に聞こえました。


 博物館の前で


静かな朝の国立博物館の前で1枚スケッチ。塔全体は難しいので上の方だけ見える場所を探すのです。
近くに「宝蔵院流鎌槍発祥の地」の碑があり吉川英治の宮本武蔵に夢中だったころを思い出し、
中村錦之助の武蔵も良かったな~・・・あの頃は私も若かったし~と。

7時を過ぎたので朝食にバスでホテルへ戻ります。
バイキングの朝食をお腹いっぱい詰め込んで朝ドラを見てからチェックアウト。

予定では「ならまち」辺りを歩いて民家をスケッチしたいと思っていたのですが予報気温は30度と
蒸し暑くなりそうなので予定変更。緑の多い東大寺、戒壇院、大仏池、正倉院、転害門を回ることにしました。
7時ごろには人も少なかった東大寺南大門辺りは9時を過ぎる頃には人が増えました。


  9時すぎの東大寺への参道



南大門の巨大な仁王像に見とれているゆとりはありません。
妙な浴衣姿の外国人たちが写真を撮るのに私はジャマ。
場所を空けると「アリガトウゴザイマス」と。「どういたしまして」と私。
「スミマセン」と返事が返って来て笑ってしまいました。

南大門から少し先の左側にある土塀の前で1枚スケッチ。土塀ばかり描いています。
ここは駐車場からの団体さんの通り道らしく次々通ります。
先生やガイドさんらしい人が大きな声で「右手が南大門・・・」と説明しますが子供も大人も
「鹿!しか! シカ〜〜!」とはしゃいでちっとも聞いてない。
暑い中先生も大変ならせんべいをねだる鹿もくれそうな人に狙いを定めて大変。

人の多い大仏様はお参りせずに通り過ぎて静かな戒壇院へ行きました。
ここはいつも本当に静かです.
拝観料を払って門をくぐるとここも何か違う感じ。
「変わりましたね」と言っても若い事務所の方は「いいえ変わってないですよ」と。
私はここに来るのはいつ以来かと思って「火災があったのはいつでしたか」と聞くと調べて
くれて「1998年5月です」と。
私が訪ねたのはその前年なので1997年応対してくれた方はまだ生まれてなかったかも。
ついこの間と思ったのにいつの間に20年過ぎたのかしら・・・

お堂の中は昔と変わらず四天王はとても良いお姿で立たれていました。
鑑真和上が戒壇を築き建立された戒壇院。何度も火災に遭い現在の戒壇堂は1732年の再建です。
国宝 四天王像は天平彫刻(塑像)の傑作と言われています。近年の研究で三月堂の日光菩薩、月光菩薩と同じ工房で製作されて同じ場所に並べられていたかもしれないと。どちらも大好きな仏さまです。今は日光月光様は東大寺ミュージアムに移されてお堂の中で見ることはできません。ここの四天王像はもちろん踏みつけられた邪気も面白いのでのぞき込みたくなりますが顔や手を近づければ警報が鳴るのだとか。
参観者は私一人、ずっとお寺のオジイサンに監視されている気がしていました。何かありそうなババさんと思われたのかも。


外で東大寺の屋根をスケッチしていると中国からの団体さんが来て「絵の写真を撮らせて」ですって。
素敵なおばさまが多かったのに私のわずかな中国語はこんな時にさっぱり出て来ない。
北京からのツアーで怪しげな日本語のガイドさんが頼りの話でした。

  国際親善しながらの一枚

その後、大仏池へ行き近くの奈良公園事務所の休憩所へ。
池の周囲も以前よりスッキリしています。外に出てきた事務所の方は「最近は変わってませんよ」と。
この方も30歳前くらいなので20年前なんて大昔の話でしょう。

そこからまた正倉院を目指して歩きました。あつかった あつかった〜・・・

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