お医者様のお話を聞いてきました。
「あの人はなぜ相手の気持がわからないのか~もしかしてアスペルガー症候群!?」の著者、加藤教授のお話を伺うのは初めてです。
長い経験と豊富な臨床に基づいたお話は、とても興味深かったです。
ASDに対してのオキシトシン投与に関する部分は、特に興味深いと感じました。
オキシトシンは、陣痛促進剤として用いられ、また、乳汁分泌を促しますと加藤先生からの説明がありました。
オキシトシンについては、セス・D・ポラック博士の発表があるので少し紹介します。
母と子を結び付けているホルモンについての解釈。
このホルモンは、脳下垂体から分泌される「オキシトシン」(oxytocin)、「バソプレシン](vasopressin)という二つのホルモンである。
これらのホルモンは授乳や水分のバランスを調節するなど、体の機能に影響を及ぼしているだけでなく、他の人と積極的に交わる気持ちを起こさせる、など、さまざまな社会的行動にも関係している、という。その中でも、母と子の社会的な結びつき、男と女の性的な結びつきに密接に関連しているという。・・・
・・・パソブレシンは、人を見て、その人が自分にとって親しい人かどうかを区別する働きがあり、それが少ないということは、他人を区別できないようになってしまっている、と考えられる。
2005年11月22日付「米国立科学アカデミー紀要」(Proceedings of the Nationala Academy of sciences)にて米ウィスコンシン大学のSeth.D.Pollak博士(セス・D・ポラック)らによって発表。
また、ハーバード大学の小児科医、チャールズ・ネルソン博士によると、生後2年間は、赤ちゃんにとって人との交わりを発達させる非常に重要な時期で、そこで作られるオキシトシンが、母親と反応する事で、母と子の関係が形成されるそうです。ベビーマッサージ協会hpより
加藤先生のお話の中で、「自称アスペ君」という言葉がありました。
発達障害について認知が高まり、対人関係のトラブルや社会的にうまくいかなくなった人たちが、「自分がうまくいかないのはアスペルガーだからなのでは」、と自称アスペ君が大勢受診をするそうです。半分くらいはまったく違う病気だという事は、少し困った事です。
アスペルガーは生まれたときからアスペルガーです。大人になってからアスペルガーになるなんてことはありません、とおっしゃっていました。
今日の講座は、
間違いだらけの「大人の発達障害」の理解
~正しい理解があってこそ支援につながる~
です。本当にそう感じます。
加藤先生、ありがとうございました。