Hさん、67歳女性、3年前に入居して来られた。
一見、どこが問題なの?と思うほど。
“食器洗ってくださる?”
“はい”と、にこにこ素敵な笑顔。
几帳面な丁寧な洗いかた。
“あっ、これは洗ってあるよ。”
洗ったのか、洗ってないのかわからなくなってしまうことが。
寝る前、“洗面しましょう。”
“はい、”にこにこ顔。
義歯をいつまでも洗っている。
他の入居者に目を向けていたら、歯ブラシを口の中に入れたまま泡だらけで部屋に戻ろうとする。
“パジャマに着替えましょう。”
“はい。”ニコニコ顔。
ズボンを脱ぐと、
1枚、2枚、3枚、4枚・・・
“一枚だけにしようか?”
“そうね~”とにこにこ顔。
“お休みなさい”
朝方3時、パジャマの上ににウエストポーチをつけ、リビングソファーに座る。
“ちょっと時間が早いから、もう少し横になっていようか。”
“はい。”にこにこ顔。
5時、違うパジャマを着ている。
洗面を済ませ、リビングでモーニングタイム。
“コーヒーどうぞ。”
“あら、ありがとうございます。”
その間、自室にちょっと失礼。
う~~~臭う・・・・・
大付着の下着が5枚、きちんとたたまれ引き出しに入っている。
見当たらないゴミ箱。
探すと、奥の椅子の下に水のようなものが入り、そっと置いてある。
?
プンプン。
小のよう。
ベットはきれいに整頓してある。
ちょっと布団をめくると・・・・
大がついたシーツ。
リビングに戻ると、歌声が・・
テレビを観てHさんが口ずさんでいる。
歌が好きで、よく知っているんだ。
掃除も食器洗いも洗濯物たたみもとっても丁寧な仕事ぶりで、家で主婦をしていた頃が忍ばれる。
大きな声を出すこともない。
なんの問題行動もない。
穏やかで優しい心持ちのHさん。
汚れたものは目に触れない場所に置きたいよね、
下着が濡れたら、もう一枚履けばズボンが濡れないものね。
洗濯機が部屋にないから、洗えないものね。
おしゃべりは得意じゃないけど、“これHさんの犬?”と部屋に張ってある犬の写真を尋ねると、
“そうなの、うちの犬なの。可愛いでしょ。” にこにこして自らお話して下さる。
私と4歳違い。
脳は不思議だ。
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