ホクトマンのアドブログ

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【ネタバレ】コクリコ坂からを観た【注意】

2012-12-09 | 雑念
ジブリ作品「コクリコ坂から」を鑑賞

食わず嫌い的な理由で鑑賞を先送りしてきた。宮崎吾朗監督作品「ゲド戦記」がいろんな意味で私の舌に合わない点がリピートを遠ざけてきたのだろう。

しかしニュートラルな気持ちになって先入観のなくなった今になって再度チャレンジしてみたのだ。

全体的な感想としては「観て良かった」である。

まず絵がいい。
緻密で明瞭な色使いとこだわりを感じる街並みの描写やバランスがとても気持ちの良い印象を受けた。
当時の文化や風潮が嫌味なく、ファンタジーの様に目に飛び込んでくる。
「アキラ」の大友克洋が大好きな私は、コクリコの作中に出てくる「カルチェラタン」という建物の描写が大好きである。混沌が人間味を出していてアニメの醍醐味を感じられる素敵な表現部分のひとつである。

そして「北斗」が出てくる。
謎の人物「北斗」がいい役をしているところがいい。医者の卵らしいが正直男か女かも微妙であるというのが一回目の鑑賞の感想。wikiってみると原作では男の設定で北見北斗が作中では女になって北斗美樹に変更している。その理由はわからないが、女の下の名前で北斗も悪くないと考えたりもした。北海道の地名から取ったのかな?

相変わらず声がいい。
ジブリ作品は声優選びが上手いのが有名。私はいわゆるアニメ声の「声優声優」している演技が余りにベタで嫌いなのだ。脇のキャラにはアニメ声優が固めて作品が締まる必要もあろうが主役級は是非考慮してほしい。
例に漏れず今回のジブリ作品の主役2人は素朴で味のある人気俳優と人気女優。それを忘れる位映像と合っている。うーん、上手い。

ここまでは褒めて来たが苦言を呈するならひとつだけ。

ストーリーの地味さ。
それも味であるといえばそれまでだが、スケール感は無いかなぁー。戦艦の爆破シーンは確かにあるが緊迫感はない。だって回想シーンだから。
あえて愛がテーマで比較し易い「紅の豚」などは地味になりさげなストーリーをダイナミックな空中戦やユーモアで楽しくなる魔法の粉をふりかけて、駿ワールドに持ち込んでいく所は流石であった。
「コクリコ」は前述の世界観で私好みの作品になりつつあったが「うーん、惜しい」と言わせるのは何かと尋ねられたら、「このスケール感のバランス!」と言ってしまう。

しかし駿と高畑のジブリだったが、少し次世代の希望の星が煌めいた作品だと思える。
私は駿好きの1人ではあるが、いつまでも過去の栄光を求めてもコクである。実際「ポニョ」なんかは私の舌には合わなくなってきているのは事実。

新しい時代のジブリに期待する。
吾朗ワールドの冒険活劇作品を観てみたいものである。

これからのジブリも良い作品を創り続けていくんだろうなぁー。

期待も込めて星3つ★★★☆☆