まずワントラブル
朝一から電話がなる。
朝っぱらからのコール音は気分の良いものではない。大抵がクレームだからだ。朝から嬉しい知らせを電話口で聞かせてくれる人はいないのである。
内容を聞いていると、やっぱりトラブルである。キャンプ場に犬が乱入しているという。
あっ、あの犬か!
と瞬時に犬の姿に心当たりがあったのだ。以前もキャンプ場に乱入した前科持ちの犬だ。
しかしどこの犬か分からないのと
問題が起こらなければ近所とのイザコザも避けられると、放っておいたのが悔やまれる。
そしてそのツケは大抵すぐに回ってくる。
キャンプ場はペット可なのだが、
リードをつないでもらう。
放し飼いはできない。
そのルールの中でリードも飼い主にも縛られない無法者がまるで野球の試合中にスタジアムに乱入する不審者のごとく走り回っているのだ。
僕は即座に事務所を飛び出した。
しかし走らない。この後、犬を追いかけ回すための体力を温存する。
たまたまあったリードを持って場内探索に出た。
ターゲットはすぐに見つかった。
ペットを連れてきていたお客さんの近くで飛び跳ねているのだ。
うわー、嫌な予感する~。
ワンワンワンワン吠えまくっている。
しかし吠えまくっているのは、リードに繋がれている客の犬だ。
犯人犬は近くに寄って行くだけだ。
人懐っこいのは知っていた。
その後、信じられないことが起きた。
この広いキャンプ場内を追いかけ回してこいつを捕まえるのは、不可能だと考え始めた時、
ヤツは遠くから僕を見つけて近寄ってきた。おいおい!
どうしたどうした?
俺が飼い主みたいじゃないか!っ!
尻尾を振るんじゃないよ!
お前はなんの可愛さも感じない赤の他犬だ!
人懐っこい馬鹿犬め!
なんなく捕まえられた。
確保っ!
青島ーっ!確保だ!
ということでソソクサとわん公を連れて事務所に戻る。
完全に飼い主に見える。
不本意だ!不本意だぞぉぉおおお!
ジョジョぉぉぉぉぉおおお!
で、腹が立った僕は近所の家にそのまま歩いて行った。近所と言ってもキャンプ場から近くの民家まで1kmはある。
御宅の犬が客を噛みました!
警察に行って裁判に訴えますね!
ふざけるなぁーよ!
放し飼いにするなぁ!
たわけがっ!
慰謝料は200万でいいです。
弁護士を用意しておいてくださいね。
などと、なんと文句を言ってやろう!
全部嘘なので言わないが…
とプンプン歩く。
激おこぷんぷん丸である。
そして近所は1件しかないのだが、
そこに乗り込んだ!
出てこない。
チャイムを押して、
おはようございまーす
5、6回繰り返す。
無反応
困った困ったこまどりしまい
少し歩いて途方にくれていると
後ろの家の中からおじいさんが出てきて複雑な顔でコッチを見ている。
そう田舎の人間特有の無表情で人の顔を直視するアレで。何を考えているのか、何も考えていないのか、よそ者を見る時の不安と不信をあらわにするのだ。
そして特に普段の生活では他人に攻撃的な人間だと思われないようにしているので、それらを隠そうとする。
その相対する矛と盾が微妙な表情を作り出して、僕はいつまでも不愉快な印象を受け続ける。
あのー、こちらの犬は御宅の犬ですか?
第一声は静かに、まずは丁寧に。
違う!的な事を方言で言っている。
さらに困った!原住民は日本語に近い独特の言語を使うようだ。
結局、朝からお騒がせしましたと謝罪して事務所にトボトボ帰る。は・い・せ・ん、敗戦。
チョット小走りしたから疲れをもよおしてきた。なんで犬の散歩してんだ?俺。
くそっ!
すると軽自動車が止まった。
すると隣の施設の人(本当は知り合いなのだが、嫌いなのでよそよそしく)だ。
助手席の窓を開けて、それウチの犬!と言う。
事情を説明して助手席に載せた。
ウチは小さな子供さんが来られる施設なので放し飼いをして、怪我をする事故が起きると怖いので繋いでおいてください!
と伝えた。
慰謝料だの警察沙汰だの、過激な言葉は飲み込んだ。
僕は紳士だ。
そして理性の働く大人だ。
いくら嫌いな人間でもキチンと丁寧な言葉で注意をする。
しかしブログはクソ味噌だ!
飲み込んだ言葉は全てブログで吐き出す。
だらしのない人間である隣の施設の人間を信用していないため不安感が募るが、次は警察沙汰だと言い聞かせ(自分に)、事務所に戻る。
そして最後に宿泊客に謝罪。
丁寧に謝罪。
幸いなことにクレーム電話の人たちは、謝罪を聞いて少し愚痴るだけで激怒するでもなく、納得してもらえた。
良かった。
でもまた事務所に戻るとうっすら汗をかいて、ため息~!
高知の浜辺で土佐犬が人を噛み殺した事件が先日あった。
それなのに自分たちの事としての想像力が働かない。
本当に、
嫌いやわぁ~!
朝一から電話がなる。
朝っぱらからのコール音は気分の良いものではない。大抵がクレームだからだ。朝から嬉しい知らせを電話口で聞かせてくれる人はいないのである。
内容を聞いていると、やっぱりトラブルである。キャンプ場に犬が乱入しているという。
あっ、あの犬か!
と瞬時に犬の姿に心当たりがあったのだ。以前もキャンプ場に乱入した前科持ちの犬だ。
しかしどこの犬か分からないのと
問題が起こらなければ近所とのイザコザも避けられると、放っておいたのが悔やまれる。
そしてそのツケは大抵すぐに回ってくる。
キャンプ場はペット可なのだが、
リードをつないでもらう。
放し飼いはできない。
そのルールの中でリードも飼い主にも縛られない無法者がまるで野球の試合中にスタジアムに乱入する不審者のごとく走り回っているのだ。
僕は即座に事務所を飛び出した。
しかし走らない。この後、犬を追いかけ回すための体力を温存する。
たまたまあったリードを持って場内探索に出た。
ターゲットはすぐに見つかった。
ペットを連れてきていたお客さんの近くで飛び跳ねているのだ。
うわー、嫌な予感する~。
ワンワンワンワン吠えまくっている。
しかし吠えまくっているのは、リードに繋がれている客の犬だ。
犯人犬は近くに寄って行くだけだ。
人懐っこいのは知っていた。
その後、信じられないことが起きた。
この広いキャンプ場内を追いかけ回してこいつを捕まえるのは、不可能だと考え始めた時、
ヤツは遠くから僕を見つけて近寄ってきた。おいおい!
どうしたどうした?
俺が飼い主みたいじゃないか!っ!
尻尾を振るんじゃないよ!
お前はなんの可愛さも感じない赤の他犬だ!
人懐っこい馬鹿犬め!
なんなく捕まえられた。
確保っ!
青島ーっ!確保だ!
ということでソソクサとわん公を連れて事務所に戻る。
完全に飼い主に見える。
不本意だ!不本意だぞぉぉおおお!
ジョジョぉぉぉぉぉおおお!
で、腹が立った僕は近所の家にそのまま歩いて行った。近所と言ってもキャンプ場から近くの民家まで1kmはある。
御宅の犬が客を噛みました!
警察に行って裁判に訴えますね!
ふざけるなぁーよ!
放し飼いにするなぁ!
たわけがっ!
慰謝料は200万でいいです。
弁護士を用意しておいてくださいね。
などと、なんと文句を言ってやろう!
全部嘘なので言わないが…
とプンプン歩く。
激おこぷんぷん丸である。
そして近所は1件しかないのだが、
そこに乗り込んだ!
出てこない。
チャイムを押して、
おはようございまーす
5、6回繰り返す。
無反応
困った困ったこまどりしまい
少し歩いて途方にくれていると
後ろの家の中からおじいさんが出てきて複雑な顔でコッチを見ている。
そう田舎の人間特有の無表情で人の顔を直視するアレで。何を考えているのか、何も考えていないのか、よそ者を見る時の不安と不信をあらわにするのだ。
そして特に普段の生活では他人に攻撃的な人間だと思われないようにしているので、それらを隠そうとする。
その相対する矛と盾が微妙な表情を作り出して、僕はいつまでも不愉快な印象を受け続ける。
あのー、こちらの犬は御宅の犬ですか?
第一声は静かに、まずは丁寧に。
違う!的な事を方言で言っている。
さらに困った!原住民は日本語に近い独特の言語を使うようだ。
結局、朝からお騒がせしましたと謝罪して事務所にトボトボ帰る。は・い・せ・ん、敗戦。
チョット小走りしたから疲れをもよおしてきた。なんで犬の散歩してんだ?俺。
くそっ!
すると軽自動車が止まった。
すると隣の施設の人(本当は知り合いなのだが、嫌いなのでよそよそしく)だ。
助手席の窓を開けて、それウチの犬!と言う。
事情を説明して助手席に載せた。
ウチは小さな子供さんが来られる施設なので放し飼いをして、怪我をする事故が起きると怖いので繋いでおいてください!
と伝えた。
慰謝料だの警察沙汰だの、過激な言葉は飲み込んだ。
僕は紳士だ。
そして理性の働く大人だ。
いくら嫌いな人間でもキチンと丁寧な言葉で注意をする。
しかしブログはクソ味噌だ!
飲み込んだ言葉は全てブログで吐き出す。
だらしのない人間である隣の施設の人間を信用していないため不安感が募るが、次は警察沙汰だと言い聞かせ(自分に)、事務所に戻る。
そして最後に宿泊客に謝罪。
丁寧に謝罪。
幸いなことにクレーム電話の人たちは、謝罪を聞いて少し愚痴るだけで激怒するでもなく、納得してもらえた。
良かった。
でもまた事務所に戻るとうっすら汗をかいて、ため息~!
高知の浜辺で土佐犬が人を噛み殺した事件が先日あった。
それなのに自分たちの事としての想像力が働かない。
本当に、
嫌いやわぁ~!