山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

今宵からまつたけの土瓶蒸し

2024年10月28日 | キノコ料理

 「やっぱり山の空気を吸うと元気になる!」

「いやあ、いい運動になった!」

「山の様子、分かってよかったねえ!」

「季節は間違いなく進んでいるねえ!」

 嘘ではない。

 嘘ではないんだけど、

 

       本日の収穫物の全て

 ハナイグチが3本だけ。

 これが、その成果だとなると、ただの言い訳とか空(から)元気とか言われても仕方がない。

 本気で収穫をめざしていったのに、その成果がこれだけなんだもんね。

 ただですね、遅れ気味とは言え、ハナイグチが出始めたことは、嬉しい事実なんですよ。

 だって、去年は全く採れなかったんだから。

 しかも、よく見れば、食べ頃で美味しそうな状態じゃないの。

 よおし、これを使って最高の料理に仕上げたろうじゃないか!

 包丁人マタギの血が騒ぎ始めました。

 ということで、準備開始です。

 ・むきエビと銀杏を人数分。鶏もも肉(100g強?)をそぎ切りにします

 ・沸騰したお湯で鶏ももを湯がいてアク抜き

 ・ハナイグチを薄切りにして

 ・・・何を作り始めたか分かります?

 正解は、マツタケの土瓶蒸し

 但し、使うのは、カラ松茸ね。

 ちょっと説明すると、ハナイグチは、カラ松林に生える優秀なキノコで、何よりも、おとぎ話に出てくるようなかわいらしい姿が一番の売りです。

 そんでもって、カラ松の落葉を栄養に代えて成長するので、針葉樹独特の高貴な香りを纏っているんです。

 この香りが生かせる料理と考えた結果、ここに辿りつきました。

 名付ければ、からマツタケの土瓶蒸しです。

 まあ、騙されたと思って食べてくださいませ。

 ・だし汁の割合は、水900mlに、ほんだしと醤油と塩を各6gにしてみました

 ※他の吸い物にも使えるいい味です

 ・沸騰したらハナイグチと鶏ももとムキエビと銀杏を入れて消火。蓋をして待ちます(土瓶代わり)

 ・盛り付けの時間に合わせて再加熱し、白髪ねぎを散らしてみました

       よい薫りでっせ

       今宵の夕食になります

 これが、マツタケほどに強くはないんだけど、優しくツンとくる松林の香りどす。

 柑橘系の調味料も使おうかと考えていたんですけど、不要ですね。これで完成です。

 

 たった3本のハナイグチだったけど、連れ帰ってよかった。

 今宵は、秋の香りを堪能させていただきました。

 山の神様、おおきに、ありがと様。


ブナハリタケ料理、最後はやっぱりこれ!

2024年10月25日 | キノコ料理

 この度収穫してきたキノコたちも、順調に保存と消費が進みまして、今回が即戦力用キノコの最後になります。

 残っているのは大ぶりのブナハリタケ

 作る料理は、採ってきた時から決まっていました。

 美味しい美味しいフライです。

 ブナハリタケというキノコには、様々な魅力があります。

 独特な甘い香りは、煮物や椀物、そして炊き込みご飯にした時に、その真価を発揮します。

 そして、『ハリタケ』の特徴であるおびただしい針状のひだは、調味料や他の素材の味を吸収し、様々な料理との親和性を高めてしまいます。

 昨日のパスタは、この特徴を生かした料理です。

 で、今回の料理は、ブナハリタケの別の特徴を生かしたものです。

 その特徴とは、たっぷりのボリューム感と、ブナハリタケの持つ程よい歯切れというか食感。

 まずは作ってみますね。

 ・ブナハリタケの形を崩さないように、水分をある程度落したら(両掌で挟んだ)

 ・普通のお肉と同じようにフライの準備をします

 ・卵(LL)1個に薄力粉1/2カップを加えて、適量の水で弛めたら

 ・ブナハリタケを浸けて、パン粉を塗します

 ※いつもだと素材に塩コショウするんだけど、今回は、素のままで準備してみました

 ※この衣の量だと6~7枚で品切れ。途中から薄力粉と水だけで調理を進めました

 ※ブナハリタケが衣の水分を吸収してしまうから足りなくなった?

 ・中温で揚げていきます

 ここから見た人は、これがキノコだとは、最後まで分からないと思います。

 ・浮いて、泡立ちが収まってきたら裏返して、焼き色がついたら回収

       はい、出来上がり

      本日は、山形の秋の味覚パレード

 実は、妻が『芋煮鍋』を作っていたので、メインディッシュに加えさせてもらうことにしたら、こうなりました。サワモダシも活躍中。

 ソースをかけてももちろん美味しいですが、醤油味もかなりいけます。

 先日作ったマスタケのフライとは、また違った食感です。

 どちらも鶏肉に例える人がいますが、マタギの場合、マスタケがヒレ肉ならブナハリタケはロース肉という感想を持っています。

 マスタケはきめ細かい肉質なんですけど、こちらの方が、繊維が強靭な感じがするからです。

 どちらも大好きな料理ですけどね。

 それから、先日、ブロ友のゆり3がマイタケで作ってくれたんだけど、そちらとも違う食感だと思います。

 ああ~、美味しかった!

 これで、今回の収穫物で食べたかった料理は、一通り食べることができたぜ。

 ほんとうにありがたい山の御馳走です。

 山の神様、いつもいつもありがとうございます。

 本当に、末永く楽しませていただきたいものだと、つくづく思うこの頃です。


如何です?ブナハリタケパスタ

2024年10月24日 | キノコ料理

 「ブナハリタケ、ちょっと多すぎない?」

「どれどれ? ・・・! 確かに多いかも。」

先日採ってきたキノコのうち、即戦力分を冷蔵庫に保管したのだが、適当にやってるものだから気づかなかった。

 これはいかんなあ。

 早いとこ調理してしまわないと、せっかくの山の幸をダメにしてしまう。

 そんで、妻と使い道を相談した結果、一部を本日のランチで活用することになった。

 作るのは、アーリオ・オーリオ・ブナカノカパスタ

 炒めて美味しくなるブナハリタケだ。オリーブオイルで炒めても絶対美味しくなる。それに、ニンニクとの相性もいいはず。

 それでは、行ってみましょう!

 ※材料は、ベーコンとソーセージの細切りと、タマネギの薄切りと、ブナハリタケも細めに裂いて使います。ニンニクはチューブを使用

 ・大さじ1強のオリーブオイルで肉類を炒めたら

 ・タマネギにも火を通して

 ・ブナハリタケとニンニクを入れたらオリーブオイルを追加します

 ※ブナハリタケは、油分をよく吸う(旨みも)

 ・コショウを少々かけたらいったん火を止めて

 ・ホワイトソースの如く薄力粉を塗します

 ・よく絡めて粉っぽさがなくなったら

 ・パスタのゆで汁をお玉2杯分ほど加えて馴染ませます

 ※市販のパスタのゆで汁では、乳化させるのが難しいのでこんな風にやってます

 ・表示よりも2分短く茹でたパスタを入れて、加熱しながら混ぜていったら

 ・塩一つまみ加えて味を調整(ベーコンとソーセージとゆで汁の塩分が強いので要注意)

       はい、出来上がり!

 これが、予想通りと申しますか、目論見通りに旨いんだわ。

 ブナハリタケの良い香りが全体に広がり、ブナハリタケはニンニクやタマネギの旨みを吸い込んで、相乗効果で美味しくなっている感じ。

 家族も大喜び。

 マタギも大喜び。

 エッヘン、どんなもんだい!

 これは良い食べ方を発見できた。

 料理のレパートリーが広がったぜ。

 山の神様、また山の幸の楽しみが広がりました。

 ありがとうございます。

 そして、御馳走様でした。


サワモダシの常備菜はこれ!

2024年10月21日 | キノコ料理

 今回のキノコ採りは、(中秋キノコの)1回目にして大漁だった。

 そのため、いくら涼しい季節になったと言っても、冷蔵庫で保存できるには限りがあるから、残りは長期保存することになる。

 ありがたいことに、まだ冷凍庫に余裕があるから大体1回に調理できるぐらいの量をジップロックに分けて冷凍保存することにした。

       サワモダシと

       ブナハリタケ

 しばらくお別れだ。

 そのうちに料理するから、待っていておくれ。

 さて、それぞれのキノコを向こう1週間分ぐらいずつ確保したんだけど、昨日のブナハリタケのように、サワモダシの方も一部を常備菜にしておきたいですね。

 で、何を作るかと言ったら、もちろん、佃煮です。

 簡単だけど、これがまたすごく美味しいのよ。

 それでは、行ってみましょう。

       サワモダシは300gぐらいかな

 それに合わせて、

       酒醤油みりん各大さじ3ずつ準備

       今回は鷹の爪も1/2本ほど入れましょう

 実は、前回調理した時に入れたら辛くなりすぎてしまったんだけど、この辛味が気に入ってしまった方もおられたんです。

 なもんだから、ちょっとだけ辛くすることにしました。

       全部を鍋に入れたら煮るだけ

       20分ぐらいで、ほぼ煮詰まります

       はい、出来上がり

 簡単でしょう。

 これが甘辛くて旨いのよ。やっぱり味付けは、「ほどほど」がいいようですな。

 妻が夕食で、

       こんな風に使ってくれました

 今回は、春菊のおひたしに添えてくれたんだけど、佃煮の旨みで、更に美味しくなります。

 ちなみに、左側が昨日紹介したブナハリタケの煮物ね。

 この2つが揃ったら、ご飯はいくらでも進みます。

 いやあ、やっぱり秋は素晴らしいね。

 実りと収穫の季節だから、当然食欲も増す仕組みだよね。

 山の神様、返す返すもありがとうございました。

 謹んで味わわせていただきます。


甘露甘露、ブナハリタケ旨い!

2024年10月20日 | キノコ料理

 お昼にサワモダシを味わわせてもらったが、さすがは中秋の深山キノコの代表、すごく美味しかった。

 さて、深山キノコのもう一方の雄がブナハリタケ(ブナカノカの本名)です。

 この子も多くの魅力を持ったキノコなので、様々な味わい方を楽しめます。

 その中でも外せないのが牛肉との煮物です。

 牛肉との相性の良さという点ではマイタケと同じなのですが、香り・味・食感のどれも別物。全く違った美味しさを楽しむことができます。

 で、これは常備菜にもなるし、弁当のおかずにもなるので、多めに作っておきます。

 ・下ごしらえの終わったブナハリタケをギュッと絞って食べやすい大きさに切り分けます

 ・200g使うことにしました(絞らなければかなり重たかったはず)

 ・糸コン一袋分を茹でこぼして、牛肉(400g)は切り分けて準備OK

 ※調味料は、酒醤油砂糖を各大さじ4に、みりん大さじ2

 ・安売りのオージービーフは、脂身が多かったので、そのまま炒めて

 ・糸コンとブナハリタケも加えて

 ・一緒に炒めました

 ※ここまで調味料や油の使用はありません

 ・用意しておいた調味料を加えて、ヒタヒタまでいかないけど水(1カップぐらい)も足して煮詰めていきます

       終盤戦で味見をして、塩一つまみで味を微調整

       マイタケとは全く違う美味しい香りが広がります

 焦げ付く前に火を止めて、冷めるまでじっくり待ちます。

       出来上がりました

 これが、旨いのよ! 甘露甘露!!

 例年と違うのは、牛肉の脂身が多かったので、そこから出てくる牛脂に頼って調理したところ。

 いつも以上に牛肉とブナハリタケとの親密度が深まった感じがします。

 日常の食事は勿論のこと、お弁当のおかずとしても、暫く活躍してもらう予定です。

 それにしても、やっぱり自然の恵みは素晴らしい。感謝ですね。

 山の神様、ありがとうございました。