格子点とは、平面上で座標成分がすべて整数となる点のことである。頂点がすべて格子点である多角形を格子多角形と呼ぶ。任意の格子多角形Pについて、その内部の点の数をN、周上の点の数をSとすると、Pの面積は
A=N+S/2-1
になるという公式がある。
一方、格子多角形Pに対し、Pをn倍(nは正の整数)に膨らませたものnPを考える。ただし、nPとはPの頂点の座標をそれぞれn倍して得られる格子多角形のことである。nPの周上および内部に含まれる格子点の個数をf(P,n)で表し、nPの内部の点の個数をg(P,n)で表すとする。つまり、f(P,1)=N+S, g(P,1)=N; f(P,n)=N’+S’, g(P,n)=N’に相当する。
ここで、f(P,n)およびg(P,n)は、次の多項式で表せることが知られている。
f(P,n)=an^2+bn+1
g(P,n)=an^2-bn+1
以上の前提の下に、多角形nPの面積A’はAn^2となることを証明してみた。
n=1の場合のf(P,1)およびg(P,1)は、
f(P,1)=a+b+1; g(P,1)=a-b+1
となる。
面積AとA’を計算すると、
A=g(P,1)+{f(P,1)-g(P,1)}/2-1=a
A’=g(P,n)+{f(P,n)-g(P,n)}/2-1=an^2
となる。
よってA’=An^2であることが証明できた。
参考文献
遠山啓著「現代数学対話」(岩波新書)
数学セミナー2017年9月号(日本評論社)
A=N+S/2-1
になるという公式がある。
一方、格子多角形Pに対し、Pをn倍(nは正の整数)に膨らませたものnPを考える。ただし、nPとはPの頂点の座標をそれぞれn倍して得られる格子多角形のことである。nPの周上および内部に含まれる格子点の個数をf(P,n)で表し、nPの内部の点の個数をg(P,n)で表すとする。つまり、f(P,1)=N+S, g(P,1)=N; f(P,n)=N’+S’, g(P,n)=N’に相当する。
ここで、f(P,n)およびg(P,n)は、次の多項式で表せることが知られている。
f(P,n)=an^2+bn+1
g(P,n)=an^2-bn+1
以上の前提の下に、多角形nPの面積A’はAn^2となることを証明してみた。
n=1の場合のf(P,1)およびg(P,1)は、
f(P,1)=a+b+1; g(P,1)=a-b+1
となる。
面積AとA’を計算すると、
A=g(P,1)+{f(P,1)-g(P,1)}/2-1=a
A’=g(P,n)+{f(P,n)-g(P,n)}/2-1=an^2
となる。
よってA’=An^2であることが証明できた。
参考文献
遠山啓著「現代数学対話」(岩波新書)
数学セミナー2017年9月号(日本評論社)