「ここはどこですか、僕は誰ですか」
「ああっ、やっと目覚められましたか
ここは日本の病院ですよ
あなたは1960年に生まれた瞬間から気を失って
ほぼ50年間病院で寝ていたのですよ
めずらしい症例です」
「でもたくさんの夢を見ていた気がする
50年間ずっと人生を生きてなかった僕の
あの夢はどうやって見れたんですか」
「あれは、あなたの身代わりの八田二郎というアンドロイドの夢ですよ
八田二郎は50年間あなたの脳にずっと信号を送り続けていました」
「じゃあ、アンドロイドのほうが僕より人生を生きていたんですね
僕は何なんだ、本当に存在していたのか
僕自身の記憶は何も無いのですか
僕は空っぽのロボットなのですか」