河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

色彩の薄いせわた兄弟の巡礼 第19話

2013年06月14日 | ソーラー農作園芸
「内三兄さん『さよなら夏の友達』だけど
『グッバイマイフレンド』って『夏』が入ってないんじゃない
それに『たたみかけたたたみいわし』ってなんなの」

「いちいちうるさいやつだな、わかった、修正するよ
『たたみかけたたたみいわし』じゃなくて
『たたみだしたたたみいわし』だけどな」

海老三のつっこみに不満げな内三は
ちっ、と舌打ちをしてつぶやいた
「近頃の若いやつときたら教育がなってない
わしらの若い頃はもっと年寄りを大事にしたもんだ
それにみんな西洋便器に腰掛けてしょんべんしやがる」
そして内三は痛む腰をさすりながらいつものように昼寝をした

アゲハチョウ

2013年06月14日 | ソーラー農作園芸
広大な屋上庭園に咲き乱れる橘はかんきつ類なので
この土地のアゲハチョウの産卵場所となっている
しかし問題はアゲハチョウの幼虫に葉をかじられると
今の木の状態では丸坊主になって木が枯れてしまう
アゲハチョウを飼育するか
木を保護するか
非常に難しい問題である
アゲハチョウの幼虫は緑色で目玉模様のある
やつなのでそれも恐ろしい

さよなら夏の友達

2013年06月14日 | ソーラー農作園芸
♪グッバイマイフレンド
♪君と過ごした夏があったね
♪水平線の向こうには
♪いつも永遠が見えていた

♪さびしくてさびしくて
♪君の姿探しても
♪風の音しか無かったよ

♪グッバイマイフレンド
♪今年もたたみだしたたたみいわし
♪台風が過ぎた後の空は
♪泣き明かした君のよう

♪僕が死に急ぐ時にはたしなめておくれよ
♪胸の奥には戻せない悲しみもあることを

♪さびしくてさびしくて
♪君の声探しても
♪風の音しか無かったよ

♪グッバイマイフレンド
♪君はいつも明日を見ていたね
♪未来は永遠に来なくなった
♪君を失くしてから

♪さびしくてさびしくて
♪君と一緒に遊んだ
♪夏の友達でいさせて

作詞:瀬渡内三

色彩の薄いせわた兄弟の巡礼 第18話

2013年06月14日 | ソーラー農作園芸
「海老三、いったいいつになったらバンドデビューするんだ」

「ま、待っておくれよ。ローランドのBR-80の入荷が遅れていて6月下旬らしいんだよ
アマゾンだったら在庫があったんだけど、ノジマで注文したんだよ」

「俺の作詞はもうとっくに出来上がっているんだぞ
『さよなら夏の友達』っていうタイトルで
8月に聴くとちょうどいいテイストなんだぞ
30歳のおまえにはわからんだろうが」

「わ、わかったよ兄さん、兄さんが高齢で
もう残された時間が無いのは知ってるよ
8月までにはなんとかするよ」

兄、内三は知っていた
40歳で生まれて今年70歳になる瀬渡内三は悟っていた
人生は生まれた時から余生であり
同時に死に向かうだけの老後であることを

梅雨時の台風が通過した午後は
まるで夏の終わりの空色で
飛行機雲が「の」の字を描いていた