「父さん、兵庫県は、いや、日本の国は狂ってしまったのでしょうか?」
「いや、八郎、そうじゃないよ
元もと、政治家や社長や科学者や芸術家というのは
狂った存在だからだ、狂った存在だからこそ
あんな仕事をやってられるのだ
世界中が狂っているのだよ
まともな人間が
戦争ができるように憲法の解釈を変えたり
原子爆弾を落としたり
ミサイルを発射したり
無人島の取り合いをしたり
脱法ハーブを売ったり買ったり
不死不老の細胞を作りだしたり
年に100回も城崎温泉につかりに行ったり
そんな事するわけが無いだろう」
「念のために聞いておきますが、父さんは狂ってないですよね」
「あたりまえだ、わしはまともな人間だ
いつだって平常心だ
ほれ、見てみろ
小さい大名行列がSTAP細胞を籠に乗せて運んでいるじゃないか」
何も無い空間の一点を見つめたまま
父、八田二郎は不気味な微笑みを浮かべていた
押入れの中の又三郎おじさんは相変わらず
まだ山手線でぐるぐる回ったままだった
「いや、八郎、そうじゃないよ
元もと、政治家や社長や科学者や芸術家というのは
狂った存在だからだ、狂った存在だからこそ
あんな仕事をやってられるのだ
世界中が狂っているのだよ
まともな人間が
戦争ができるように憲法の解釈を変えたり
原子爆弾を落としたり
ミサイルを発射したり
無人島の取り合いをしたり
脱法ハーブを売ったり買ったり
不死不老の細胞を作りだしたり
年に100回も城崎温泉につかりに行ったり
そんな事するわけが無いだろう」
「念のために聞いておきますが、父さんは狂ってないですよね」
「あたりまえだ、わしはまともな人間だ
いつだって平常心だ
ほれ、見てみろ
小さい大名行列がSTAP細胞を籠に乗せて運んでいるじゃないか」
何も無い空間の一点を見つめたまま
父、八田二郎は不気味な微笑みを浮かべていた
押入れの中の又三郎おじさんは相変わらず
まだ山手線でぐるぐる回ったままだった