夏の午後、こうして野葡萄に囲まれていると
どこまでが自分で、どこからが野葡萄なのかわからなくなる
枝を広げた野葡萄は花を付け出した
僕はまだブリキ缶の中に座っているよ
グランドコントロールからの電波はもう来ない
青い葡萄の実が見える
あれは地球だ
僕はもうヘルメットを脱いでもいいんだね
もうそろそろ、すべての事から自由になりたいんだよ
薄れ行く意識で見た天国は
葡萄色だった
2095年 タマ少佐からグランドコントロールへの最後の通信より
どこまでが自分で、どこからが野葡萄なのかわからなくなる
枝を広げた野葡萄は花を付け出した
僕はまだブリキ缶の中に座っているよ
グランドコントロールからの電波はもう来ない
青い葡萄の実が見える
あれは地球だ
僕はもうヘルメットを脱いでもいいんだね
もうそろそろ、すべての事から自由になりたいんだよ
薄れ行く意識で見た天国は
葡萄色だった
2095年 タマ少佐からグランドコントロールへの最後の通信より