「八郎君、君が会うべき人を紹介してあげるよ
古本屋の極楽堂さんだ、力になってくれると思うよ」
「こんにちは、はじめまして、八田八郎です
実は悩みがあるんです・・・」
「話さなくとも全部わかる、そなたは若いのに頭は
もうカッパハゲになりかかっておるな
それはザビエルの呪い、バテレンの呪いじゃ
本来のキリシタンの教えから横道にそれた
カクレキリシタンが受けるべき呪いじゃ
幸福になりたくても不幸に陥る
声聞縁覚界で悟ったつもりになった者が堕天使となって落ちる
永遠の地獄じゃ」
「僕は今まで仏教徒のふりをしてきました
お仏壇の前でクリスマスケーキを食べたし
お寺の庭でハロウィンの仮装パーティもしました
できることなら教会で結婚式を挙げたいし
死ぬときはお寺さんを呼びたいんです
これから一生カクレキリシタンのままで生きて行け
というのでしょうか」
ストーリー展開に行き詰った極楽堂は
腕を組み天井を見つめたままだった
「ちょっと休憩だ」