野田改造内閣が発表されたとき、マスコミは、「この顔ぶれで、消費税アップができるのか?」という記事を書いていた。つまり、増税は当然という前提の記事だった。
本当にそんなマスコミでいいのか?
増税の是か非かは、もはや論外のことなのか?
一体改革の中身に問題はないのか?
私は意見が違う!
消費税のアップは結果としてやむを得ないにしても、そこへたどり着く道程や内容が問題なのだ。
なぜ消費税の値上げなのか、十分な説明がなされたとは思わない。
国会議員の80名削減が妥当なのかどうかも、説明を受けていない。
公務員の給与の問題についても、納得しているわけではない。
「このままでは、これから結婚し子育てをする世代がかわいそうだ」
しきりにそのような宣伝をしている。
「それにひき替え、今の老人は恵まれている」とすらも言っている。
確かにこれからの若者は大変だ。理解できないわけではない。問題だとも思っている。
「昔は7人で1人の老人を支えていたのに、今は3人で1人。いずれは1人が1人を支えることになる」
そんな論調も多い。まるで、世代間の対立を煽っているようではないか。。世代間格差は老人たちの責任だと言わんばかり。
われわれの世代が、もっと将来を見据えて、しっかりした制度設計をすべきだったことは確かだ。しかし、老人世代がすべての責任を負うべきなのか。
子供を産み育てやすい社会を作らなかったと言われればそれまでだが、安易な生活をのみ望んだ世代にも問題はあったはず。
たとえば私の子供たちの世代だ。遊興に走ったとは言わないが、結婚をすることをためらい、子供を産むことにも躊躇した。
そのような世代を育てたのは私たちだったので、責任はあると思っている。
私たち世代にも反省すべきことが多かった。だが、安きのみを求めた次の世代にも考えるべきことがあったはず。
つまり、お互いに見通しが悪く、何よりもそれを予見できなかった専門家や政治家に多くの責任があったと思う。
今さらそれを言ってみても詮ないこと。
願わくば、世代間の対立を起こすような場当たり的な論調は控えてほしい。
どの世代に「票」が多いかなどは、考えてほしくない。
大戦後の焦土の中から立ち上がってきた苦労についても、少しは思いを巡らせてほしいものだ。