十数年ほど前だったろうか。
夜もかなり更けたころ、、親しい友人から電話があった。石和温泉で呑んでいる様子。
「今、『人情酒場の会』を設立することになりました。初代会長はあなたです!」
突然のことなので、私には状況が掴めない。
「ウ………?」
「これから発足の乾杯をするので、音頭をとって下さい」
電話の向こうでは、ご機嫌にになっている数人の笑い声が上がった。
こんなことは過去にも幾度かあったので、状況はすぐに飲み込めた。石和温泉の宴会のために、乾杯の発声をすればいいのだ。
「カンパ~イッ!」
私の発声のあと、電話の向こうで乾杯の声が上がった。
そのような経緯を経て、「人情酒場の会」が発足した。
その後、会の名称を「はらわたの会」と改め、月例的な「飲み会」、ゴルフ、カラオケを楽しんでいる。
メンバーもかなり増えた。持つべきものは良き友であり良き後輩だ。
ありがたいと思っている。
「はらわたの会」の名称は、十数年前に作った私の川柳にちなんでおり、今になってみれば、少しばかりこそばゆい。
酒二合わがはらわたの処方箋 ひよどり
当時の私は、医師から、「酒は呑んでもいいですが、適量にしてくださいよ」と言われていた。
「適量は二合」、と勝手に決めて作った川柳だった。
しかし当時は、とても2合では収まらなかった。
それが祟って、今の私は、1合と決められており、今度こそそれを厳守している。