菊咲くやいろいろのこと考える ひよどり 一平
(きくさくやいろいろのことかんがえる)
・・・・・・・・
大輪の菊より、小ぶりに菊のほうが好きだ。
押しつけがましさがない。
どの花が代表かが分からないからいい。
そこにどんな顔があっても、まあまあなんとか収まりそうではないか。
菊咲くやいろいろのこと考える ひよどり 一平
(きくさくやいろいろのことかんがえる)
・・・・・・・・
大輪の菊より、小ぶりに菊のほうが好きだ。
押しつけがましさがない。
どの花が代表かが分からないからいい。
そこにどんな顔があっても、まあまあなんとか収まりそうではないか。
降り積もる桜落葉や道曲がる ひよどり 一平
(ふりつのるさくらおちばやみちまがる)
・・・・・・・・・
さほど大きくない桜の木が、沢山の葉を落としていた。あの台風の所為だ。
桜落葉の傍らを小道が通っていた。
小道はゆるりと左へ曲がって行く。
その先はよく知らない。私にとって、それはどうでもいいことだった。
いまの私にとって最大の関心事は、・・・・・・・・・。
しかし、それをここで書くわけにはいかない。
秋雲や右へ下れば池の端 ひよどり 一平
(あきぐもやみぎへくだればいけのはた)
・・・・・・・・・
社会構造や生活の仕組みが、結構複雑になっている。
そんなものに流されたら、がんじがらめにされて窒息してしまいそうだ。
できるだけ単純に生きたほういい。
あまり手を拡げないことだ。
これ以上に複雑になるのはゴメンだ。
左へ上るか右へ下るか、それともまっすぐに行くか。
そんな生き方がいい。
流れ来る桜落葉の引っきりなし ひよどり 一平
(ながれくるさくらおちばのひっきりなし)
・・・・・・・・
ひとしきり吹いていた強い風が止んて、穏やかな秋日和となった。
台風は地図で言えば上のほうへ去ったらしい。
風で落とされた葉っぱが、用水を流れて行く。
いろいろな種類の葉っぱなのだが、私には桜落葉しか判別できなかった。
白芙蓉訃報は夜半過ぎのこと ひよどり 一平
(しろふようふほうはやはんすぎのこと)
・・・・・・・
台風十五号が関東地方を通過した夜、親しい友人が逝った。
数年ほどの闘病の末だった。
「オレの人生は楽しかった」
本人はそんな言葉を漏らしていたそうだ。
奥さんが、「何が楽しかったの?」と問いかけたところ、
「ぜーんぶだ、全部楽しかった!」と答えたとか。
凄いねえ。