IAEAのメンバーが来日し、福島第一原発の事故原因を調査している。
その段階になって、東電側から、幾つかの新事実が公表された。
調査されれば暴露するので、その前に公表したとしか思えない。
東電だけが隠蔽していたのではなく、経産省や保安院も共犯者だったかもしれない。私はゲスなので、そのように勘繰っている。
仮に共犯者でなかったとしたら、東電を管理監督する立場として、いかに無能だったかということになる。いずれにしても、近隣の住民は憐れだった。
今までの我が国は、原発を推進する立場だった。
しかし福島第一原発の問題以来、菅総理は突如として慎重論を言い始めた。例によって、国内的な論議は十分になされていない。
国内にはすでに54基の原発があるのだ。「止めます」と言ったからとて、すぐに廃炉とすることはできない。
事故原因を早急に究明し、運転中の原子炉の安全対策を施しながら、今後の方針を論議すべきだなのだ。軽はずみな発言をしてはいけない。
もっとも、菅総理が口先で何を言おうと、もはや国民の心には響かない。まして国際社会からは、一切信用されないと思う。なにしろ、嘘の上に嘘を塗りたくっていると思われている日本なのだ。
哀れなのは国民だ。放射線量の詳しいデータも知らされず、「風評被害はよくない」と恫喝されながら、不安を抱いて生活している毎日だ。
日本の政治体制は劣化し過ぎた。東電すら制御しきれないのだ。政治主導が聞いて呆れるではないか。
今我々は、無能な政治家集団に権力を持たせたツケを、不安を抱きながら、日々払わされているのだ。
特に福島県の皆さんには、申し訳ないと思っている。
六月に入ったら、内閣不信任案の問題が出るらしい。打開策があるのだろうか。まさか総選挙を考えているわけでもあるまいに。とすれば、あっちへ附いたりこっちへ集まったりの政治ごっこになるのだろうか。
被災者の皆さんには、とてもとても申し訳のない話だ。
それもこれも、この政治体制を選択した国民に責任があったのだが。
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